2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会を 振り返る | feature

2014 FIFAワールドカップ ブラジル大会を 振り返る | feature

 

 

 

2014 FIFAワールドカップ
ブラジル大会を振り返る



2014年ブラジルW杯は、7月13日(オーストラリア時間14日)、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで決勝戦が行われ、ドイツが延長戦の末、1−0でアルゼンチンを下し、6大会ぶり、4回目の優勝に輝いた。4回目の優勝はブラジルの5回に続き歴代2位タイ(イタリア)。また南米開催で欧州が優勝したのは初めてで、見事ジンクスを打ち破った。22歳で10番を背負う若きスーパースター、ネイマールとロドリゲスは涙を流し、キャプテンとしてチームを28年ぶりの優勝に導こうと奮起したメッシの夢も決勝の舞台で途絶えた。さまざまなドラマを生んだ今大会を振り返る。
 

 

 

 

ゴールデンブーツ賞はハメス・ロドリゲス

 


 

コロンビア代表で背番号「10」を担う、若きエースストライカー、ロドリゲスが、6得点で2014年W杯の得点王、ゴールデンブーツに輝いた。ロドリゲスは初戦のギリシャ戦で、チームの3点目をあげ、続いたコートジボワール選では先制点をあげている。途中出場となった日本戦でも4点目となる得点を奪い、決勝トーナメントのウルグアイ戦では、2得点で、チームを初のベスト8に導いた。なお、1点差で追い上げていたのはドイツ代表で、本大会でハットトリックを達成しているMFミュラー。2点差ではアルゼンチンのFWメッシが名を挙げた。    


①ハメス・ロドリゲス(コロンビア)6得点
②トーマス・ミュラー(ドイツ)5得点
③リオネル・メッシ(アルゼンチン)4得点
④ロビン・ファンペルシ(オランダ)4得点
⑤ネイマール(ブラジル)4得点

 

 

 

ブラジル代表は呪われていたのか?

 

Photo by Robert Cianflone/Getty Images for Sony

 

2014年W杯は、開催国ブラジルによるまさかのオウンで開幕を遂げた。これは今後ブラジル代表を襲う悪夢を予告していたのか…。グループステージを余裕に突破したブラジルは、決勝トーナメント1試合目でチリと対戦。大会初のPKでなんとか8強入りを果たすが、運の女神がささやいたのはこの試合が最後だった。準々決勝、コロンビア戦ではご存知の通り、ネイマールが骨折。さらにディフェンスの中心で、キャプテンでもあるDFシルバが2枚目のイエローにより、次節出場停止となる。オフェンスとディフェンスのキープレイヤーを失ったブラジルは、準決勝でドイツに1−7の歴史的完敗を許してしまう。「王国の恥」と批判が高まるなか、名誉挽回を目指して挑んだ3位決定戦は、立ち上がりの失点から反撃できぬまま、0−3の屈辱的連敗となり、悲願の優勝を目指したブラジルは4位に終った。

 

  


ブラジルのエースネイマール腰椎骨折で戦線離脱

 

Photo by Clive Brunskill/Getty Images

 

ブラジルの若きエース、FWネイマールが、準々決勝のコロンビア戦で、相手DFスニガから膝蹴りのようなチャージを受け、腰椎骨折、戦線離脱となった。W杯の決勝舞台に立つことが夢であったというネイマールは、ファンに向けたビデオメッセージで、「僕の夢は終っていない。ワンプレイによって夢は中断してしまったけど、まだ続いている。チームメートが、優勝するという夢をかなえくれる」と涙ながら語った。幸い、選手声明を脅かすケガではなかったが、2センチずれていたら、下半身不随になっていたという。
一方でネイマールを負傷させてしまったスニガには多方面からの非難が殺到し、中には同選手はもとより、家族に向けられた脅迫や中傷もあったため、コロンビアサッカー協会は、スニガの身辺警護を徹底することとなった。

 

 


かみつき王子スアレスバルサへ完全移籍

 

Photo by Clive Rose/Getty Images for Sony

 

