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第17回 サッカーAリーグ クラブチームWSWに密着!

19/03/2014


 

 

 

 

過密スケジュールでスランプ?

 

Aリーグ2013/2014シーズンのWSWの試合数は残り8試合。ホームの試合は4試合のみとなり、移籍が迫る小野のプレーのひとつ一つを目に焼けつけようと、会場に訪れるファンの数が増えているパーテックスタジアム。15~19節は1勝1敗2分とやや渋めの結果だったが、引き分け2試合に関して内容は悪くなかったので余計に悔やまれる。2月15日現時点で2位を走るWSWのすぐ後ろには、3位に同ポイントで並ぶアデレード・ユナイテッド、メルボルン・ビクトリー、セントラルコースト・マリナーズが迫っているが、徐々に主要選手がケガから復帰し、勢いに乗るWSWがそれらを突き放すことに期待したい。2月26日からはAFCチャンピオンズリーグのグループステージも始るのでますます目が離せない。AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)が開幕し、未経験の過密スケジュールで乱調気味と言わざるを得なかったWSW。3試合連続での黒星から迎えた、3月12日のACL、貴州人和(中国)とのアウェイ戦を何とか勝利で収めることができ、復活の兆しを見せつつある。今後、小野のプレーを見ることができるのは、3月14日時点でリーグでは24節を含め、残り4試合のみ。このまま2位をキープしてファイナルシリーズに突入することに期待したい。

 

 

 

Match Results

 

 

AFC CHAMPIONS LEAGUE  
2月26日(水)19:30pm 

WSW VS Ulsan Hyundai 蔚山現代(韓国)  1-3

 

 

ACLデビュー戦は、2012年のACL王者、韓国Kリーグのウルサンヒュンダイ。Aリーグ真っただ中のWSWと比較し、ウルサンはKリーグ開幕前。マッチフィットネス面ではWSWが有利と思える。1万1212人の大声援の中のキックオフ。
試合開始間もなく、ゴールエリア手前にいたMF小野が、走り込むFWサンタラブへ、すくいあげるようなショートパスを絶妙なタイミングで送り、これをサンタラブが決め、KOからわずか41秒で先制点をあげる。16分には小野からの見事なFKをDFトーポースタンリーが頭で合わせるが、おしくもゴール左へとわずかにそれる。20分が経過するころ、それまで小雨であった雨が激しくなり、これに加えWSWのサポーター席から発煙筒の煙があがり、視界が悪くなる。しかしウルサンは状況の悪化をチャンスととらえ、Kリーグのゴールデンブーツ賞を獲得している9番キム・シヌクが同点ゴールを挙げる。40分、再び小野のアシストからサンタラブにチャンスが訪れるが、キーパーのど真ん中へ直接シュートを送ってしまう。前半終了間際の42分、ウルサン7番が逆転ゴールをあげる。後半、WSWのペースと思える展開が続き、50分、53分とWSWに決定機が訪れるも得点にできず。さらに固いディフェンスで知られるWSWの守りが乱れ始める。パスが繋がらなかったり、チャンスを得点に変えられなかったりと、チームに苛立ちが目立つようになる。一方でウルサンはロングパスで繋ぐサッカーを武器に、65分には4番がネットを揺らす。ウルサンはこのまま逃げ切り、WSWはACL開幕戦を黒星で終える。試合後の会見でポポビッチ監督は、「アジアのレベルを知らされた」とするのも、「最後の決定機をものにできれば、このレベルで張り合うことはできる」と手応えを語った。

 

 

 

Round 20
2月22日(土)21:45 

WSW VS PER パース・グローリー  2-0

 

