レインボーフラッグが全米で舞い踊る 同性婚 | feature
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    2015年6月26日、アメリカの連邦最高裁判所の判決により、アメリカ全州で同性婚法案が合法化されることになった。同性婚に対する合憲・違憲論争のぜひを巡り、真っ二つに論争が分かれていたアメリカで歴史的な判決がくだされたことになる。アメリカで合法となったことで世界に与える影響力は大きく、これからは、好む好まざるに関わらず、LGBTについて知っておいた方がいい時代がやってきたと言える。「うちはパパがいなくてママがふたり」という子供は最早テレビの中のお話だけではなくなってきたのだ。知らないものは恐ろしく感じるもので、これは人間の防衛本能である。今回は、そんな不安を取り除くべくLGBTの同性婚について掘り下げて特集する。

     

     

     そもそもLGBTとは?

     

    LGBTという言葉はレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性障害を含む心と体が一致しない人)のそれぞれの頭文字をつなげたセクシャルマイノリティの総称。

     

    性には大きく分けて「身体的な性別」、「性自認(心)の性別」、「性的指向の性別」の三要素がある。たとえば、ストレートの女性であれば、女性の体で、女性の心を持ち、男性を好きになる。トランスジェンダーのはるな愛さんの場合は、男性の体で産まれ、女性の心を持ち、恋愛対象が男性となる。体と心が不一致のため、現在は手術を受け女性になっている。

    また、下記はあくまでセクシャルマイノリティの一部にすぎず、この他にもさまざまなセクシャリティの方が存在している。英語版のフェイスブックでは、Queer(自分の性別がはてなマークの状態)やAsexual(そもそも性欲がない)、Intersex(男性、女性の両者の性的な特徴と器官がある)など、性別が50種から選べるように変更されている。もはや性別は男・女だけでは分類できない時代がきていると言える。

     

     

     

    レズビアン

     

    一之瀬文香(タレント)、エレン・デジェネレス(コメディアン/女優)、エレン・ペイジ(女優)など

     

     

    ゲイ

     

    前田健(お笑い芸人)、イアン・ソープ(水泳選手)、ティム・クック(Apple CEO)など

     

     

    バイセクシャル

     

    壇蜜(グラビアアイドル)、レディー・ガガ(歌手)など

     

     

    トランスジェンダー

     

    佐藤かよ(タレント)、はるな愛(タレント)、KABA.ちゃん(タレント)、中村中(歌手)など

     

    ※トランスジェンダーの場合は個々によって恋愛対象が異なる場合が多い。

     

     

     LGBTはどのくらいの割合で存在するの?

     

    LGBTの割合はアンケートの方法により多少前後するが約7パーセントと言われており、左利きやAB型の人と同様に存在しているとの統計結果が出ている。たとえば学校の1クラスに少なくともひとりはLGBTの人がいる計算になる。しかし、今でこそ、テレビでマツコデラックスやKABA.ちゃんといったオネエタレントを見かける機会が多いけれども、「私の身のまわりでは見かけたことがない」という人が大半ではないだろうか? どこか別の世界にいる特別な人たちという認識を持っている人が多い中で、自ら進んで職場や学校で公表する人はまだまだ少数というのが現状だ。また、テレビの影響で、ゲイ=オネエ、女装と思いがちだが、あくまで一部の人間であり、大多数の人はストレートの人と変わらず、性愛指向だけが異なる。ちなみにここオーストラリアでは、Anti-discrimination actという法律があり、LGBTだからといって侮辱をしたり、就職や昇進に不利になったりということが禁止されている。日本と違って言論の自由に差別は含まれていないのでご注意。

     

     

     なぜ、ある人はストレートになり、ある人は同性愛者になるの?

     

    性愛指向を決定づける明確な要因は解明されていないものの、アメリカの科学者、サイモン・ルベイ氏が発表した『クィア・サイエンス』によると、ゲイ男性の脳の一部がストレート男性と大きさが異なり、極めて女性に近く、同じくレズビアン女性の脳も男性に近いという事実が確認された。少なくとも同性愛は生まれつきであると決定づける有力な証拠として挙げられている。一方で、生まれ育った環境が関係しているという説に関して解明されておらず、「LGBTの人は同性愛に関して何らかの遺伝的素因をもともと持っており、それが他の要因とあわさることで実際に発現するかもしれない」とルベイ氏は述べている。

     

     

     なぜLGBTの人は同性婚を求めるの?

