オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
シドニーグルメ情報

Cheap Eats Great Taste


Bahay Kubo -Lidcombeで知ったフィリピン料理の魅力

30/11/2009


Bahay Kuboこの度、食べ歩き隊が狙いをつけたのはフィリピン料理。タイやチャイニーズ・レストランは数え切れないほど存在するシドニーだが、フィリピン料理となるとどうであろうか? 飽くなき探究心を持つ食べ歩き隊が美味しい調査へと乗り出した。

多様な文化が混在するシドニーにおいても、味わう機会の少ないように思うフィリピン料理。以前はシティにも数件のフィリピン・レストランがあったといい、ヤマグチ隊長もよく利用していたというが、残念ながらそれらのお店はすでに姿を消してしまっている。オーストラリアではなぜか今ひとつ浸透しないフィリピン料理だが、隊長に言わせると「実はとっても美味しい ! 」のだという。そんなフィリピン料理を求めて向かった先はLidcombe。郊外まで足を延ばすことになるが、レストランは駅の目の前という好立地にあった。

Adobo ($13.00)

Adobo

1品目からフィリピンの代表料理が運ばれてきた。一般家庭で好んで食べられるというAdobo ($13.00)は鶏肉や豚肉を、酢や醤油、ガーリック、ブラックペッパー、ローリエ(月桂樹の葉)など様々な調味料を用いた漬け汁にマリネしてじっくりと煮込んだ料理である。鶏と豚の2種類から食べ歩き隊がチョイスしたのは、鶏のAdobo。絶妙な配合により、見事に臭みが取り去られた鶏肉はとても風味高く、また実にやわらかく調理されている。鶏肉と煮汁をごはんの上に乗せていただくのがフィリピンでのいわゆる"正しい食べ方"らしく、日本人としてもどんぶり感覚で豪快に食すのがなんとも心地よい。ちなみに"Adobo"という料理名は、スペイン語の「漬ける、マリネする」という意味の単語から取られているという。過去に統治を受けたことからスパニッシュの影響が残るというフィリピン料理の真髄をさっそく垣間見ることができたようだ。

Crispy Pata ($17.00)

Crispy Pata

次にオーダーしたCrispy Pata ($17.00)もフィリピンの名物料理。豚のすね肉がカリっと香ばしく揚げられていて、表面のパリッとした食感とコラーゲンを含んだやわらかい肉の旨みを同時に味わうことができる。醤油に酢とタマネギのみじん切りを合わせたソースは、クリスピーな豚肉にさっぱりとした風味を加えてくれる。何よりも隊員たちを感嘆させたのは、油を用いた見事なまでの揚げ具合。隊長が「こんなにパリッと食感のよい豚料理は食べたことがない!」と手放しで賞賛するこの一品には油っこさや、いやなべたつきが不思議なほどに感じられない。店主に聞くと、その秘訣は"揚げる前の段階で肉をやわらかくなるまで茹でる"というプロセスにあることがわかった。このテクニックによって、揚げ物でありながら飽きのこない"軽さ"が生み出されていたのだ。ボリュームいっぱいの盛り付けでありながら、骨だけ残して綺麗に食いつくされたモスト・クリスピーな豚肉は文句なしでオススメの認定を受けた。

Sinigang ($15.00)

Sinigang

3品目は日本の鍋にも通じる魚と野菜がたっぷり入ったスープ、Sinigang ($15.00)。フィリピンでは酸味の効いた料理が好まれるようで、このスープもまた酸っぱさが病みつきになりそうな魅力を持つ一品である。ここでの酸味のもとは酢ではなくタマリンドを、また出汁は鶏がらと魚醤を用いたもの。すまし汁のようにあっさりとした出汁に酸味が混ざって生まれる味わいは、初めてのものでありながら違和感なく体に染みこんでくる。具には、オクラ、ナス、シシトウ、チンゲン菜など盛りだくさんの野菜と、ミルク・フィッシュ(サバヒー)というフィリピンや台湾、インドネシアなどで食されるイワシやニシンに似た種の魚が用いられ、鍋を彩っている。フィリピン料理を語るときに決して外すことのできないこのスープ。しかしながら、実を言うとこの国民的料理をめぐっては隊員内で意見が真っ二つに割れてしまった。「とてもうまい。日本人の口にも合う」という肯定派と、「クセが強い。日本人向けではない」という否定派の2グループへと綺麗に分かれたのである。オススメ宣言をする勢いであった肯定派の隊長も、一部隊員たちからの思わぬ抵抗を受けてオススメを取り下げた。なんであれSinigangがフィリピン料理において、超がつくほどの人気メニューであることは確かである。是か、それとも非か。あとは皆さんに判断していただきたいと思う。

