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Cheers インタビュー


スキッピングロープ・アーティスト

30/11/2015


 

スキッピングロープ・アーティスト

 

田口師永

Norihisa Taguchi

 

 

世界トップクラスのエンターテイメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が繰り広げる移動公演のひとつ、『キダム』。1996年に初演されて以来、20年近くに渡り、世界各国で人々を魅了してきた同演目に、唯一の日本人として活躍するパフォーマーがいる。一本の縄を巧みに操るスキッピングロープ・アーティスト、田口師永さんだ。今月は、12月のオーストラリア公演に先駆けて、10年以上にも渡り、『キダム』の主要パフォーマーとして活躍する田口さんに話を伺った。

 

 


PROFILE: 田口師永


1976年生まれ、東京出身。2000年にスキッピングロープをはじめると、瞬く間に魅了され、翌年には世界チャンピオンシップに出場するレベルまで登り詰める。2002年、『シルク・ドゥ・ソレイユ』との契約を果たし、03年には『キダム』の日本公演でスキッピングロープ・アーティストのソリストとしてデビュー。以来44ヵ国で公演を果たす。趣味はフォトグラフィー、読書など。


 

 

 

 

 

キダムがオーストラリアにやって来るのは、2004/05年以来2度目となります。オーストラリアに再来豪することについての思いを教えてください。

2004/05年のツアーでオーストラリアという国から受けた印象がとてもよいものでしたので、こうして再び訪れるチャンスに恵まれたことを、すごくうれしく思います。

 

キャンベラ、ウーロンゴン、ホバート、そしてニューキャッスルでの公演となりますが、今回の公演は、2004/05年にオーストラリアの主要都市で開催されたものと、内容に違いはありますか?

一番の大きな違いは、ビッグトップ(テント)で行われていた公演が、アリーナ(施設)での公演に変更したことです。それに伴って多少演出の違いはありますが、ショーの内容そのものに違いはありません。

 

キダムのストーリーと、田口さんが担当される演目について教えてください。

まずキダムのストーリーですが、ある程度のストーリーラインとして、こうあります。「お互いの心が離れて無関心になってしまった両親に無視されていた少女は、世界に退屈し、存在理由を失っていました。その空白を埋めるために、キダムの世界にて彼女の魂を解放し、励ます愉快な仲間や、不思議でちょっぴり怖い世界に誘い込もうとするミステリアスなキャラクターたちに会っていきます」。ただ、完全にこういうストーリーである、というものはありません。その意図には、そこまで決めてしまうと、観ている人の想像力と感じ方に制限をしてしまう、ということがあるからです。夢なのか現実なのか、ハッピーエンドなのかそうでないのか、観た人それぞれがそのとき感じたものが、その人にとってのキダムです。

担当する演目は「スキッピングロープ」です。いわゆる「縄跳び」ですが、ソロでもグループでも色々な跳び方をしています。約26人のアーティストがこの演目に関わっていますが、全員をまとめるリーダーやコーチも兼任しています。

 

長年に渡り、キダムのツアーメンバーとしてご活躍されてきましたが、継続する上で大切にしてこられたことは何ですか?

1公演1公演、真摯に取り組んできた結果として、長く続けることができているのだと思います。そこで大切にしていたのは、自分の気持ちや体と対話をして、ウォーミングアップや体調管理といった、当たり前の準備を当たり前にするということです。

 

これまで数えきれないほどの国々に滞在されてきたと思いますが、中でも一番思い出深かった国はどこでしょうか? その理由など、教えてください。

公演で訪れたのは44ヵ国になるのですが、これだけ多いと色々と思い出深いことがあるので、一番というのはなかなか難しいですが、すぐに思いつくのは、オーストラリアです。シドニーではすべてが一体となって、これ以上はないという最高の公演があったことを覚えていますし、パースでは連日フルハウスというすばらしい日々を過ごしました。ほかにはイタリアのフィレンツェでは、公演を終えて次の町へとバスで移動するときに、公演を観終えた観客がバスの両側を取り囲むようにして拍手で送り出してくれたことは、とても感動的な思い出です。

 

 

10年以上もトップパフォーマーとしてご活躍されてこられましたが、体の衰えなどは感じられますか? どのように体力の維持/健康管理をされてきましたか?

