平成28年熊本地震発生 熊本のみなさん、僕らも一緒にがんばるばい! | feature

 

 

4月14日21時26分にマグニチュード6.5の前震、その28時間後である4月16日1時25分に、マグニチュード7.3の本震が熊本地方全域を襲った。「平成28年熊本地震」で、倒壊した住宅の下敷きになったり、土砂崩れに巻き込まれるなどして、熊本県であわせて49人の死亡が確認された。そのうち37人は家屋の倒壊、9人は土砂災害による死亡だった。また負傷者は熊本県・大分県内だけでなく、佐賀県、福岡県、宮崎県でも出たほか、避難生活や車中泊などによるストレスや病気などの震災関連死により、亡くなったとみられる人が17人に上っている。

 

直下型地震である熊本地震は、国内最大級の「断層型地震」と推測される。日本には直下型地震の原因となる活断層が無数に存在しており、左右から押されることで生じる岩盤のひずみが限界を超えると、割れてずれることで地震を発生させるという。震源が近いため、海で起こるプレート型の「海溝型地震」と比べれば地震自体の規模は小さいが、その被害は大きい。熊本はその断層帯が何本も通っている地震の巣とも称される場所。震源が浅く、断層が地表に隆起した部分も確認されている。

 

オーストラリアでは、ジュリー・ビショップ外相が4月17日、「われわれの心は熊本地震で被災した皆さんと共にある。必要なら、あらゆる支援を提供する用意ができている」との声明を発表。すでに日系コミュニティレベルでは多くのチャリティーイベントなどが積極的に催されている。今回弊紙では、4月28日に取材で訪れた熊本市、熊本城、益城市、益城町総合運動公園避難所の様子を紹介する。そして、支援活動の基礎知識を紹介しながら、『いま、私達にできること』に迫りたい。

 

義援金と支援金の違いを理解する

 

被災地を支えるための募金は大きく2種類に分けることができる。まず被災した人たちに直接募金が届くのが「義援金」、被災者を支援している人たち、団体の活動をサポートするのが「支援金」だ。ちなみに赤十字社から募金をする場合には、直接被災者に配られる「国内義援金」と、国内外で赤十字社が行う支援、救援活動にあてられる「海外救援金」にわけられる。「送ったお金の使用用途が不透明」と言った誤解などは、そもそも募金をするさいに選択した項目の違いから発生しているケースが多い。
義援金は、原則的に義援金配分委員会に全額送金され、同委員会で定める配分基準に従って平等に被災者へ届けられるため、配分額を定めるために時間が掛かってしまうことを理解する必要がある。こうした理由から「義援金が横流しされている」「なかなか被災者に義援金が届かない」といった誤解も抱きやすい。正しくしくみを理解すれば誤解は消え、小さな力を集めて大きな力に変える義援金のシステムが本来優れたものだということがわかる。
募金を思い立った方は、まずは自身で支援団体をサポートしたいのか、被災者をサポートしたいのかを見定めることが大切だ。

 

支援を継続することの大切さ

 

義援金、支援金を含めた募金は、災害直後、1、2ヵ月の間は多額の金額が集まるのだが、関心が薄まるにつれ、募金額が徐々に減ってしまう。世に出る震災に関しての情報が少なくなると、募金はもう足りていると勘違いをする人も多いため、継続して関心を集める工夫が必要だ。JCSレインボー・プロジェクトが毎年行っている「東日本大震災復興支援イベント」などは、ひとつの成功例として挙げることができる。

 

 

 

 

4月27日の夜、壁に入ったひびや落下した看板など震災の爪跡を残す、熊本空港に到着。そこからバスで熊本市のホテルへと向かった。熊本城の撮影は日が出てから行うとして、まず姿だけでも確認したいという思いから城を目指すと、夜雨のなか静かに熊本城を見守る人々がいた。熊本城は熊本県民にとって心の拠り所。修復後の県民の笑顔をまた必ず取材しに戻ってきたい。

安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけて、加藤清正が当時の最先端の技術と労力を投じて築城した熊本城。『地震加藤』とも呼ばれた清正の城は、平成28年熊本地震の揺れでさえも、天守閣の瓦が崩落したり、長塀が100メートルほど倒壊はしたが、400年以上前の築城技術が天守閣自体を倒壊から守り抜いた。地震時には瓦は振るい落とされ、建屋の倒壊を防ぐという先人の知恵の賜物だ。また、特に破損が激しくみられる武者返しだが、これにも「清正流」と呼ばれる石垣の知恵が凝縮されている。破損部分は53ヵ所だったが、石垣の角部分を直方体の石の長辺と短辺を交互に重ね合わせる算木積みという手法を用いることで強度を増しており、側面が崩れても肝心の角は無事だった。国の重要文化財なので、修復には新しい材料を用いず、元の材料を集めて組み直すのが原則という。長烏帽子形兜から除く清正の心中はいかに。

後日、加藤神社の境内に崩れこんだ石垣を神社の湯田宮司が確認したところ、石垣に使用された石に、戦国時代に彫り込まれたとみられる観音菩薩が発見された。観音菩薩は、背丈が40センチほどで、後光が差し、ハスの葉の上に乗っている様子が描かれていたという。400年のときを経て現れた観音菩薩に湯田宮司は「地震の被害が大きく、悲しいことばかりでしたが、観音様を見て自然と手を合わせました。私たちのことをこれからも見守ってくれると思います」と話した。

 

 

 

個人が熊本の良さを発信したり、支援の文化を広めることも大切な支援のひとつ

 

