士道館空手シドニー支部長 水谷竜一 | Cheers インタビュー

士道館空手シドニー支部長 水谷竜一 | Cheers インタビュー

Cheers インタビュー

空手を始めて27年目。
まだ極められてないなって思うからこれからも精進していかないとな。

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シドニーで輝く人の、かっこ悪い時期を知り、大変な時期を知っても、遠くで輝くその人のことを見つめながら目指し進むのは、あまりにも大きな今の自分との ギャップに、進むことを諦めてしまいそうになる。時には自分より少し先にスタートした人を追ってみよう。明日の心配はまだある。これからまだまだ上らない といけない坂はある。今スタートを切り、走り出した人は何を思うのか。

『士道館空手シドニー支部長』水谷竜一さん。私が稽古後に行くと、白い空手着に黒帯びを付けた姿で出迎えてくれた。日本人の"誠"の心をオーストラリアに と、今年シドニーに自分の道場を構えたばかり。真新しい道場、そして壁には幕末の時代を駆け抜けた"新撰組"の局中法度書と旗が掲げられていた。

まず、いつシドニーへ来て、どうしてシドニーを選んだのか聞いてみた。

「いやいや、まだ全然最近だよ。4年前に来たばかり。日本では22歳の時に立ち上げた看板屋の仕事をずっとしてたんだ。でもそれと同時に、10代から士道館で空手をやってて、試合のためアメリカに行った時にシドニーの支部長に会って。そのとき、こっちではまだまだ空手の普及がないっていうのと、ビジネスチャンスも掴めるって聞いて、それで"じゃあ行ってみるか"って」

ビザも含めその後はどうしたんですか?

「初めビザのことなんか頭にないから観光で来てたんだよ(笑)。でも来てすぐに、あてにしてたその支部長が消えちゃって。英語もまったく話せないのに、あてにしてた人がいなくなって、さて困ったと。でもどうすればいいのか分からないけど、一度乗り込んだからには何かひとつカタチになるものを作らないと、帰れないなと思ったんだ。それですぐに会社を立ち上げて、ビジネスビザを取った。IT関係の会社を建設し、なんだかんだ色々仕事を軌道に乗せる準備してる途中、大体半年くらいしたときかな、"あれ?ビザって…"って思って、慌ててビジネスビザを申請した(笑)。意外と結構あっさり下りたんだよね」

でもそんな簡単にいくものなのだろうか。

「その後が大変だったんだよ。今でこそ良くなってはきてるけど、当時インターネットの回線てすごく悪くて、暇さえあればサーバーがダウンしまくって。ほんと24時間体制で管理してても、全然ダメで。英語が話せないから、インチキな英語でサーバー会社に怒ったりしたけど、それは怒ってもどうにかなるものじゃなかったから、何十万ドルもつぎ込んだけど1年くらいで見切りつけて止めたよ」

サイクルが速いというか、回転が速いですね。

「ガムシャラにやっても、物事にはタイミングっていうものがあるからね。ダメな時にダメなものをやってもダメなんだよ。自分の場合は早すぎたんだね。ニー ズに流行りや早い遅いがあるものは、タイミングが全てだから辞めようと思ったら即行だよ。自分は考えてる時には、もうすでに行動してる人だから、ビジネスなんか人から見たらサイクルが速すぎるかも(笑)」

何十万ドルのマイナス。そこから再スタートを切り、その後の生活はどういったものになったのか。

「IT関係って24時間付きっきりの仕事で、だからやっぱり空手の方までちゃんと時間がまわらなくて。だけどITの会社を辞めて、しっかり空手に使える時間が増えたかな。4年間かけて地元の道場と交流ながら、小さい所ながらもCITYで空手を教えてて、でも日本で貯めてきたお金も使い切っちゃったし、生きていかなきゃいけなからそればかりもやってられなくてさ。それで日本でずっとやってた看板の仕事をまた始めて、今に至るかな」

お金に対しての苦労はあったはず。

「そうだね。でもお金がなくなったから苦労したとは思ったことはないな。しっかり目標持って前を見て働いていけば、自分自身前進しながらお金は作り出せるから。それよりもお金では解決できない問題や、事を起こそうとすると出てくる問題の方が苦労することが多いと思うよ」

空手と仕事の両立はどうですか?

「この道場で食っていけるならこれ一本でやっていきたい。ずっとやってきたものだから、空手は生活そのもので、お金がなくても止められないものじゃないし。けどやっぱりまだスタートしたばかりだから、まだまだ仕事はしていかないといけないかな。看板の方の会社が誰かに任せられるくらいになったら、空手一本でいくよ。今は週に4日しかまだ出来ないから少しずつ、空手の時間を増やしていきたい。やっと"自分の道場"というカタチが出来てきたから」

水谷さんのこれからについて教えて下さい。

「そうだな、空手の世界では"1万日を持って極みとする"んだけど、1万日って27年間で、今自分が空手を始めて27年目なんだ。けどまだ極められてないなって思うからこれからも精進していかないと。空手って実力主義でごまかしが効かない世界だからね。生徒にとっても先生が誰よりも強くないといけないし、やられちゃったら終わりだから。そして自分の生徒を強くして、試合で勝たせるのが楽しみ。そうやって体がもつまで空手を続けて行きながら、じわじわオーストラリアに普及させれたらいいな」

武士道の精神と、時代を冷静に見る目を持ち、何事にも恐れず常にアクションを起こしている人。水谷さんはそんな人だった。これからも"まだまだ精進"と言っていた裏側には、まだまだいけるという自信を見た気がした。

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