話題のRagga DJ来豪! 卍LINE #02 | Cheers インタビュー

話題のRagga DJ来豪! 卍LINE #02 | Cheers インタビュー

Cheers インタビュー

話題のRagga DJ来豪!interview with 卍LINE

卍LINE

Ragga Dee-Jay、卍LINE。この人に関しては様々な情報により、勝手なイメージが一人歩きしてしまっているように思える。実際に会って話してみて思うのは、揺るぎない "自分"というものを持った熱い人間であり、そして優しい人間であるということ。自身の理想や信念を語るときの目はどこまでも真剣で鋭く、笑顔を見せるときの表情は少年のように純粋だ。本気で音楽をやり、本気で生きる卍LINEが偽りのない言葉でその"あるべき姿"を語った。

ライブ直前インタビュー(ライブ前日 / 6月26日収録)

お忙しい中、このようにお時間をいただき、ありがとうございます。

こちらこそ来ていただいて、ありがとうございます。よろしくお願いします。

シドニーに来られたのは初めてですか?

過去に一度、仕事で少しだけ立ち寄ったことがあります。今回のほうがゆっくり滞在できますね。

シドニーの印象はいかがですか?

Irie(楽しい、元気)ですごくいいですね。人もアメリカなんかとはまた違って、ゆっくりしているというか、フレンドリーな感じで過ごしやすそうです。

早速、ボンダイビーチに行かれたみたいですね。

まったりしてきました。空も抜けてて青くて、気持ちよかったです。

とうとうセカンドアルバムがリリースされますね。

8月5日に『VORTEX』というタイトルで発売されます。2月末にレコーディングを終えて、それからジャマイカに行ってミックスダウンしてきました。ファーストアルバムではひとりで歌っていましたけど、今回は曲によってTAKE-T、SHIBA-YANKEE、BOOGIE MAN、REILIの4人にもレコーディングに参加してもらってコンビしています。すごくいいできになっているので僕自身発売が楽しみです。

ジャマイカには何度か行かれているんですか?

今まで3回ほど行きました。ファーストアルバムのミックスダウンもジャマイカでやったんですよ。あの国の人たちは本当に元気で、滞在しているとなんか自然とバイブスが上がってくるんですよね。"Rough & Tough"って言葉があるんですけど、生活が苦しくて治安が悪かったり大変な部分もあるんだろうけど、だからこそ元気に生きていくっていうパワーがあるんですよ。

日本中をツアーで回られていますが、ジャパニーズ・レゲエシーンの盛り上がりを肌で感じていますか?

数年前に比べると人気が落ちたなんて言う人もいるけど、僕は時間を経ることでシーンがしっかりとした形になってきたなって思うんです。ライブ時のお客さんの盛り上がり方は前よりもよくなっているように感じます。

地方まで足を延ばしてイベントに参加されていますが、やはりライブが好きだということでしょうか?

何より大事なのは現場なんですよ。ライブでもお客さんが俺のバイブスを上げて、俺がお客さんのバイブスを上げるって感じで、もうどっちが先かわからないくらいにお互いを高め合うことができる。そのときのパワーっていうのは本当にすごくて。二度と同じ波はないし。そういうのも含めてライブはすごく楽しいです。CDを出すのもあくまでライブがやりたいからであって、CDを売るためにライブをやるわけではないですから。

そういった現場での経験はセカンドアルバムの制作に反映されていると感じますか?

"ラバダブ"っていうステージでやる即興のセッションがあるんですけど、色んなレゲエ・ミュージシャンとそれをやることですごい刺激になるし、自分の糧にすることができます。自身の哲学を持ったすごい人たちとしのぎを削っていますから。そういったものが自然と反映されていると思います。また曲もどんどん新しいのができていて、レコーディングが終わった頃には次のアルバム用の曲が揃っているという充実した状況にあります。

海外でライブする場合にいつもと違う部分というのはありますか?