一生懸命がむしゃらにやっても大丈夫、という時期は過ぎたと思います。怪我をしないようにバランスをとりつつ、その時々で必要なトレーニングを取り入れ、ショーに出ることそのものも体力の維持につながっています。あとは疲れや体調の変化を感じたらしっかりと寝て休息をとり、自分に必要な分をきちんと食べることを意識しています。

 

数年前にご結婚され、2013年にはお子さんも生まれておられますが、ご家族とともにあらゆる国々で生活されるのはいかがですか? 常に変わる環境での育児は大変ではないでしょうか?

息子はオーストラリアで訪れる国が31ヵ国目になります。産まれて4ヵ月でツアーに連れて行きましたが、その国々で違うミルクやオムツを探したり、病気になったときの病院探しといった、大変なこともありました。しかし家族の支えは大きな力になりますし、同じ経験ができるというのは何ものにも変えがたいことです。

 

あらゆる国々を点々する上で大変だったこと、また逆によかったことなど、教えてください。

アリーナ公演になってからは毎週毎週、町もしくは国を移動する生活になりました。それが大変というよりもむしろその移動が多いこと自体も楽しんでいます。少なくとも1週間の滞在で生活し、仕事をしながらその国や町の文化・雰囲気といったものを経験できることがよかったことです。

 

そのような生活をされる上で、大切にしていることはなんですか?

生活環境が常に変わることを素直に受け入れること。家族とはできるだけ多くの時間を一緒に過ごすこと。息子にはできるだけ多くの経験をさせて選択肢を増やしてあげたいと思うので、オフの日に一緒に出かけるのはもちろん、仕事場にもよく連れて行っています。

 

お子さんは、パパの真似をして縄跳びをすることはありますか?

縄跳びを跳んでいるステージや映像を観て、父親が何をしているのか、ということを理解しているので、真似をするようにもなりました。やりたい気持ちがあれば、自然に教えることになるだろうと思います。

 

田口さんは成人後にスキッピングを始めたと伺っております。シルクのツアーメンバー以前は何をされていたのですか? またこの道にいかれたきっかけを教えてください。

大学を卒業してIT系の会社で働いていたときに、大学の後輩から誘われたのがきっかけでスキッピングを始めました。それからシルクのツアーメンバーになるまでは、インターネットやウェブデザインの専門学校で講師をしつつ、スキッピングの世界大会に出場したり、小学校やイベントに呼ばれてパフォーマンスを行っていたりしました。

 

シルクのツアーショーは、20年が節目と伺っておりますが、キダムもそうなのでしょうか? 今後の予定や目標を教えてください。

キダムは2016年2月26日に、ニュージーランドのクライストチャーチで終了することが予定されています。1996年4月が初演ですので、ちょうど20年ですね。ただしこの先20年続くツアーショーは出てこないかと思います。今後は次の契約オファーを待ちつつ、この経験が役に立てるように準備を進めています。

 

今後は日本にて、スキッピングロープの発展および向上に関わりたいと伺いましたが、具体的にどのような計画や思いがありますか?

このようなスキッピングロープを最初に始めた当時(2000年)、日本で活動しているのは2人しかいませんでした。そこから日本にスキッピングロープを広めたいという思いがあり、具体的な計画として、仲間を集めて世界大会に出場したり、日本ロープスキッピング連盟という組織も立ち上げたりしました。キダムでスキッピングロープを行ってきたことも計画のひとつです。その結果として、今では想像以上の広がりを見せ、すでに次の世代に受け継がれています。今は見守り、可能ならばサポートする立場です。

 

最後に、読者の方々にメッセージをお願いいたします。

スキッピングロープの演目はもちろんのこと、キダムにはさまざまな演目があり、目で見た驚きや楽しさだけでなく、心を揺さぶられ、強く感銘を受ける、他とは違った体験になることと思います。人間の魂のショーともいえるキダムを、ぜひ楽しみにしていてください。

 

 

QUIDAM by Cirque du Soleil

チケット:$75〜$165
チケット購入先:www.cirquedusoleil.com/quidam/

キャンベラ 
日時:12月10日〜12月20日
会場:AIS Arena

ウーロンゴン
日時:12月23日〜1月2日
会場:WIN Entertainment Centre

ホバート
日時:1月6日〜1月10日
会場:Derwent Entertainment Centre

ニューキャッスル
日時:1月15日〜1月24日
会場:Newcastle Entertainment Centre

 

 


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