SULTAN'S TABLE - Enmoreで味わうトルコ料理の奥深さ | Cheap Eats Great Taste

SULTAN'S TABLE簡単にテイクアウェイできることから、ファストフードとして人気のケバブ。日本人も頻繁に利用していると思うが、フランス料理、中華料理と並び、世界三大料理に数えられるトルコ料理の奥は深く、ケバブだけで満足しているのはもったいないことだと言える。未だ見ぬトルコ料理の真髄を食べ歩き隊が追う。

今回、我々が向かったのは、様々な人種が集まることにより、多種多様なお店が展開するEnmore。シドニー大学が近いことから学生街という側面も持ち、刺激的な雰囲気でいっぱいの街だ。そんなEnmoreで5年前に営業を開始した『SULTAN'S TABLE』には、トルコ人はもとよりあらゆる人種が連日通い詰めており、この日も平日の夜でありながら店内は満席状態。隊員たちは期待に胸を高鳴らせながら入店していった。

Large Mixed Dip ($19.00)

Large Mixed Dip

隊員たちへ最初に運ばれてきたのは、トルコでオントレとして供されるLarge Mixed Dip ($19.00)。ビートルート、スピナッチ、パセリ、キャロット、スモーク・エッグプラント、キューカンバ、ひよこ豆を用いた8種の色鮮やかなペーストを焼きたてのターキッシュ・ブレッドとともにいただく。彩り同様に新鮮な味わいのベジ・ペーストは、サクサクのブレッドの上に乗りながらさっぱりとした甘さと香りを口内に広げ、それぞれの野菜の旨みをしっかりと味あわせてくれる。現在では、ペーストをブレッドやクラッカーと一緒に味わうスタイルは国を問わずに楽しまれているが、店主によるとルーツはトルコの前身であるオスマン帝国であるという。オスマン帝国に遠くはオーストリアまで進出していったときに広く各地に浸透していったものとのこと。このようにトルコ料理は、ヨーロッパから中近東、北アフリカに至るまで強い影響を残している。長い歴史を持つ同ディップ・セットもまた、誰にでも愛され、病みつきになる魅力を持っている。

Mixed Grill ($24.00)

Mixed Grill

当店では各種グリル料理がメニューに並んでいるのだが、欲張りな隊員たちはそれらがセットになったMixed Grill ($24.00)をオーダー。Lavash breadという薄くモチモチとした白い生地の下には、ラム、チキン、そしてアダナ(Adana)というグリルが香ばしい匂いを漂わせながら隠れている。それぞれの肉は、スパイスやハーブとともに一晩マリネしてから炙り焼きされており、やわらかく、実に香り高い。風味を失わぬよう薄めのマリネにするよう気をつけているとのことで、溢れ出る肉汁には素材自体の旨みが損なわれることなく、ギュッと詰まっている。アダナは、つくね状になったラムの肉団子。マリネでクセが取り除かれているのはもとより、ヤマグチ隊長の「オーストラリアに臭いラム肉はない!」という言葉が証明するように、この国のラムは日本人にも好まれることが多いので、ぜひトライしていただきたい。第3の公募隊員、ワーホリ・メーカーのEさんは、「とにかく肉がめちゃくちゃやわらかい。色んな味を試すことができるところもいいですね!」と大絶賛。ここに記念すべき本日ひとつめのオススメ品が誕生した。

Chicken Pide ($13.00)

Chicken Pide

Pide(ピデ)もまたケバブ同様に手軽なテイクアウェイ・フードとして店頭に並んでいるのを目にすることが多い。スピナッチやベジタブルなど数種類ある中から、隊員たちが選んだChicken Pide ($13.00)は、こんがり焼かれた生地に豊富な具がたっぷりと詰まった本格派な佇まい。当店の手作り生地はカリっと焼き上げられ、食感はサックサク。中では、チキンにフェタ、ハルーミ、テイスティの3種のチーズ、それにスピナッチ、マッシュルーム、オニオン、トマト、パセリが一体となってトロリと溶け合っている。隊長に言わせれば、絶妙なチーズの溶かし方はイタリアン・ピザを超えたということになる。また、巧みに空気を含ませ、ふっくらと仕上げられた生地は、海外リタイアセレブA隊員に言わせれば、“スカホク感”と形容できるものであり、食すものにふわふわとした幸福感を与えてくれる。そこらのピデとはひと味もふた味も違う絶品ピデは、文句なしでオススメに認定された。 

Guvec ($13.00)

Guvec

Guvec ($13.00)はトルコ式のシチュー。Clay Potという土鍋式の器をオーブンに入れ、じっくりと煮込まれたサイコロ状のラム肉、ナスやキャロットなどの野菜はどこまでもやわらかく、口の中でやさしく崩れながら旨みを放出していく。ベースとなる味付けは、トマトソースに様々なスパイスを加えたもの。具材から染み出たエキスとトマトの酸味が心地よく舌に絡みついてくる。「料理ひとつ一つがしっかりと調理されている」と感心する大学講師Kは続けて、「地味なようですが、それぞれの料理に添いつけられている自家製のブレッドが焼き立てということもあって実に美味しく、また料理にとても合う。このシチューとの相性も抜群です!」と満足げな表情を見せる。その隣で「オススメ宣言をしたいが、それでは全品オススメになってしまう…」と心苦しそうにこらえる隊長の姿が印象的であった。