やっぱり言葉の壁っていうのはありますよね。5月に香港と台湾でライブをして、MCをほとんど全部、日本語で押し通したんですけど、どれだけ伝わったんだろなって。それでもお客さんはたくさん来てくれて盛り上がりましたけど。特に台湾では台北、高雄と2度ライブをやったんですけど、両方とも1000人のハコがいっぱいになって。でも今回のオーストラリアでは日本人のお客さんが集まってくれるみたいなんで、言葉の心配もないですね。

最後に明日のライブに向けての意気込みを聞かせてください

いつもやっていることをやるだけです。レゲエは聴いて楽しいってだけではなく、考えさせられるメッセージが含まれていて、人生に何かのきっかけを与えてくれる音楽。それを感じてほしいです。あと何度も言うようですが、皆には現場に出向いてほしいです。現場に足を運んでほしい。それは僕のライブじゃなくても、クラブでもなんでも、現場で楽しんで感じてほしいです。大事なのはそこなので。

それでは明日、がんばってください!

ありがとうございます。バッチリ放り込みますんで、一緒に盛り上がってください。

ライブ直後インタビュー(ライブ直後 / 6月27日収録)

おつかれさまでした。ライブを終えてみていかがでした?

お客さんが歓迎してくれて、ありがたかったです。ただ音響設備のアクシデントがあったりで正直、不完全燃焼な感じになってしまいました。スピーカーの設備が弱すぎたんですよね。オーディエンス側から観ててどう感じました?

たしかにボーカルがあまり聞こえなくて、もっと卍LINEさんの声をしっかり聴きたかったというのはあります。

ですよね。僕もそれはわかっていたんでライブ中、エンジニアに「もっと上げてくれ」って言い続けていたんですよ。そしたら音響機器が限界を超えちゃったみたいで、とうとう"ボンッ"ってとんじゃって(笑)。

最後はマイクから音が出なくなってライブが終了したわけですが、本来ならまだセットは残っていたのですか?

もう1曲だけ残っていて、その曲はマイクなしの生声で歌おうとしたんですけど、さすがにきつかったですね。

リハーサルの時点で音響の脆弱さは感じられていたんですか?

リハーサルを踏まえて、あれでもスピーカーを倍に増やしたらしいんですよ。それでもやっぱり全然足りなかった。日本でやるときのサウンドシステムは、スピーカーも化け物みたいにデカイのを使うんでパワーがもう全然違うんですよ。それに今回はモニターの状態もあまりよくなくて、僕も音をとるのが難しかった。まぁ、でももっとひどい設備でやったこともあるし、いいときもあれば悪いときもありますね。その中でうまくやっていかなきゃいけないと思っています。

途中、一度サングラスをはずされたら絶叫にも近い声援がとびましたね。

気持ちはありがたいんですけど、ああなっちゃうと肝心の曲が聴いてもらえなくなるんで、ライブ中はサングラスをかけたままで歌いました。顔を見てほしいわけじゃなくて、音楽を、メッセージを聴いてほしいわけですから。キャーキャー言われるのはアイドルに任せておきましょう(笑)。僕はなにより歌を聴いてほしいです。

日本でやるのと勝手が違うという部分はありましたか?

日本でやる場合はジャパニーズレゲエのファンが集まっているから、レゲエのライブでの盛り上がり方っていうのを知っているわけで、そういう意味でやりやすいっていうのはありますよね。ただ海外に出るとまた話は別なので、今回はレゲエ独自の"BulletBullet"といった、かけ声とか基本的なことを教えるというか、伝えながら一緒に盛り上がろうとしました。徐々にでいいので、そういう形でレゲエが浸透していってくれたらいいですね。そしてさらにお互いがバイブスを上げあう形にできたらいいなと思います。

卍LINE

明日はゴールドコーストでライブですね。

そうですね。明日の昼頃、ゴールドコーストに発って、夜にライブやって。それで一泊して、ちょっと観光してから日本に戻ろうと思います。

帰国してからはどのような活動をされていくのですか?