ウルグアイ代表で、イングランドプレミアリーグ、リバプールに所属していたFWスアレスが、6月24日のイタリア戦で、相手選手に噛み付き、代表での9試合出場停止と、4ヵ月間のサッカー活動禁止の処分を、FIFAより科された。実は彼、過去にも2度の噛み付き行為により厳罰処分を受けた前例がある、“かみつき王子”なのだ。一足先に帰国したスアレスは、空港で出迎えたファンから英雄のような歓迎を受けたという。結局スアレスなしで迎えた決勝トーナメント1回戦で、ウルグアイ代表はコロンビアに0−2で敗退。そんな渦中の人となったスアレスだが、7月11日には、移籍金8100万ユーロで、バルセロナへの完全移籍が決まった。この移籍金は史上4番目に高額だという。噛み付いて処分されても、結果を残すスアレス。やはりただ者ではない。

 

  


前回王者のスペインまさかのグループ敗退

 

Photo by David Ramos/Getty Images for Sony

 

前回南ア大会の決勝再現となったグループBの第1戦、スペイン対オランダでは、前回王者のスペインがまさかの1−5で完敗し、大会開幕いきなりの大番狂わせとなった。迎えた第2試合目チリ戦でも、本来のパスサッカーができないスペインは、体を張ったチリの守備を崩せぬまま、試合終了。開幕で食らった屈辱の5失点で自信を失ったのか、彼らのボディランゲージからも、勝利を見ることはできなかった。まさかの2連敗で早々とグループ敗退となったスペイン。ひとつの黄金時代が幕を閉じたといえよう。W杯のチャンピオンが大会でグループ敗退したのは、過去にブラジル、イングランド、フランス、イタリアなどがあるが、グループリーグ3戦目を前に敗退したのはスペインが初。

 

 


大会MVPはリオネル・メッシ

 

Photo by Clive Rose/Getty Images for Sony


大会最優秀選手、MVPに贈られるゴールデンボール賞は、アルゼンチン代表のFWメッシが選ばれた。本大会で全7試合に出場し、4得点をあげているメッシだが、キャプテンとしてチームを28年ぶりの優勝に導くことができず、試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、ピッチ上で呆然と立ち尽くすしかなかった。4年連続のバロンドール(FIFA最優秀選手)受賞など、数多くの栄光に輝いているメッシだが、W杯MVPは初。しかし悲願のVを逃したショックから、沈んだ表情のままトロフィーを受け取っていたのが印象的だった。なお、シルバーボール賞はドイツのMFミュラー、ブロンズボール賞はオランダのMFロッペンが受賞、最優秀キーパーに贈られるゴールデングローブ賞はドイツのノイアーが受賞した。

 

 


ケーヒルスーパーゴールに世界が絶賛

 

Photo by Cameron Spencer/Getty Images for Sony

 
サッカールーズのエースストライカー、FWケーヒルがオランダ戦で見せたボレーシュートが、本大会のベストゴールのひとつとして絶賛されている。ケーヒルと言えば、2006年ドイツW杯グループ戦で、日本から84分、89分と立て続けにゴールを奪い、2009年南ア大会でも2得点を奪っている“日本キラー”。そんな彼が、またも油断も隙も見せないあのプレーを見せた。オランダのFWロッペンが先制点をあげたわずか1分後、右サイドのDFマクゴーワンが、PA内左へ向けたロングクロスを、利き足ではない左足でボレーシュート。強烈なボレーはそのままゴールネットを突き刺した。このシュートについて、元ブラジル代表のロナウドは、「今大会で最も美しいゴール。歴史に残る一本」としている。

 

 


独代表クローゼW杯通算得点記録を更新

 

Photo by Robert Cianflone/Getty Images for Sony

 
準々決勝でブラジル相手にゴールをあげたFWクローゼが、元ブラジル代表のFWロナウドと並んでいたW杯通算得点記録を16点に更新し、単独トップとなった。歴史的ゴールは、前半23分、PA内で、FWミュラーから受けたボールをダイレクトで狙うと、一度はGKに弾かれたボールを、冷静に押し込んだ。ドイツのレーブ監督から「ゴールマシン」とあだ名をつけられるクローゼは、過去2大会のアルゼンチン戦でも得点を決めており、相性がよいと言われていたが、決勝では得点ならず、途中交代となった。なお、チーム最年長である36歳の彼は、本大会を持ち代表引退宣言をするのが濃厚だ。

 



 

 


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