ACLを3日後に控えたWSWのアウェイ戦。キーマンとなるMF小野、FWブリッジは連戦を避けるためこの日は温存、MFヘルシはベンチでのスタート。そしてケガで参戦できないキーパーのGKコビッチの代わりに、タイソンがデビューを飾った。この日はFWサンタラブを除くスタメンの10人がすべて20代というフレッシュなWSWで試合に臨んだ。
まず11分、MFムーイからの縦パスをFWアピアクビがダイレクトでMFポリヤックへとはたく。ポリヤックが相手DFを一度右に揺さぶってから左に交わし、左足でシュート。ボールはそのままゴール右隅へと吸い込まれて早速先制点を奪った。ポリヤックにとって今シーズン初得点となった。前回の試合同様に、この日、中盤で自由に動くアピアクビやムーイからスルーパスが面白いように通る。迎えた後半、サンタラブに代わりFWユーリッチが入るといよいよ20歳代のWSWが出来上がった。55分、カウンターでアピアクビがハーフウェイラインからドリブルで上がり3対3のチャンス。アピアクビがDFを引きつけ、左を走るFWハリティへパスが渡ると、DFを交わし左足でシュート。惜しくも右にそれてしまうがいいリズムで試合を運ぶ。そしてヘルシの登場を機に試合が動く。70分、パースゴール前でDFギャラスが空振りして痛恨のクリアミス。これをユーリッチがすかさずインターセプト。キーパーも交わし落ちついて追加点を奪った。試合終了間際、パースのコーナーキックのチャンスに、相手GKブコビッチもたまらずWSWゴール前へと入る。弧を描いたクロスボールをファーサイドのMFバーンズがヘディングで折り返すと、ゴール前に待ち構えたブコビッチがオーバーヘッドで合わせるがわずかに左へそれた。試合はそのままWSWが2-0で圧勝した。

 

 

 

Round 21
3月2日(日)17:00

WSW VS JETS ニューキャッスル・ジェッツ  0-2

 

 

前回のウルサンヒュンダイ戦での発煙筒の問題で、この日の応援を自粛したWSWサポーター。選手にとって過密スケジュールでの試合となり、フィットネスが懸念される。不安と応援の聞こえない異様な雰囲気の中、1万2079人の観客が固唾を飲んでキックオフを見守る。
まず開始早々の7分、ジェッツが動く。クロスで上がったボールをFWグリフィスが胸で落とし、それをFWへスキーが左足であわせる。オープニングシュートは大きく上にそれたが、その後14分にもヘスキーがドリブルでゴール前まで持ち込み、そのままミドルシュート。これもやや右にそれてしまったがコンディションのよさを伝えるには十分なプレーだった。22分、WSWのFWハリティからのパスをMF小野が左サイドで受け、DFを交わして放ったクロスをヘルシがヘディングであわせる。やや体制を崩したのかボールは惜しくも左へと反れてしまう。迎えた37分、ジェッツのFWフールが逆サイドに上げたクロスをフリーになったDFヤレンズがヘディングであわせ鮮やかなゴール。ついに先制点を奪われる。どこかついていないWSWにいつもの生気が感じられない。迎えた後半、点を決めたのはまたもジェッツ。へスキーからのループ気味のパスをゴール前のFWタガートが受けると、DF3人に囲まれながらも間を突いて強引にシュートを放つ。これがWSWのDFスピラノビッチの足に触れ、軌道が変わったボールはそのままゴールへと吸い込まれてしまい、2-0で終了のホイッスルを迎えた。試合後のインタビューで小野は、「すべてがうまくいかない感じで悔しい。これまでの負け方とは違った負け。サポーターにがっかりさせてしまった。緩急をつけずテンポがゆっくりでコンビネーションなどの意思の疎通ができなかった」と悔しさを露にした。応援を自粛したサポーターに対し質問をすると「応援があるのとないのとではやっぱりメンタル面が全然違う。サポーターの応援で救われている部分も大きいので、今日それが聞けなかったのは非情に残念だった」とサポーターの大切さを語った。この日の試合をポポビッチ監督は「終始フラットな状態だった」と表現。否定的とも取れるコメントは実に珍しい。
 

 

 

Round 22
3月8日(土) 19:45 

WSW VS SYD シドニーFC  1-3

 

 