     

    私たちが暮らす社会制度は、ストレートの男女とその子供たちを標準的な「家族」としているため、それ以外の人々は不自由な思いをすることがある。たとえば、同性パートナーが急病で救急車を呼んだ場合、いくら家族同然に暮らしていても親族ではないので付き添いを断られたり、病状を説明してもらえないという。当然、同意書にサインをすることもできない。生命保険の受け取りもできないし、一緒に築いた財産の相続もできない(遺言により相続人として指定することはできる)。そのほか配偶者控除や給与の家族手当が受けられないなど、生涯ずっと一緒に暮らしたいと願っても、日本ではあくまで同居人にすぎないというのが現状がある。

     

     

     

     

    世界的にはアメリカをはじめ、オランダやベルギー、イギリスなど年々同性婚を認める国が増えており、その国数は20ヵ国を超えている。左記地図の青の部分は同性婚、もしくはそれに準ずるパートナーシップ制度がある国だ。

     

    一方、同性愛行為を違法とする国がアフリカと中近東を中心に存在する。特に、ブルネイ、イラン、サウジアラビア、アフガニスタン、イエメン、スーダン、パキスタン、モーリアニアといった国々では同性愛者だと発覚すると死刑になる。ロシアでは、2013年に18歳未満の者に対する同性愛の「助長」に関わったものは、罰金に科すという同性愛宣伝禁止法が成立した。この法律に強く反発した国々が2014年のソチオリンピックの開会式をボイコットするという事件が起きたのも記憶に新しい。G8の中で、LGBTの権利を保障する法律が一切存在しないのは、ロシアと日本の2ヵ国だけとなる。その日本でさえ渋谷区で同性パートナー証明が発行されるようになり、LGBTを取り巻く環境は急速に変化している。ちなみにISも同性愛を禁止しており、今年1月に目隠しをしたゲイの男性をビルの屋上から突き落とす画像を公開している。

     

     

     

    7月6日に行われたサッカーFIFA女子ワールドカップ決勝戦で、アメリカ代表のFWアビー・ワンバック選手が、試合直後にパートナーのサラ・ホフマンと祝福のキスをしたことが世界中に生中継された。同性婚が合憲となったアメリカでの変化の象徴として世界中のメディアが報じて話題となった。このアメリカ同性婚の権利は時代の流れによって自然に得られたものではなく、今日に至るまで多くの犠牲者を出し、差別に耐え、強い信念を持ち続けてきたLGBTたちの壮絶な戦いがあった。まずはアメリカのLGBTたちが権利を獲得するまでの歴史を振りかえってみよう。

     

    1969年 ストーン・ウォールの乱

     

    45年前のアメリカは〝ソドミー法〟という法律で、同性愛が禁止されており、LGBTであることが発見されると罰金刑や自由刑(※懲役、禁錮、拘留などの受刑者の身体を拘束することで自由を奪うもの)など課せられる状況であったため、当時のLGBTたちは警察に怯え、地下に潜り密かにゲイバーなどのコミュニティを形成していた。そんなゲイバーを見つけては、警察が踏み込みを行うことは日常的な光景であったという。1969年6月28日、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」に、警察が突然のがさ入れ調査を行ったさいに、店にいたお姉様たちの怒りはついに頂点に達し、初めて警察に反撃したのだ。お釜の怒声はいつの世も恐ろしいものである。さらにはご近所のお仲間さんも集結し、3日間にわたる大暴動へと発展。13名の逮捕者と2名の重傷者を出すこととなった。この事件がのちの「権力による同性愛者らの迫害に立ち向かう抵抗運動」の転換点となったと言われている。ちなみに、オーストラリアをはじめ、各国にも自由と誇りの象徴としてゲイバー「ストーン・ウォール」がある。

     

     

    1970年 プライドパレードの誕生

     

