荒削りの鬼才たち インディーズバンド Ghoul | Cheers インタビュー
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    「シドニーなんて田舎でつまらない」と日頃思われている方、ジ・エンドです。在豪している日本人の方にもっとシドニーのローカルシーンを肌で感じてほしいというお節介な思いで始まったこのコーナー。メジャーどころかアンダーグラウンドまで活気あふれたローカルミュージックシーンをご紹介します。第2回目となる今回に迎えるバンドは、来年1月に待望のミニアルバム発売予定の『Ghoul』。インディーズの中ではよく知られるレコード会社、『Speak N Spell』とも契約を交わした今注目のバンド。年明けの発売とともに羽ばたくことができるのか?

    Ghoulを結成してどのくらい経つのですか?

    アンドリュー:もう2年以上になるんじゃないかな。
    パブロ:始まったのは2008年の2月頃だと思う。
    アンドリュー:僕はイヴァンと元々知り合いだったんだけど、他の3人とは面識はなかったんだ。彼らは他のバンドで一緒にプレイしていたんだけど、新しいバンドを組むってことになって。イヴァンは僕がドラムの経験があるのを知っていたんだ。どれだけ下手だったのかは知らなかったみたいだけどね...(笑)。 パブロ:僕らの最初のライブは練習を始めてわずか2週間後のことだったんだ。既にイヴァンがライブを予定していて。曲を書いて、リハーサルをして…。「準備ができてない」なんてとても言えなかったね。
    アンドリュー:実際ステージに立った時は未熟さが完全にバレていたと思う。
    パブロ:そうだね…確かにひどかった(笑)。
    アンドリュー:でもそこからの1年半はすごく成長した時期だったと思う。ドラマーとしてだけではなくて、バンド全体でも、曲作りの面でも。

    Ghoulの曲作りの過程を教えてもらえますか? ジャムを中心にするバンドもあれば、作曲家みたいなリーダーがひとりで全部創りあげるスタイルもありますが…。

    パブロ:昔はやっぱりジャムをしながら曲を完成させていく感じだったかな。結構ラフに書き上げていたと思う。曲の一部やアイデアそのものを録音して、それを中心に曲を創っていくんだ。昔は録音機材なんてほとんど持ってなかったし、知識も全くなかったから、マイクロコーグとフロアトムだけを使って曲の基礎作りをしてた。だからライブをするようになったらそんな単純な曲をどうやってバンドとして演奏するか、っていうのが問題だった。シンセで書いたメロディーをギターで弾くなんて…。当時はうまくできていると思ってたけど、その頃のライブ音源を聴き直すと全然できてなかった、と思ってしまうね。最近でもこのプロセスはあまり変わってないかな…。おもしろいサンプルだとか、ドラムビートとか、なんでもいいから見つけてきて、録音して、その上に色々レイヤーを乗せていくんだ。
    アンドリュー:僕らのバンドとしての演奏や担当の楽器が上達しているのと同じような間隔で、イヴァンのレコーディングやプロデューサーとしてのレベルもかなり上達してきたと思うよ。自分のバンドも手がけて、さらに音楽関係の大学にも通っているから、毎日音楽漬けで成長が手に取ってわかるようだよ。

    成長のスピードと言えば、バンド結成が2008年の2月で、最初のEP、「A Mouthful of Gold(以下Mouthful)」をリリースしたのも同じ年でしたよね? そして収録されている曲はどれも3分以内と、とても短いですよね。でも「Mouthful」はとても興味深い作品だとずっと思っていました。アルバム全体が曲というよりも、アイデアで成り立っているような…。

    パブロ:その通りなんだ。「Mouthful」での目標は「アイデアを必要以上にいじらない」ということだったんだ。元々どう発展させるかわからなかったし、「Aメロ、Bメロ、コーラス」みたいな典型的な作曲はしたくなかった。それに無駄に背伸びして視聴者の集中を切らせたくなかったしね。作曲においては段々と典型的な曲調に仕上げるようになってきたかな。わざとそうしているわけではないんだけどね。それに、昔と比べてもっと色んな音楽を聴いている影響もあるかな…。

    どんなものを聴いているのですか?

    アンドリュー:色々あるけど、僕たちに影響を与え続けているバンドと言えばRadioheadとTalking Headsかな。特にTalking Headsの『Remain in Light』というアルバムが素晴らしいよ。

    そうですよね。ところで、フルアルバムも予定してるんですよね?

