シドニーのミュージックシーンを揺るがすバンド A Casual End Mile | Cheers インタビュー
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    「シドニーなんて田舎でつまらない」と日頃思われている方、ジ・エンドです。在豪している日本人の方にもっとシドニーのローカルシーンを肌で感じてほしいというお節介な思いで始まったこのコーナー。メジャーどころからアンダーグラウンドまで活気あふれたローカルミュージックシーンをご紹介します。記念すべき第1回は、業界中で今密やかに話題を呼んでいる、バンド「A Casual End Mile」。1年に渡るソロ活動を経て、新しいメンバーを入れてのバンド編成、今年9月にリリースしたシングルやローカルバンドの聖地であるレコーディングスタジオBJB(Big Jesus Burger)で収録したフルアルバムについての話などを聞いてみた。

    Madelineはいつ頃から音楽活動を始めたの?

    Madeline:小さい頃から色々な楽器を弾いていたけど、A Casual End Mile(以下ACEM)のような曲調の音楽を実際に曲としてまとめ始めたのは2007年あたりから。最初は実家の自分のベッドルームでレコーディングをしたわ。2008年はスッパリ音楽から離れ、旅をしながらインスピレーションを感じて過ごし、昨年からライブ活動を始めたの。

    Madelineの父親は33年に渡り活躍してきた有名なパンクバンド「X」のボーカル/ギターリストですね。彼の存在はあなたの音楽、また音楽に対する姿勢に影響を与えたと思う?

    Madeline:実際に音楽に対する姿勢で似ているところがあるし、彼のそばで育ったことで学んだことはたくさんあった。「浮かれた気持ちでは音楽業界で生きていけない」ということは、彼の背中を見てきちんと理解したつもり。もちろん、音楽はエンターテイメントとして楽しいものだけど、彼はこのエンターテイメントを常に真剣に捉えていたと思う。

    今年からメンバーを入れバンドとして活動を始めたけど、ソロ活動はどういうものだった?

    Madeline:バンドとの大きな違いは、自分ひとりで大勢の観客とコミュニケーションをとることの難しさ。観客がひとつになって、私と一緒に空間を作ろうとしてくれる雰囲気の時はとても心地よいけど、そういう空間が作れる機会ってあまりなくて。バンドとステージに立つ時の方が正直楽しいし、安心する。フロントウーマンというポジションだから観客とコミュニケーションをとるのは結局自分だけど、バックで一緒にいい空間を作ろうとしている仲間がいるだけで心が楽になるの。

    ソロ時代の曲調は、雰囲気に応じてテンポを変えたり、間を大切にしていて突然沈黙を入れたりと、ソロならではの自由さがあったよね。それがACEMの大きな特徴だったけど、バンドとして演奏することで何か変化はあった?

    Madeline:音楽に入れ込む信念や感情は変わってないから、基本的に何も変わってないわ。結成当初こそバンドとして意識しすぎて、一定のテンポで演奏することに集中していたけど、いい雰囲気が作れれば曲中テンポが変わってもいいと思えたの。RobとLukeは以前から曲作りに関わっていて、ACEMの曲のイメージは完璧に理解していたから問題なかったわ。
    Luke:バンドと言っても僕らは随分ゆるい方のバンドだと思うよ。
    Rob:僕らの音楽は良い意味であまりタイミングやテンポにこだわらない方だと思う。
    Luke:僕らはテクニックや正確さよりも、感情や雰囲気を観客に伝えることに重点を置いているからね。ヘビーメタルのようにがっちりとした演奏をすることはまったく考えていないんだ。
    Madeline:ハートとソウルがあればそれだけでいいの。もしレコーディングでテンポが少しずれていたり、アクシデンタルな音が入ったとしても、それが曲の新しい特徴になる。それってとてもリアルな表現だと思うの。だからスタジオでレコーディングした時も、ひとり一人別撮りではなく、99%全員で一緒に撮ったし、クリックトラックは一度だって使わなかったわ。この方法が結果に大きな影響を与えたと思う。

    Lukeは以前ピアニストとして、そしてRobは「SOONERS」のギターリスト/ボーカリストとして活躍していたけど、このバンド編成では過去の楽器経験とはあまり関係なく、Lukeはギターとピアノ、Robはドラムを担当しているよね。どういう経緯でこうなったの?