    ストーン・ウォールの乱の翌年、アメリカ初のプライドパレードがニューヨークやシカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルスで開催された。黒人の市民権運動や女性解放運動といった当時の時代の流れに乗り、「LGBTの人間としての当たり前の権利」を初めて主張した。これが今も続く、プライドパレードの起源となる。ちなみにここシドニーで初めてシドニー・ゲイ・アンド・レズビアン・マルディ・グラが開かれたのが1978年のこと。主催者側は事前にデモ行進の許可を得ていたにも関わらず、直前にその許可が取り消され、警察と衝突する事件へと発展し、53人が拘束される事件となった。さらにその当時NSW州はソドミー法により同性愛が違法であったため、主催者らのほとんどは逮捕され、晒し首のごとく新聞に実名を報道されたためにその多くが職を失う事態となった。現在は最も経済効果のある市のオフィシャルイベントとして予算が組まれており、価値観というものは時代と共に激しく変わるものだと言える。

     

    1973年 精神障害診断と統計マニュアルの変更

     

    「同性愛は精神障害」としていたアメリカ精神医学会が同年の精神障害診断と統計マニュアルから、同性愛と精神障害に関する記述を削除した。医学会から「同性愛は精神病ではない」というお墨付きをいただいた瞬間となる。

     

    1978年 初のゲイ市議ハーベェイ・ミルク暗殺

     

    ゲイであることを公表して、市議に当選したアメリカ初の政治家であり、ゲイの権利活動家ハーヴェイ・ミルク。ショーン・ペンが彼の生涯を演じ、アカデミー賞を受賞した映画『ミルク』でご存知の方も多いかもしれない。サンフランシスコの市議会議員になるも、わずか1年弱で同僚議員のダン・ホワイトに射殺された。ホワイトはその当時の市長であったジョージ・マスコーニも同時に殺害したが、正常な精神状態ではなかったとして、ホワイトに下った判決は禁固7年8ヵ月と短いものだった。この判決に納得のいかないゲイコミュニティを中心にサンフランシスコで大規模な暴動が発生する。後にこの暴動が「ホワイト・ナイトの暴動」と呼ばれる。

     

    2004年 マサチューセッツ州で、アメリカで初めての同性婚

     

    LGBTの存在が公になるにつれ、理解が深まると同時に、ホモフォビア(同性愛者に対して、恐怖や嫌悪、拒絶感など否定的な感情や価値観を抱く人のこと)の拒絶反応も顕著に現れるようになる。そんな中、2000年バーモント州が結婚という言葉はあくまで男女に使用されるものだが、LGBTにも結婚と同様の権利の一部を与えることにする「シビルユニオン法/登録パートナーシップ法」を可決する。そして、2004年にマサチューセッツ州で初めての同性婚を認めたことを皮切りに、その数は確実に増え、先日の最高裁の判決まで37の州で同性婚を認めた。

     

     

     

     

     

    「同性婚者も異性婚者と同じ」と認めた判決に、アメリカ中が沸いた。下記にその美しいと評される判決文を紹介しよう。とはいえ、全米で同性婚を解禁する判断を下したわけではなく、あくまで、州レベルで合法的に結婚した場合にのみ保障したにすぎない。つまり、同性婚を禁じている残りの州に関しては、その法改正が行われるか、誰かが最高裁判決をもとに違憲起訴を起こすまで禁止されたままとなる。特に保守派の多いテキサス州などの南部の州は10年以上かかるだろうと予測されている。

     


    人と人のさまざまな結びつきの中で、婚姻ほど深い結びつきがあろうか。なぜなら婚姻は、愛、忠誠、献身、自分を犠牲にしてでも守りたい気持ちを含んでおり、家族の最高の理想を形にしたものだからだ。婚姻関係を結ぶことで、二人の人間が、いままでの自分をはるかに超えて偉大な人間になる。

    今回の訴訟の申立人たちは、たとえ死が二人を分かつとしても、なお途切れない愛情が、婚姻にはあると証明している。ゆえに、申立人たちが婚姻という営みを軽視しているとするのは、大きな誤解である。彼らの申し立ては、結婚という営みの意味を深く尊重しているからこそ、自らもそれを成し得んとしているのである。