日本三名城のひとつである熊本城をはじめ、熊本と縁の深い夏目漱石の旧居、阿蘇の渓谷や滝の美しさ、馬刺しなどの食文化と魅力に溢れる熊本を、SNSやクチコミ、イベントなどを通じて発信することで、観光産業の面から広く支援できる。また、支援活動は本来簡単に始められることで、大きなことを一度達成するよりも、小さなことでも継続して続けることに意味がある。情報発信や情報共有は、いますぐに踏み出すことのできる支援の第一歩だ。

 

 

 

 

 

熊本県中部にある益城町。人口は3万2千人を超し、熊本空港もある同町は、熊本市のベットタウンという位置づけだ。平成28年熊本地震によって壊滅的な被害を受けた益城町への交通手段はタクシー以外なかった。「一度目の地震では道路が海のように波打っていて、電信柱もおきあがりこぼしのように揺れていた」と、震災時に勤務中だったドライバーの体験を聞きながら、熊本市から30分ほどタクシーを走らせると、アスファルトには所々亀裂が見え始め、徐々にブルーシートに包まれた家が現れてきた。益城町まではほぼ一本道。近づくにつれて、ライフライン復旧業者や、ボランティア団体、被災者が心配で駆けつける家族などの姿が増え、渋滞で車は動かなくなる。活気を取り戻しつつある熊本市を見て、一瞬でも楽観視してしまった自分が恥ずかしくなるほど、見る見るうちに光景が変化した。倒壊した家屋の前には献花が手向けられてる家もあった。

益城町のなかでも特に被害の大きい通りには、倒壊した家屋がずれ出しており、人ひとり歩けるかどうかの場所もあった。たるむ電線に注意しつつ、落ちた瓦屋根のうえを歩かなければならない状況もあった。余震や倒壊による圧死に怯えながらも、押しつぶされた一階へと必死に潜り込み、荷物を運び出す住人の姿もあった。被害者の多くは、一度目の地震で一度避難してから家に戻り、2度目の地震が起こした倒壊による圧死によるケースが多いと言う。

上記は西瓜畑に虫が大量発生したため、農薬を取りに来た農夫。「二度目の地震は風呂に入っていたときで、お風呂のお湯が天井まで飛び出して、慌てて裸で外に飛び出した。向かいの娘はそのときに亡くなってしまった」と振り返る。いまはビニールハウスに住んでいるが、復興のめどが立たないという。

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5月14日で熊本を襲った震災から1ヵ月が経過。益城町をはじめ日本全国各地にて、震災により犠牲となられた方への追悼のため、地震が発生した午後9時26分に合わせて1分間の黙とうが行われた。

2014年、熊本市動物愛護センターで犬の殺処分数ゼロが達成されたことは知っているだろうか。センターの職員が13年かけて達成した名誉あるムーブメントだ。愛犬家の多い熊本において、被災犬への対応も益城町総合運動公園避難所では手厚い。1階にはペット同行避難の家族のスペースが設けられていた。また、介護を必要とする高齢者には畳、もしくはダンボールでベッドを作るといった寝起きのしやすい環境が整っていた。

 

支援物資の考え方

 

現在、熊本のほとんどのエリアで、当面必要となる物資を確保できたことで、救援物資の受け入れを一時中断している。1ヵ月でこの対応は東日本大震災などで支援を続けてきた方々の学びが、未来へ繋がった現れと言えるかもしれない。一方で今日(5月14日現在)必要なものを益城避難所の現地担当者に確認してみると、500ミリリットルのペットボトルの水や紙コップなどが不足しているとの返答が戻ってきた。ニーズは季節、場所などの状況で常に変動する。必要な支援物資を必要なタイミングで、先方の負担にならないように、かつ内容を明確にして送ることが重要だ。決してあてずっぽうで支援物資を送ってはならない。寄せ書きや千羽鶴など、気持ちのこもったありがたいものでさえも、結局相手が処理しにくく、結果的に困らせてしまうという。携帯電話から見れるメッセージ動画などはその点では有効な手段と言える。

  

益城町災害ボランティアセンター

TEL 096-289-6090
http://www.mashiki-shakyo.or.jp/index.cgi
http://www.town.mashiki.lg.jp

益城町義援金受付

義援金名:平成28年熊本地震への義援金
受付期限:平成28年6月30日(木)まで
振込先:肥後銀行 木山支店 普通
口座番号:1444413
口座名:益城町災害対策本部


益城町支援金受付

支援金は益城町社会福祉協議会が実施する
地域福祉活動に活用。
振込先:肥後銀行 木山支店 普通
口座番号:1444442
口座名:社会福祉法人益城町社会福祉
協議会 会長 宮本 茂
1年間送金手数料が無料

  

 

 

 

地震発生後の4月17日にいち早く物資支援を開始したNPO団体がある。益城町総合体育館の避難所から要望のあった飲料や衛生用品、ビニール袋などを1200人に届けたワールド・ビジョン・ジャパンだ。その後も、日頃から同団体の活動を支援する企業と連携し、益城町や熊本市の避難所で生活される人々を対象に、毛布、タオル、下着、水などを配布。5月11日までに、2736人に迅速な支援を行った。
避難所二階に設置されたチャイルドフリースペースでは、元気に遊ぶ子供たちの姿があった。災害時において、被災で体験した恐怖からくる不安感や悪夢、家族や友達を亡くした悲しみ、明日への不安感、また来るかも知れない震災への恐怖などを感じている子供たちに、安全な遊び場を提供することで、子供たちの精神的ショックを和らげることを目的とし、生活のリズムを取り戻すことで、復興への希望や期待が持てるように助けているという。益城町では、5月9日からついに小学校も開校された。

 


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