Iskender Kebab ($13.00)

Iskender Kebab

代表的なケバブのひとつに挙げられるIskender Kebab ($13.00)。薄切りのラム肉に、トルコでは調味料として使われるヨーグルトと、オレガノやパプリカ、ガーリック、トマトなどを合わせて作った自家製レッドソースがかけられている。もうひとつの特徴は、肉とソースの下にターキッシュ・ブレッドが敷き詰められていること。サクサク感が特徴のターキッシュ・ブレッドだが、ここでは2種のソースと肉汁をジュワっと吸いこむことで複雑な旨みをたっぷりと含み、なんとも味わい深いものへと変貌している。薄くスライスされたラム肉は淡白な味わいが、日本人にとってはまるで、すき焼きを思い起こさせるようでよく口に合う。存在感のあるコク深いレッドソースはヨーグルトと混ざり合い、マイルドな風味を演出。よく知られているように思うケバブだが、これらすべての要素がひとつになった瞬間には、未知の味とも言える新境地を体験させてくれる。食事中もゴルフのことが頭から離れない隊長は、「これは本日のショット・オブ・ザ・デイだね!」とゴルフ風の言い回しで粋にオススメ宣言をした。

Baklava ($2.50)

Baklava

 トルコはもちろん、中東からバルカン半島、北アフリカまでの広い範囲で食べられるデザートであるBaklava ($2.50)。紙のように薄い生地をミルフィーユのように重ね合わせながら、間にバターを塗り、ナッツをのせ、オーブンで焼いた後にシロップをたっぷりとかけるバクラヴァはとても甘く、濃厚な味のお菓子である。それだけにトルコでは‘エナジーフード’としても重宝されるというが、日本人にとっては若干甘すぎの感があるのも確か。

Turkish Coffee ($8)

Turkish Coffee

そこでその甘みを受けるのに最適なのがTurkish Coffee ($8)。コーヒー豆の粉末を直接、水に加えて煮立て、濾さずに飲むトルコ・コーヒーは独特の苦味とクセを持つが、それだけにトルコの甘いお菓子とは相性が良く、さっぱりとした後味を残してくれる。ただ、粉末を一緒に飲んでしまうと、ザラザラと不快な舌触りがあるので、上澄みの部分だけを味わうように注意して飲んでいただきたい。トルコではコーヒーカップの底に残った粉末をソーサーに返し、その形状で運勢占いができると信じられているという。実際に、店内にいた女性客のひとりが真剣な表情でその“コーヒー占い”を行い、周囲の友人にアドバイスを送る光景が見られた。もしも当店でコーヒー占い師に出会うことがあったなら、一度、自らの運勢を尋ねてみるのもよいのではないだろうか。

25年以上にわたってシドニー飲食界の変遷を見守ってきたヤマグチ隊長が言うように、エスニック料理全体のレベルは一昔前と比べてずっと高くなっている。その中でもSULTAN'S TABLEは、非常にリーズナブルな値段設定から考えても、まぎれなくベスト・レストランのひとつといえる。日本に帰ってしまうと容易には味わえないトルコ料理。シティからすぐの距離にあり、独特の文化を形作るEnmoreで、このとびきり美味しいトルコ料理をぜひ味わってみてほしい。

ソムリエK隊長のワイン談義

Logan Chardonnay 2008 Orange, NSW/$25
Tatachilla Sauvignon Blanc Semillon Mclaren Vale 2008 SA
トルコ料理ということで肉料理がメインになるとの予想から、白には濃い目のシャルドネをセレクトしました。ただ、クールな気候であるOrangeのシャルドネは同時にとてもさわやか。ディップやチキンによく合うはずです。
Fox Creek Shiraz 2008 Mclaren Vale, SA/$20
Tulloch Verdelho Hunter Valley 2008 NSW
しっかりとした味を持つラム肉には、やはり赤ワインでしょう。濃い目のシラーズ、特にMclaren Valeのものは濃い味わいが特徴なので最適だと思います。ポップなラベルですが、中身は本格派な1本ですよ。
YENI RAKI Turkey
$45
Yarra Burn Shiraz Viognier Yarra Valley 2006 Victoria
トルコの国産蒸留酒であるラクは、アルコール度数が45%もある強いお酒で、水と混ざると白く濁るのが特徴です。アニスで香り付けされており、ギリシアのウーゾによく似ています。飲み過ぎにはご注意を。

※値段はお取り扱いの店により異なります

SULTAN'S TABLE
179 Enmore Road, Enmore NSW
02 9557 0229
OPEN 7 DAYS 11 :00am -11:00pm
BYO (No Charge)
タウンホール駅よりBankstown Lineを利用し、ニュータウン駅下車。徒歩10分。
179 Enmore Road, Enmore NSW

ページトップへ