    申立人たちが望むのは、非難され、孤独のうちに生涯を終えることのないこと。また、古い体制やこの文明社会から排除されることなく、生をまっとうできることである。法の下に、平等なる尊厳を求めているのである。憲法は、彼らにもその権利を保障している。よって当法廷は、第六巡回区控訴裁の判断を破棄する。

    以上のとおり命令する。


    No union is more profound than marriage, for it embodies the highest ideals of love, fidelity, devotion, sacrifice, and family. In forming a marital union, two people become something greater than once they were. As some of the petitioners in these cases demonstrate, marriage embodies a love that may endure even past death.

    It would misunderstand these men and women to say they disrespect the idea of marriage. Their plea is that they do respect it, respect it so deeply that they seek to find its fulfillment for themselves. Their hope is not to be condemned to live in loneliness, excluded from one of civilization's oldest institutions. They ask for equal dignity in the eyes of the law. The Constitution grants them that right. The judgment of the Court of Appeals for the Sixth Circuit is reversed. It is so ordered.



     

     

     

    現状、日本では認められていない同性カップルの婚姻だが、当事者にとってはどのようなメリットがあるのだろうか? 同性婚を認められる社会を目指すべく設立されたNPO法人「EMA日本」に伺ってみた。

     

     

    法的な権利・社会保障給付

     

    ●パートナーと実子の共同親権を持てる
    ●パートナーと養子の共同親権を持てる
    ●パートナーの遺産を相続できる
    ●パートナーが死亡したさいに遺族年金がもらえる
    ●パートナーが死亡したさいに公的年金の死亡一時金がもらえる
    ●医療保険の被扶養者になれる
    ●労災補償の遺族補償・遺族給付がもらえる
    ●所得税の配偶者控除・配偶者特別控除が受けられる
    ●相続税の配偶者控除が受けられる
    ●医療費控除のための医療費合算ができる
    ●パートナーの介護のための介護休業を取得できる
    ●パートナーが死亡したさいに(健康保険による)埋葬料がもらえる
    ●パートナーが外国人の場合、日本への帰化ができる
    ●パートナーが外国人の場合、「日本人の配偶者等」「家族滞在」在留資格による入国ができる
    ●パートナーから暴力を受けたさい、DV法上の保護が受けられる
    ●離婚時の慰藉料請求ができる
    ●離婚時の財産分与請求ができる
    ●離婚時の年金分割ができる
    ●公営住宅に2人で入居できる

     

     

    民間企業などのサービス

     

    ●民間生命保険の死亡保険金受取人になれる
    ●パートナーの葬儀に参列できる
    ●入院中のパートナーに「親族」として面会できる
    ●パートナーに対する医療行為に「同意」できる
    ●自動車保険の「運転者家族限定特約」を利用できる
    ●携帯電話の「家族割引」を利用できる
    ●クレジットカードの「家族カード」を利用できる
    ●航空会社のマイレージ「家族サービス」を利用できる
    ●映画の夫婦割引を利用できる
    ●交通機関の「夫婦割引」「家族割引」等を利用できる
    ●企業の慶弔休暇、慶弔見舞金、扶養手当・家族手当を利用できる

     

     

     

    ※オーストラリアではパートナーシップ法があるため、上記のほとんどが認められているが、日本では基本的にすべて認められていない。ただし、代替案として“夫婦”でなく“親子”として登録する養子縁組制度がある。

     

     

     

    世界中でお祝いムードが溢れる一方で、保守派を中心に根強い反発が残っていることも確かである。代表的な反対意見に対して再びEMA日本に意見を伺ってみた。

     

     

    同性婚を認めると少子化に拍車をかける?

     

    大多数のストレートの人たちは、同性婚が認められても、今まで通り異性を愛し、同性同士で結婚することはまずないでしょう。それは先に同性婚が導入された国でも統計によって証明されています。むしろ、同性カップルが子供を養育するようになった場合には、養子といった社会的な擁護が必要な子供たちの受け皿が増えると言われています。

     

    同性婚を認めると結婚制度が破壊される?