これまでと同じですよ。ライブをやりながら、現場を回る。あとは8月のセカンドアルバム発売に向けて忙しくなるでしょうね。色んなところに宣伝アポの電話したり、契約書を作ったりグッズ作ったりとか、事務的なことまで自分たちでやっていますから。インディーズでやっているんで、自分でやるんですよ。ファーストアルバムのときは流通こそメジャーから配給しましたけど、基本的にはインディーズです。今は自分でレーベルを立ち上げてやっているし。宣伝も自分たちの足でタワーレコードなんかを回ったり、各地のフリーペーパーで扱ってもらったりしながらやっています。大きな力やお金に頼らなくたってできるんですよ。というかメジャーでやるよりもこっちのほうがよっぽど物事がスムーズだし、利点は多いんですよ。僕が書くリリックにしても、「あれは書くな、これは書くな」なんて言われたらたまんないですしね。

メジャーに頼らないという意味では、地上波テレビの音楽番組などに出演するといった活動もされない意向ですか?

考えてないですね。というか僕はほんとにテレビがだめなんですよ。観てると気分が悪くなってきてしまうんですよね。なんというかあの世界の色んな嫌な部分をたくさん見てきたんで、僕からしたらその色んな嫌なものが透けて見えてしまう。いや、いい番組もたくさんあるんですよ。お笑い番組とか、ばかやってるのを観るとやっぱり笑えるし。そういうのも好きですから。でも基本的に民放はここ10年以上ほとんど観てないですね。

それでも需要というか、テレビのほうから卍LINEさんへのオファーはあるんじゃないですか?

どうなんですかね。どっちにしろマネージメントのほうに取らないように伝えてあるんで、来ているのかどうかわからないですけど、僕のところまでは来ないですね。

卍LINEさんにお話をうかがっていると、言葉のひとつ一つに揺るぎない信条があるように思えます。

僕はもう10年も前から同じことを言ってきていますから。何も変わらないですよ。小さい頃にブルーハーツを見て「これは本物だ」って感じて、それからロックをやったり、ブラックミュージックにのめりこんだりって感じでやってきたけど、何をやろうと基本的に心にあるのは同じもの。音楽にしたって大事なのは考え方。ジャンルは変わっても、レゲエもヒップホップもパンクも、あるいはロックだって"REBEL MUSIC"であるかぎりはハードコアなんだと思います。

今後、卍LINEさんが目指していくものを教えてください。

これからも生活の中から出てくるリアルな言葉をリリックにしていきます。自分の中から湧き出ることを歌う。それは僕にとって自然なことですから。僕は皆が歌うようになればいいなと思っているんです。たとえば縄文時代とか、太古の時代にも皆で歌うってことはしていたと思うんです。火の周りに集まって皆で歌うとか。そういった活動は人間にとって自然なことだと思うので、皆にやってほしいなと思います。それと年を取ると人間丸くなってきますよね。それもわかるんですけど、僕がそれをやったら僕じゃなくなってしまうので、ずっとこのままでいたいと思います。生涯、反抗期。まぁ、戦うべき敵はでかいですから、これからも気合入れてやっていきますよ!

またオーストラリアへライブのために戻って来ていただきたいです!

ありがとうございます。ぜひお願いします!

卍LINE
1979年生まれ。神奈川県横須賀市出身。2007年頃から本格的な音楽活動を開始し、全国のダンスの現場、ビッグダンス、野外フェスティバル、海外のイベント等で年間100本近くのライブをこなした後、2008年にデビューアルバム『卍LINE』を発表。独特の圧倒的なライミングから放たれるピュアなリリックが、各地でオーディエンスの心を打っている。現在はライブツアーと2ndアルバムのリリース準備を同時進行中。リリースチューンも続々と控え、今後ますます期待が高まる最重要Ragga Dee-Jay。
卍LINE official site: www.manjiline.com
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  • 卍LINE
  • 2ndアルバム「VORTEX」
  • 2009年8月5日発表

CHEERS 2009年8月号掲載


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