色鮮やかな音色を操るムードメイカー SOONERS | Cheers インタビュー
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    「シドニーなんて田舎でつまらない」と日頃思われている方、ジ・エンドです。在豪している日本人の方にもっとシドニーのローカルシーンを肌で感じてほしいというお節介な思いで始まったこのコーナー。メジャーどころからアンダーグラウンドまで、活気あふれたローカルミュージックシーンをご紹介します。今回は、今月末にシングル発表を控える「SOONERS」。アメリカのプロデューサーと制作したシングルや、4年にも渡りリハーサルを行ってきた自身のスタジオ「Mattress Factory」、そして今流行のレコードについてお話を聞いてきました。

    SOONERSは活動を始めてどのくらい経つの?

    アリスター:もうそろそろ4年ぐらい経つと思うよ。実際にこのメンバーで始める前にロブと2人で作曲してたからね。その期間が6ヵ月ぐらいだったかな。

    じゃあ、ロブとアリがこのバンドが始まるきっかけとなったってこと?

    アリスター:そうなるね。それからタクが入って、その2ヵ月後ぐらいにトムも一緒にリハーサルするようになったよね。
    タク:4人で活動し始めたって言っても、当時聴いていたバンドに影響されすぎて色んなジャンルを行き来してた気がする。
    ロブ:「Dandy Warholes」とか「The Morning After Girls」とか他のバンドの真似事みたいなこともしてたよね(笑)。
    トム:そうそう。「Brian Jonestown Massacre」とか「Jesus & Mary Chain」にもハマってたよね。

    どうして最終的にこのメンバーになったの?

    アリスター:はっきりとは答えられないけど、みんなが元々ハマっていた音楽に飽きたからじゃないかな? みんなパンク好きだったよね。。
    ロブ:間違いないと思う。高校時代、タクと2人でパンクに夢中になって、バンドも組んでたけど、結局そのバンドはどうにもならなかった。。
    トム:俺も高校時代は別のパンクバンドにいたんだけど、卒業と共にあのパンク特有の「怒り」が根こそぎどこかに行っちゃったって感じだったね。だからみんな新しい音を探してたんだと思うよ。

    SOONERSを結成してからは、みんなが「Mattress Factory」と呼んでるスタジオでリハーサルから作曲までしてきたんだよね? そこはどういう場所だったの?

    アリスター:俺の両親がマンリーの郊外の方でベッドなんかを取り扱う家具屋を経営してたんだ。そこの一部をスタジオに改造して使ってて。工場みたいな所だったから文字通り「Mattress Factory」だったんだ。でも、3ヵ月ぐらい前にビジネスの都合で手放すことになってしまったんだけどね(泣)。
    トム:マットレスもあったから(笑)泊まりで作曲なんてこともよくあったよ。時間に制限がなかったから、好きなだけリハーサルをして自分の楽器、それにバンドとしての〝パーソナリティ〟を発掘することができた場所でもあったんだ。

    作曲のプロセスはどういうもの? 「Mattress Factory」から移動して、そのプロセスは変わった?

    トム:アリがまず基盤となるアイデアをギターかキーボードで考えだして、それをロブのところに持って行って2人でおおまかな編曲作業を行うんだ。それをスタジオに持ってきて、タクと俺を交えてさらに編曲をする、とまぁこんな感じかな。
    アリスター:俺の頭の中で出来上がっていたものの50%ぐらいは残って、残りはどんどん変わって行くね。
    タク:バンドで編曲をする時は〝ムードの浮き沈み〟にすごく気をつけてるかな。SOONERSの基本的な持ち味として結構大事にしてるところなんだ。「Mattress Factory」を離れてからもこの作業はあまり変わってないと思う。今はスタジオを時間制で借りてるから、良い意味でも悪い意味でも、時間制限があるってのが一番の違いかな。
    ロブ:「Mattress Factory」の時は、時間があるからってだらだらして何も進まない時もあったからね。今は時間制限がある分、作曲でもリハーサルでも、いつもフレッシュな気持ちで作業と向き合える。そういう点では慣れた場所を離れるっていうのも悪くないな。でもその逆にいい調子で作業が進んでるのに切り上げなきゃいけないってのもあるよね。

    前回のミニアルバム『Stories of Towns and Cities』はすべてセルフプロデュースしたんだよね? でも、最新のシングル「Horses Run Out」ではアメリカのプロデューサー、「Kramer」と仕上げたって聞いたんだけど、この意図は?