     

    同性結婚を認めた国の多くで、婚姻率が高まっています。今まで家族になれなかった人たちが家族を形成することになるため、全体的な数は増えることになるためです。また、同性愛者の絶対的な数の少なさから、同性婚が結婚全体に及ぼす影響はそれほど大きくないと考えられます。さらに同性婚がないため将来独居老人となる可能性の人たちが、高齢の同性夫婦の相互扶助が期待できます。結婚という制度も、世俗化や市場化の流れの中で、その性格を柔軟に変化させ続けることで持続することは歴史が示しており、同性婚を認めることは変化であっても結婚制度の終焉ではありません。

     

    同性カップルは子供を産まないので結婚は必要ない?

     

    男女の夫婦でも子供がいない場合があります。子供がいないから男女の夫婦にとって結婚が必要ではないとは言えません。また、子供ができないからといって、妊娠が可能な年齢を超えた人が結婚を認められないとしたら、それは差別です。子供を産む産まないに関わらず、結婚は2人の相互理解と信頼、協力と家事の分担などの意味があります。

    そもそも諸外国では、子供を持つ同性カップルが多いという事実があります。同性カップルの子供の保護を図るためにも、同性婚を認め、子供に対する社会的、法的、物的な支援を行う方が望ましいと考えられます。

     

    日本国憲法は同性婚を禁止している?

     

    日本国憲法第24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と規定することから、両性=男性と女性の合意のみとして同性婚が憲法上禁止されているという主張があります。一方で、GHQの英文憲法草案をみるとMarriage shall rest upon the indisputable legal and social equality of both sexes, founded upon mutual consent instead of parental coercion, and maintained through cooperation instead of male domination.(婚姻は、両性の法的・社会的平等にもとづいてなされるものとする。そして親による強制ではなく2人の合意に、男性による女性支配ではなく2人の協力に基礎を置く)となっており、家族関係形成の自由・男女平等の理念を家族モデルに取り入れることを目的としたもので、憲法制定当時に同性婚を禁止する意図はなく、この条文は、〝parental coercion〟(親による婚姻の強制)や〝male domination〟(男性による女性支配)を是正するために、家族関係形成の自由・男女平等の理念を定めたものでした。

    GHQによる憲法草案は、分りやすかった一方で文章が長かったため、最終的にこれらの文言が削除されて日本国憲法ができあがりました。そのため、当初の意図が分かりづらくなっている面があります。つまり同性婚を認めることも禁止することも想定されていませんでしたが、今日の日本語の条文ではこの点が不明確になってしまっています。

    さらに憲法第14条1項は「法の下の平等」を定めています。異性カップルにのみ結婚を認め、同性カップルに認めないことは憲法の理念に反すると考えられています。加えては、第24条2項の「個人の尊厳」、第13条の「幸福追求権」、第14条1項の「性別に基づく差別の禁止」などの規定も、同性婚を支持するものと言えます。

     

    同性婚が認められたとしても、その子供が可哀想?

     

    同性結婚が認められた場合、同性カップルにも養子縁組資格を認めるべきかどうか、議論があります。すでに同性結婚を認めた国のほとんどで養子を認めています。このうち米国ではレズビアンカップルの3組のうち1組が、ゲイカップルの5分の1が、オランダでは同性カップルの9パーセントが、デンマークでも6分の1の同性婚カップルが子供を育てています。子供にとって、両親が同性であることがどのような影響をおよぼすかについて研究も進んでいますが、マイナスの影響があるという結果は見られません。アメリカ小児医学会は2002年に、同性カップルの養子について、「両親」が同性同士でも子供には異性の両親と同様の「愛情があり、安定した心理的にも健全な家庭を与えられる」と発表しました。一般の親に育てられた子供の間には「心理や認識力、社会的・性的機能の側面で違いはない」「子供の発達は同性の両親という特別な家族構造」に左右されるというよりも「家庭内の関係」に影響される面が大きいと指摘しています。

     

     

     