    Madeline:私とLukeは1年ほど一緒に音楽を創ってきたの。けど、こういう形で一緒にバンドをやることを当時まったく想像していなかった。私はレコーディングするにあたって絶対にLukeとRob両方に参加して欲しかったの。その願いが通じてジャムし始めて。いつの間にかバンドになっていた。 Luke:このバンドでギターを担当することになって、とても面白い経験を積んでいる気がするよ。ギターリストとしての経験はあまりないけど、練習をしているとふたりとも上達しているのが目に見えるようにわかるからね。 Rob:僕もドラムを叩いた経験はほぼゼロに近いんだ。だからテクニカルな演奏はもちろん、演奏する上での引き出しはかなり少なくて。使える武器はフィーリングだけなんだ(笑)。ACEMの音楽はもともと感情やその時の雰囲気に重点を置いているので、そういう意味では発揮しているけどね。

    ではこれからのACEMの音楽は少しテクニカルになる?

    Madeline:ないですね(爆)。私がいる限りそれはありえないです。
    Rob:それは最も避けたいことだね(笑)。

    アルバムに収録されている曲の中には、ソロ時代の曲もバンドの曲として収録されています。編曲の過程はどんな感じだった?

    Madeline:レコーディングが決まる前から、今回はゲストとして色んな人に参加してもらおうって決めていたの。曲のデモを聴いていたら自然と必要なパートが聴こえて。例えば「Devils and Devotion」ではRobのシンバルが鳴り響くパートがあるんだけど、これは編曲作業を始める前にすでに想像していたわ。

    今年9月にシングルをリリース、そして今回のレコーディングではフルアルバムを収録しましたね。シングルの出来具合はどうだった? そしてアルバムの発売予定はいつ頃になりそう?

    Madeline:いい質問ですね…。実はアルバムの発売日はまだ決めてないんです。でも、来年の始めあたりに出せればいいと思っています。1曲目は父と収録した「Fox and a Prayer」、2曲目はBJB(Big Jesus Burgerというスタジオ)で初めて「The Scare」のBrookeと収録した「Vampire Hours」を収録しているわ。両方とも私にとってすごく思い出深い曲なので是非チェックしてね。

    ソロでの経験を生かし、そして今のバンド編成を説明するには十分説得力のあるシングルを先日Low Barにて発表しました。ライブの感触はどうだった?

    Madeline:バンドとしてのシングル発表は私たちにとってとても大きな壁だった。ソロでやっていた曲をバンドとして演奏することを、聴き手にどう受け止められるのか、とても不安があったけど、観客の反応は素晴らしかった。私の成長を始めから見ていてくださった人々が次のステップを認めてくれて。こんな素敵なことってなかなか味わえないから。

    A Casual End Mile
    2009年中旬から活動を始めた「A Casual End Mile」は、1980年代に活躍したパンクバンド「X」のギター/ボーカリストを父に持つマダリン・ルーカスによるソロプロジェクトとして幕を開けた。アコースティックギターの穏やかな音色に、透き通る歌声で恋愛を歌い上げる至ってシンプルなものであった。2010年中旬に「SOONERS」のギター/ボーカリスト、ロブ・アイリッシュとソロピアニストのルーク・ベーコンとコラボレートを始める。「The Dirty Three」や「Mazzy Star」等の影響を受け、3人はバンドとして結成を迎える。フルアルバムの製作をローカルバンドの聖地とも言われるBJB(BigJesus Burger)で終え、Low Barでのシングル発表を成功に収めた。今やシドニーの音楽シーンを揺るがす存在になりつつある。


     

    CHEERS 2010年12月号掲載

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