オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
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成長を続けるチャッツウッドにフィリピン料理が登場

20/10/2014



 

大型ラーメン店などの店舗展開が噂され、飲食の波が押し寄せているチャッツウッド。そんなチャッツウッドで12年間に渡りフィリピン系グローサリーショップの経営を経て、ついに念願のフィリピンレストランを建てた女性オーナーがいるとの噂がヤマグチ隊長の耳へ入った。どの雑誌にも取り上げられていない今のうちに、早速取材に訪れる食いしん坊食べ歩き隊。果たしてその味はいかに?


シドニー広しと言えども、フィリピン料理に出会うことは実に稀。以前パラマタ方面でやっと見つけたフィリピンレストランを食べ歩き隊で訪れたが、翌月には閉店、という苦い経験もあった。現在では、ノースシドニーとシティにそれぞれ一軒ずつ、リッコムなどの郊外にポツンポツンとあるだけという状態だったが、そんな状況下の6月末、ついにチャッツウッドに新しくフィリピンレストランが登場し、にわかに活気付いている。フィリピンといえば、食べ歩き隊のA隊員が5年マニラに駐在をしたので、今回の取材は心強い。

雨が続き未だに春の訪れを感じさせないシドニーの8月の終わり。取材日もあいにくの天気だったが、店内に入るとストーブで暖を取りながらディナーを食べているフィリピーノの姿がチラホラ見える。サーブをしているのは、冒頭でも触れたとおり、チャッツウッドのレモングローブ内にて12年間に渡り、フィリピン系グローサリーショップを経営し、ついに念願のフィリピンレストランを始めたペンさん。スチュワーデスをする傍ら、グローサリーショップとレストランの経営をこなすパワフルな女性オーナーだ。ヘッドシェフには日本での飲食経験が豊富なジュンさんを筆頭に3人の職人がフライパンを振るう。期待に胸を膨らませながら早速一品目をオーダーする。

まず始めに登場したのは、フィリピンのソウルフードCrispy Pork Adobo($17.00)。フィリピンでは牛肉は高く、もっぱら豚肉が国民食。甘酸っぱいガーリックスパイスがほんのり効いたソースに、表面カリカリの豚肉。味のよく染み込んだポークベリーの噛み応えは柔らかく、小さく切り分けられているため女性人でも食べやすい。「この味付けは本場よりも上品ね。小さく切ってあるので食べやすくって優しいわ」とA隊員が駐在の頃を思い出しながら絶賛する。

次に登場したBinukadkad Na Pla Pla($15.00)は、ティラピアという種類の魚の丸揚げ。ティラピアとはスズキの一種で、もともとはアフリカと中近東にいた種だが、世界各地へ食用として放流され、現在ではアジアからアメリカまで幅広い水域に生息しているそう。白身で生臭さがなく淡白。カサゴに近いような味にハーブの香りがほのかにマッチ。「バースデーガールがハイチーズ!と言われて写真を撮られるような面持ち」と、ドクターOが独特の表現をするように、見た目も派手でゴージャスだ。バロバロという甘酸っぱいエビペーストのソースをつけて食べるもよし。「このソース、ゴハンにかけても美味しそう」と隊長はお気に入りの様子で、早速オススメとなった。



ピーナッツソースやターメリックなどで仕上げた割りに意外とあっさりしたクリーミーソースに、野菜やオックステール、トライプなどが漬け込まれたフィリピンの定番Pamana Kare Kare($21.00)。魚やエビを塩と混ぜて発酵させ酸味を効かせたペースト状のバゴーンと食す。オックステールの骨の周りのお肉に思わずしゃぶりつく隊長。腸によくソースが絡み、食感と風味のコラボレーションが内蔵好きにはたまらない。「内臓系は大好物」とテニスコーチのS隊員はひとりテンションが最高潮だ。

続いてはネギがふんだんにかかったPaksiw Na Lechon($17.00)が食卓に運ばれた。パクシウとはシチュー、レチョンとはまる焼きという意味から、大体想像できるだろうか。丸焼きにしたポークベリーを角煮のようなサイズに切り分け、ハーブやチリ、ブラックビーンズソースなどとともに1日漬け込んだ煮込み料理。ブラックビーンズソースの甘酸っぱい風味と粗引きペッパーの鼻をツンとする刺激とが絶妙な味のバランスを保つ。コラーゲンも豊富で女子受けもよい。


肉が続いたので、この辺りで野菜が盛りだくさんのPinakbet($16.00)が登場して少しの間、胃を休めることに。栄養補給と女子への気配りもかねてのチョイスはさすがヤマグチ隊長。スパイシーなココナッツクリームとシュリンプソースに絡められた野菜は、かぼちゃ、ナス、ニンジン、オクラ、トマト、ゴーヤとバラエティ豊か。「新鮮な野菜は火を通しすぎず、とってもジューシー」とS隊員からの評価が高かった。


そして今回の話題料理、フィリピン料理とは一線を引いた異色のPancit Luglog($10.00)が登場し、ざわつく隊員たち。太めでこんにゃくのような独特の食感が楽しめるライスヌードルに風味豊かなシュリンプソースがかけられたスープスパのような一品で、見た目は完全に洋食スタイル。溶きタマゴがとろみを出しているため麺によく絡んで食べやすい。ネギと食べやすい大きさに切り分けたゆで卵で飾られている。「これは初めて食べたよ!!」と驚きを隠せない様子の隊長。「なんとも表現できないけど、とにかくフィリピンでは珍しい料理。これイチオシでもいいかも」とナースN隊員も押す。が、ここはオススメで様子を見ることに。

フィリピンで駐在経験のあるA隊員が「懐かしい香り」と思わず声を上げたのは、Crispy Pata($18.00)。トラディショナルな豚の拳骨。拳なので前足ということなのだろうか。クリスピーに揚げられた皮とやわらかくてジューシーな肉。一見シンプルに見えるが、実は香辛料とともに4時間ボイルした後にディープフライをしているので、肉の芯まで香辛料の香りが染み込んでいる。しょっぱめの黒酢ソースと食すとアッサリと食べることができる。付け合せの大根とニンジンの漬物はしょうががたっぷり入っていてリフレッシュに最適だ。「ナックルはフィリピンにおいて大衆向けの料理の王道。シンプルだからこそ難しい。骨の髄まで味が染み込んで食べることができるここのナックルは文句なし」とイチオシを認定した。



お肉との戦いを制した食べ歩き隊。食後にはヤングココナッツを使用したプリンLeche Flan($4.50)や濃厚バターを使用したメレンゲSans Rival($5.00)で心を癒す。今回は試すことができなかったが、定番のHalo Halo($8.00)なども食べることのできるので、抱負なスイーツのバラエティもぜひチェックしてもらいたい。

フィリピン料理と聞けば「なんでも揚げた料理」がズラリと並ぶかと思いきや、かなり味付けや盛り付けに繊細さを感じることができた印象を受け、日本人にも食べやすいと確信した食べ歩き隊一向。ブレックファースト、ランチでは本格的なコーヒーとリーズナブルな定食も提供しているので、こちらもチェックしてみてほしい。光の当たっていないまだ見ぬ名店を求め、今宵もヤマグチ隊長はシドニーの夜へと消えてゆく。

 

 


 

 


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