    同性婚をしたら、子供をもちたいです。しかし、「同性婚は当人の勝手だけど、子供をもたせるのは絶対反対」という意見をよく耳にします。子供を守るためと攻撃されるのは怖いです。アメリカ版の掲示板に、同性婚の両親に育てられたアメリカの青年の実体験が語られていました。片方は血の繋がった父親で、自身はストレートで既婚者であるとのこと。「もし母親と父親に育てられても、今の君と同じ人間に育ったと思う?」との質問に対し、「俺が知ってるどのストレートの友人たちとその両親との関係よりも、俺とうちの父親たちとの関係の方がずっと愛情深かった。それは俺にとって何も間違っていないと思うに十分な証明だった。俺は健全な恋愛関係のすべてを父親たちから学んだ。2人の仲のよさが羨ましかった。妻と出会って、父親たちに見ていたものと等しい幸せを感じるようになるまではね」と話していました。たとえ両親が男女であっても、愛情を持って接してもらえる子供がいる一方で、そうでもない子供もいます。どの家庭にも子供にもさまざまな多様性があるわけで、同性婚カップルの子供が一律に不幸だと決めつけ、他人が干渉し勝手に判断する筋合いはないと思っています。子供が可哀想と意見を言う人は、まさにそれこそが好機な目であり、偏見に満ちた余計なお世話であることに気づいてほしいです。
    (30代ゲイ/シドニー在住)

     

    賛成かなー。もし同性婚ができるようになったとしても、日本ですぐに同性婚をする人がたくさん出てくるとは思わないけれど、結婚というものが好きな人と家族になるための制度だとすると、異性愛者はできるのに同性愛だとできないというのは不平等だと思う。結婚できないと財産分与とか面倒だし。
    (40代ゲイ/日本在住)

     

    賛成。同性愛と異性愛を別物だと言う考えは、差別的な考えだと思う。また、親族だけの面会許可や財産共有などの婚姻で得られる権利は、同性愛者にも必要だと思う。養子縁組をすれば、上記の権利は得られるが、異性愛者とは違う方法を取らなくてはいけないのは、同等の権利ではないと思う。さらに、日本ではゲイであることをオープンにできない風潮がまだまだあるため、同性婚が合法になれば、そのような風潮も緩和されていくと思う。
    (30代ゲイ/シドニー在住)

     

    同性結婚に賛成します。同じ社会に生きる個人としてそれぞれに同じ権利があるべきだからです。差別はあってはなりません。国家として人として守りたい人を守れない法律があっていいのでしょうか?
    (40代ゲイ/シドニー在住)

     

    I think they should have gay marriage in Japan because it's a human right. All people should be treated equally regardless of who they love.
    (40代ゲイ/シドニー在住)

     

    賛成か反対かと問われると、そりゃもちろん賛成。性別や宗教を問わず愛する者同士が結婚する自由、それはあって当然の権利。でも実際問題、今の日本ではまだ無理よね。幾人ものオネエタレントが活躍する昨今、大半の人々が未だゲイ=オカマやニューハーフという勘違いをしている日本で、LGBTの意味すらも浸透していない国で、同性婚というのは時期尚早かと思うのよ。友人のほとんどはゲイであることを隠して生きてるし、友達にすら言えずにいる子も少なくない。多くの著名人も名乗りを上げられないのが現状でしょ(バレバレにも拘らず)。まずはきちんとした理解を得られる環境、性別やセクシャリティによる差別のない社会、それらを受け入れる体制が整わなければ、同性婚なんて夢のまた夢。単に物珍しがられてイロモノ扱いされておしまいですよ。

    とはいえ、まじめに付き合っているゲイカップルが、共同名義で部屋を借りられなかったり家を買えなかったり、病院での面会を断られたり、将来的に財産分与で揉めたり、と現時点での問題は解決策が必要。その点においては、先日の渋谷区の条例は素晴らしい第一歩を踏み出せたと言えよう。そういう動きが徐々に広まっていって、ゲイであることを恥じることなく胸を張って告白できる時代がきて、さらには親も友人らも職場でさえも個人のセクシャリティを認められるようになって、いつの日かごく自然に快諾される「同性婚」に繋がればいいなと思います。っていうかまずオーストラリアだろ! このゲイ大国でさえまだ認められていないのに、日本が先を超すなんて許せないわ。生意気よ。まずあたしにウェディングドレス着させろ! ひゃだっ、抑え切れない心の声がっ!
    (ゲイ/シドニー在住)