    トム:SOONERSとして初めてのリリースをセルフプロデュースすることは凄く意義のあることだったと思う。自分自身でさえもSOONERSの〝音〟がわかってない状態だったから、他人に任せていたらもっと混乱していたと思うよ。最近になってようやく自分らの持ち味が理解できるようになってきたから、今回はプロデューサーに任せてもいいと思ったんだ。
    ロブ:実はSOONERSの最初のデモをネットに載せたときに彼からオファーが来ていたんだよね。恥ずかしながらその時は誰も彼の存在を知らなくて。最近になってアメリカの「Bonnie “Prince” Billy」やシドニーの「Bridezilla」のプロデューサーとして彼の名前を見るようになって、ようやく彼の存在を知ったんだ。驚いたよ。だって国際的に音楽業界で活躍している人がアマチュアバンドにオファーなんて普通しないでしょ(笑)?
    アリスター:彼が別の仕事で来豪した時に会いに行ったんだけど、すごく落ち着いた感じでいい人だった。実際に会って関係を築けたから、彼がミクシングをしている段階でもメールでやりとりをして、細かいディテールまで話し合うことができたんだ。

    では新しいシングルの出来はどう? セルフプロデュースした時と違った仕上がりになってる?

    タク:ミニアルバムとは楽曲そのものの雰囲気も違うし、客観的なプロデューサーの手も加わってるということで、今回のシングルは前回とは違う味が出てると思う。でも、嬉しいのは他人の手が加えられてもまだSOONERSそのもののパーソナリティが残ってるってことかな。

    今回はレコードとしてリリースすることにしたんだよね? シドニーではここ最近レコードが流行ってるよね。

    アリスター:CDの価値自体がもう廃れてきているしね。自分のコンピュータで簡単に焼けてしまうものだから、そこまで特別なものには思えないよね。レコードだとカバーアートも大分サイズが大きくなるし、アンティークを買っているみたいで、CDよりは随分貴重に見られるようになってきたと思う。前回と同様、今回もカバーアートはトムが描いたんだ。

    これはどこで手に入れられるの?

    トム:3月30日に予定しているリリースライブで発売開始するよ。1枚10ドルで販売する予定だけど、このライブに来てくれた先着20人にはプレゼントするよ! 家にレコードプレイヤーがない人はネットで無料ダウンロードも行ってるから、是非手に入れて欲しいね。

    では最後に、SOONERSの今後の目標は?

    ロブ:メルボルンとキャンベラ、そしてできたらブリスベンにもツアーに行く予定を立てているんだ。多くのライブをこなしてできるだけ多くの人にSOONERSを知ってもらいたいね。
    アリスター:次のレコーディングの予定も立てている段階なんだ。次はライブレコーディングのミニアルバムを発表したい。それをデジタル版でリリースして、その中から2曲を選んで、またレコードでシングルを出す予定。だからみんなレコードプレイヤーを買い始めてね!

    ALISTER HILL(アリスター・ヒル)
    GUITAR/KEYS

    SOONERSが初めてのバンドであり、サウンドエンジニアとしても活動中。おもちゃの楽器集めが趣味。自慢のアフロヘアを保つために常にブラシを持ち歩いている。アフロが巨大過ぎて、顔が見えなくなるのもまた愛嬌。

    ROB IRISH (ロブ・アイリッシュ)
    GUITAR/VO.

    SOONERS以前は他に3つのバンドでタクと活動していた。現在はソロアーティストとしても活動中。ライブでは気持ちが高まり、いつも足踏みをしている。そのせいで靴底は減る一方、買い替えを繰り返しついに手持ちのブーツが10足を超えた。

    TOM FERSON (トム・ファーソン)
    BASE

    ベース担当。SOONERS以前は他のバンドで活動していた。SOONERSのカバーアートを手がけ、アーティストとしても活動中。リハーサル中に踊りだしてしまうバンドのムードメーカー。地元ニュータウンのホームレスに新品のワインをあげてしまう程のお人好しでもある。

    TAKU KIMURA(タク・キムラ)
    DRUMS/BACKING VO.

    ドラム、バックボーカル担当。SOONERS以前は他に3つのバンドでロブと活動していた。現在はソロアーティストとしても活動中。自慢のロングヘアのせいでよく女性と間違われる。痴漢にあったこともあるが、ポリシーは曲げないつもりらしい。


     

    CHEERS 2011年4月号掲載

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