    アンドリュー:その予定なんだけど、焦らずゆっくり完熟させたい気持ちもあるかな。日程は未定で、「来年中」という結構漠然とした予定なんだ(笑)。

    楽しみですね。ではミニアルバムはフルとはどう違うのでしょうか?

    アンドリュー:ミニアルバム『Dunks』は、それぞれの楽曲がすごくかけ離れた時期に創られたものなんだ。『Mouthful』を終えた直後から約2年間の月日をかけて仕上げものだから、バラエティに富んだ音が収録されているよ。

    2年間かけて書いた曲をミニアルバムに? 収まるのでしょうか?

    パブロ:色々考えた結果なんだ。フルアルバムにできる曲数はあったんだけど、中には完成度の低いものも入っていて…。何しろ2年も作曲し続けたから、枠から外れてしまうような曲もあったんだ。アルバムにするなら全体的にまとまったものを創りたかったから、去年予定していたアルバムリリースも取り消したんだ。長い間待たせてしまったけど、誇りをもって「いいアルバムができた」って言える。ここ数ヵ月間にリリースした「Milkly」と「3mark」も入っているよ。サンプルを色んなところから引っ張ってきたり、それぞれが違う楽器を担当したりと、フルアルバムと比べると『Dunks』の楽曲は色彩豊かだけど、それなりに一連性のあるものができたかな。

    皆さんは基本的に担当楽器がありますが、エレクトロニックなもの、例えばサンプルやループは誰が担当しているのですか?

    パブロ:エレクトロニックなビートやBGMはイヴァンがエイブルトンでよく創ってくるんだ。ライブで使われるものは実際にレコーディングで使われたものばかりだよ。サンプルの中にはアンソニーがその場でギターをケオスパッドとループペダルに通して創っているものもあるんだ。それで僕がビートやサンプルをコンピュータで起動している。曲によって違うけど、サンプルをまとめてその場で再変更したりして、その場の雰囲気やスピーカーの違いに対応している。今書いている楽曲はこれなしでは演奏できないんだ。もちろん、バンドを10人編成にしたらすべて生ライブでできるだろうけど、そんなの非現実的だよね。
    アンドリュー:逆にライブでできないことは抜いて「ライブバージョン」として使うことはできるけど、レコーディングと比べるとどこか迫力がなくなってしまうんだ。

    レコーディングそのものを演奏しようと? やはりそれがベストなバージョンということですね。既に録音されたものに沿ってライブで演奏するということは、パフォーマンスに支障をきたすかと思っていましたが、それに慣れることができれば毎回レコーディング通りの演奏ができるということですね。

    両方:うん、その通りだね。

    『Dunks』のレコーディングはどこでされましたか?

    パブロ:『Mouthful』も『Dunks』も僕ら自身でやったよ。両方ともベッドルームで収録したんだ。レコーディングスタジオに行くお金なんかないし、スタンスの違うプロデューサーやエンジニアの下でやるつもりもないんだ。僕らのレコーディング過程では、収録したものを見直すのがほとんどだから、時間制限があったり他人に口を出されるのが嫌なんだ。そのせいで『Dunks』はものすごく時間がかかった。合計で40ぐらい持ち曲があったんだけど、そのうち20曲を収録したんだ。次のフルアルバムのデモはすでに30を超えているんだけど、ホリデーを通してこれらを見直して、さっさとフルアルバムを創ってしまいたいね! 今までの経過を見ているとまだまだ時間がかかりそうだけど、今のうちはミニアルバムを楽しんでほしいよ。ライブもたくさん予定しているから是非僕らと一緒にパーティしよう!

    Ghoul
    2008年から活動を始める。イヴァン・ヴィジンティンの丸みを帯びたボーカルは一度聞いたら忘れられない声。結成して間もなくリリースしたEP、「A Mouthful of Gold」はその未完成度ならぬ魅力を多いに発揮し、Ghoulを一躍シドニー音楽業界の見物に成り上がらせた。しかし、これと言った理由の発表をせずに、2009年中旬に予定していたフルアルバムをキャンセル。注目の的から一気に謎に包まれた彼らだったが、ここ数ヵ月でようやく新曲2曲「Milkly」と「3mark」のリリースを始め、2011年ミニアルバム『Dunks』を発表する予定。今年10月にはあのThe Dandy WarholsやThe Horrors を手がけるSpeak N Spellとレコード契約を組み、来年にはフルアルバムをリリースする予定。


     

    CHEERS 2011年1月号掲載

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