     

    法律については詳しくありませんが、法の下に国民の平等を定めるのであれば、異性間・同性間を問わず法律上の結婚を認めるべきだと考えます。同性婚を認めることにより、従来の異性間の結婚制度が影響を受けるとは思いません。また、これは権利なので結婚の制度を利用するかどうかは異性間・同性間を問わず当事者の意思で決めることができるよう結婚制度を整備すべきであると考えます。家族・子孫の維持・継承や養子縁組についても結婚制度と同じく当事者の考えに基づくべきであり(もちろん道徳上の責任を踏まえたうえで)、それを理由に異性間・同性間での結婚制度に差を付けることは正当ではないと思います。また、制度の乱用・悪用を不安視する意見もありますが、これも異性間・同性間どちらでも起こりうることなので、同性婚だけの問題ではないと思います。ただし、同性婚の議論が他の目的に利用されることや一時的な勢いだけで結婚制度が左右されることのないよう、本質的な部分を考え議論することが重要であると思います。
    (ゲイ/シドニー在住)

     

    People should have the right to marry whom they want to, regardless of the sex of their partner. It should be a universal right, not just limited to progressive governments arount the world.
    (40代ゲイ/シドニー在住)

     

    どちらでもよい。今の日本の現状ではゲイを隠してる人が多いだろうし、戸籍に関わるとなると結婚したくてもできない人の方が多そう。第一段階としてオーストラリアのディファクトや渋谷区みたいな感じだったら賛成。
    (30代レズビアン/シドニー在住)

     

    あたしは、賛成反対の前に、同姓婚の基礎ができてからの話だと思う。いろんな国で同姓婚が認められ始めてるけど、それはゲイが少なからず、認知されているから。日本はまだまだだし、他国に影響されて、そうだそうだ日本も!っていうこと事態が日本の悪いところ。日本はオネエタレントや女装がテレビに出てるとはいえ、ストレートの人は(特に親世代)は、別世界の人と思ってる派が多いだろうし。
    (40代ゲイ/シドニー在住)

     

    個人的に同性婚には賛成でーす。同性婚という制度が認められてる上で、個々それぞれがその制度を利用するかどうか選択肢が増えることはよいことだと思います。また、異性、同性に関わらずさまざまな理由から子供を持たないことを選択するカップルもいれば、その逆もまたしかりです。そう考えたときに、やはり性を超越して、人間としての平等を考えるのはごくごく当然のことだと思います。どんな家族のスタイルであれ、そこに発生する当然の権利は性別に関係ないと思います。よって、自分個人の意見としては同性婚に大賛成です。オーストラリアもマルディグラの開催など、ゲイフレンドリーの国として知られているので、アメリカや他の国に続いてぜひ同性婚を導入して頂きたいと思います。
    (40代ゲイ/シドニー在住)

     

    人は強くはないので、
    多勢に無勢の中で困難なことに立ち向かえる人はそうは多くない。
    ですが、
    世界の声が確実に「LGBTに寛容」へとなりつつある今
    この流れは、
    日本で叶わなくても、「世界のどこかでなら叶う」現実的な希望として、
    クローズされた世界の中でくすぶってた、
    セクシャルマイノリティを
    開かれた世界への導いてくれるだろうと確信しています。
    だからこそ、肯定意見が増えつつあるこの流れは、
    僕たちを強気にしてくれる。
    ついては、私もそんな一人である。
    同性婚が叶うものなら
    声と薬指を天高くあげて
    誓いの言葉をパートナーと一緒に宣誓したい。 
    今まで口に出せなかった想いも
    すべて声高らかにあげていきたいです。
    (30代ゲイ/日本在住)

     

     

    最後に…

     