サッカールーズに召集されたDFスピラノビッチの代わりに、久々のキャプテンDFビューチャンプが登場したシドニーダービー戦。どちらが本物のシドニーのホームチームなのか、感情をむき出しにした両サポーターに囲まれながら、シドニーFWデルピエロのキックオフで試合の狼煙があがる。
開始早々タイトなディフェンスをする両チームは、15分の間に11回のファールを数えるほどの激しい展開となった。22分にはWSWのFWサンタラブが後ろからの悪質なスライディング、27分にはお返しをするかのようにシドニーDFジャーマンも後ろからスライディングを決め、イエローカードを1枚ずつもらいあう。攻撃がどこかチグハグで繋がらないWSWは大きな展開を見せないまま前半が終了。迎えた後半、DFディパッゾの左からのクロスをサンラタブがヘディングで落とすと、それを小野が倒れこみながら右足のボレーであわせ先制点を奪う。今期2点目のゴールとなった小野は、シドニーFCホームでの得点率が異常に高い。そしてチャンスはまだ続く。FWブリッジからのクロスをMFヘルシと競っていたシドニーMFガルシアが、PA内で悪質なチャージをして、WSWはPKのチャンスを手に入れる。しかしブリッジがこれを外してしまい貴重な追加点を逃す。59分、フリーキックを得たシドニーFCにチャンスが舞い込む。MFアバスからのセンタリングをGKコビッチがパンチングで弾くと、そのこぼれ玉をジャーマンが肩で押し込み同点に追いつく。デルピエロ、小野とそれぞれ交代し、WSWからは移籍したばかりのFWメブラトゥが登場。活躍を大いに期待されたが、わずか数分後に相手DFからの悪質なタックルを受け、ひざに違和感を訴え交代。そして悲劇は始まった。WSWゴール付近でフリーキックを得たWSW。コビッチがビューチャンプへパスを入れると、もう一度コビッチへビューチャンプがバックパス。そのやや短かったパスミスをガルシアがインターセプト。そのまま無尽のゴールへとシュートを決め、痛恨の逆転ゴールを与えてしまった。この辺りから徐々に選手同士の小競り合いが激しくなり、84分には、アバスとサンタラブが言い合い、興奮したアバスがイエローカードを受けた。そしてロスタイムの91分、ゴールエリア内での浮き玉をDFポレンツがトラップしようとするが、事故的に手に当たってしまいPKを奪われる。これをアバスが冷静に左足で決め、ダメ押しの3点目を奪われた。試合はそのまま終了したが、試合後も選手間の小競り合いは続き、確執を残したままグランドを去ることとなった。試合後のコメントで小野は「後半早い時間帯で一点取れたが、そのあとが続かなかった。ダービー戦は両チームとも負けたくないという思いがあり、また、集まったファンにも楽しんでもらいたいという気持ちが強いが、今回それが悪い方向へ出てしまった。笛で時間が止まることが多く、フラストレーションが溜まる試合だった。チームとしてやってきたことが出せていないのは、負けが続いていることが変なプレッシャーとなっているから。早く払拭して自分たちのいいところを出したい」と悔しさを語った。

 

 

 

エリトリア出身のストライカー
ゴルゴル・メブラトゥが加入するも、デビュー戦で負傷

 

移籍期間終了3日前の2月2日、メルボルン・ハーツのストライカー、エリトリア出身のゴルゴル・メブラトゥがWSWにトランスファーされた。WSWのAリーグスクワッドはすでにフルであったため、AFCチャンピオンズリーグ専用選手としてトレーニングを開始したが、WSWのタージ・ミネコンが全治6週間のケガを負ったため、急遽Aリーグメンバー入りを果たした。しかしデビュー戦となった3月8日のシドニーダービーで、後半71分途中出場したメブラトゥは、シドニーFCから悪質なタックルを受け、内側側副靭帯と前十字靭帯を損傷。膝の形成手術が必要な重体で、今季の試合出場は厳しくなった。

 

 

 

ブレンダン・サンタラブ
試合中の人種差別的発言が問題に

 

適地で行われた3月8日のダービー戦では、試合全体を通して両サイドが激しく競り合う場面が多く伺えたが、中でもシドニーFCのミッドフィールダー、アリ・アバスに対する人種差別的発言が問題になっている。アバスは試合の翌日、クラブを通してオーストラリアサッカー協会(FFA)に、WSWのブレンダン・サンタラブに人種的中傷を受けたとして正式に苦情を訴えた。FFAは現在この件について調査を行っており、裁定が行われ、試合出場停止や罰金などが課される可能性もある。過去には元シドニーFCのジョエル・グリフィスが、ラインズマンに対する人種差別的発言で3試合の出場停止を命じられている。

 

 

 

 

 

 

 


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