    同性婚を認めると失うものは何もないのであろうか? もしかすると何もないと言い切るのは賛成派の一方的な意見の押しつけかもしれない。少なくとも大多数のストレートの人にとっては、両親が愛情をもって示してくれた「大人になったら異性と恋をして結婚して幸せな家庭を築く」という価値観がある。自分が経験をしていない価値観を受け入れるには、痛みが伴う人もいるだろう。こういった急激な価値観の変化に対して、「考えが古い」とか「理解がない」と一方的に糾弾された気分になる人もいるのではないだろうか。まずはお互いの主張を理解していくことこそ、Diversity(多様性)を受け入れるきっかけになると思う。そんなわけで反対派の諸君! まずはLGBTの友達をつくって実際に触れ合ってみてはいかがだろうか?
    最後に、先だって同性婚が可決されたニュージーランドの国会で、賛成派のモーリス・ウィリアムソン議員が行った歴史的なスピーチを紹介しよう。

     

     


    私の有権者の中の聖職者の方に、「同性婚を認める法案が通ったその日から、同性愛者による猛攻撃が始まるだろう」と忠告されました。私には、その同性愛者の総攻撃といったものが、どんなものなのかよくわからず困っています。大勢の同性愛者たちがパクランガ・ハイウェイを攻めてくるんでしょうか? それともガスかなにかが流れてきて、私たちを閉じ込めてしまうんでしょうか?

    またカトリックの聖職者にも、「私が不自然なものを支援している」と批判されました。興味深い!だって、彼らは一生独身で禁欲の誓いを立てているんですよ。私にはよくわかりませんけどね。

    別の人には「永遠に地獄の業火で焼かれる」と警告されました。残念ながらこれは間違いです。なぜなら私は物理学の学位を持っています。自分の体重や体水分率を測って、熱力学の式で計算したところ、もし5000度の火で焼かれたら、ほんの2・1秒で燃え尽きます。これを永遠とは言えないですよね。

    養子縁組について恥ずべき中傷もありました。私には3人の素晴らしい養子がいるので、養子縁組がどんなに素晴らしいか知っていますので、そういう非難がくだらないものだとわかります。

    反対する大半の意見の多くは、法案が通ることで社会にどういう影響があるかを心配している人たちです。その気持ちはわかります。自分の家族に降りかかるかもしれない「何か」を心配しているのでしょう。繰り返し、言わせてください。

    今、私たちがやろうとしていることは「愛し合う2人の結婚を認めさせよう」。たったそれだけのことです。外国に核戦争をしかけるわけではありませんし、農作物を一掃するウイルスをバラ撒こうとしているわけでもありません。

    ただ、「愛し合う2人が結婚できるようにする」というこの法案の、どこが間違っているのか私にはわかりません。自分と違う人を好きになれないのはわかります。それは別にかまいません。みんなそうです。でも、なぜ反対する人がいるのかわかりません。

    この法案に反対する人に私は約束しましょう。明日も太陽は昇るでしょうし、あなたのなまいきな10代の娘はすべて知った顔をして反抗してきます。明日、住宅ローンが増えることはありませんし、皮膚病になったり、湿疹ができたりもしません。布団の中からカエルが現れたりもしません。明日も世界は何事もなかったかのようにいつものように回り続けます。だから、大騒ぎするのはやめましょう。この法案は関係がある人には素晴らしいものですが、関係ない人にはただ、今までどおりの人生が続くだけです。

    最後になりますが、私のところに、この法案が干ばつを引き起こしたというメッセージが来たんです。私のツイッターアカウントをフォローしている方はご存知かもしれませんが、パクランガでは今朝、雨が降ったんですよ。笑

    そうすると、今まで見たことがないくらい大きな虹が見えました。きっとこれはゲイ・レインボーに違いありません。もし信じるならば、あれは間違いなく「しるし」ですね。
    この法案に関わる皆様のために、聖書を引用させてください。旧約聖書の申命記、1章29節です。

    「恐れることなかれ」。

     

    取材協力:EMA日本

    EMA(いーま)は、同性カップルの人たちにも、結婚という異性カップルと同じ平等な権利と、生き方の多様な選択肢が認められる社会を目指します。同性婚の賛同署名を随時受付中。
    http://emajapan.org

     

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