Kare-Kare ($15.00)

Kare-Kare

本日のメインディッシュとなったのはオックステール(牛尾)のピーナッツソース煮、Kare-Kare ($15.00)。見た目はカレーのようで、ご飯にかけて食べるのも同じなのだが、辛味などの刺激はなく、マイルドでやさしい味になっている。ピーナッツソースのほどよい甘さとともに、ナス、インゲン、白菜とコラーゲンたっぷりのトロトロのオックステールがじっくりと煮込まれている。自然な味わいのKare-Kareを賞味するときに忘れてはいけないのが、"バゴーン"というペースト状のアミの塩辛。濃厚な旨み成分がギュッと凝縮されたこのペーストをKare-Kareに合わせることで、素朴さに奥深い味わいが加わり、ご飯がいくらでも進む極上の一品が完成する。この深い味により、心の奥の深い部分をふいに開かれてしまったのは、30年以上も前ながら5年間フィリピンに滞在していたという海外リタイア隊員A。ノスタルジックな表情を見せながら、「そう、この味よ、この味。不思議と30年も前に食べたものの味は覚えているものなのね。最近は朝に何を食べたのかも忘れちゃうのに…」としみじみ語る。隣でそれを気まずそうに聞いていた隊長は、神妙な顔でオススメ宣言を出すほかになかったのであった。

Halo-Halo($5.50)

Halo-Halo

デザートに選んだのは、日本でもコンビニなどで扱われて大人気のHalo-Halo($5.50)。アイスクリーム、ゼリー、練乳、あずきなどがミックスされた南国フィリピン・スタイルのパフェである。Haloとはタガログ語で「混ざる」という意味。隊員たちはその名の通りにHalo-Halo を"混ぜ混ぜ"しながら、甘味の魅力が一体となった幸福感を堪能していく。特にあずきと練乳という完璧なコンビネーションがアイスクリームと溶け合って奏でるハーモニーには隊員たちから思わず歓喜の声が上がる。グルメでありながら、実は大の甘党でもある隊員たちは、皆で声を合わせて「オススメ ! 」と元気に宣言した。

あまり情報のないままに臨んだ今回のフィリピン料理。グルメを自認する我が隊員たちでもその半分以上がフィリピン料理は初めてという状態であった。なぜオーストラリアにおいてメジャーな存在になりきれないのかは、また別の議論が必要となりそうだが、こと日本人の嗜好という部分においては自信を持ってオススメできるものだと思う。東南アジア特有の辛い味付けはあまり見られず、かと言って甘すぎることもなく、淡白でやさしい印象のものが多い。島国であるフィリピンはスペイン、中国、東南アジアなど、様々なエリアからの影響を受けながら形作られており、多文化的料理とも言える。ソイソース(醤油)が調味料としてしばしば使われるのも、日本食からの影響なのだという。アジアにおいて特有の食文化を持つフィリピンの料理をぜひ一度ご賞味いただきたい。フィリピンの方々はカラオケが大好きだということで、当店もレストランでありながらしっかりとカラオケ設備が備えられている。隊員たちがそれぞれの料理論を熱くぶつけ合う中、カラオケ好きの隊長は「待ちきれない!」とばかりにマイクを握り、フランク・シナトラの"マイウェイ"を熱唱し始めた。今宵も隊長は、誰よりも"我が道"を行っているのであった…。

ソムリエK隊長のワイン談義

Tatachilla Sauvignon Blanc Semillon Mclaren Vale 2008 SA / $16.50
Tatachilla Sauvignon Blanc Semillon Mclaren Vale 2008 SA
良い意味でお水のようにサラッとしていて、非常に飲みやすいですね。スターターとして最適と言えます。魚系とか軽めの料理に合わせてみてください。
Tulloch Verdelho Hunter Valley 2008 NSW / $17.50
Tulloch Verdelho Hunter Valley 2008 NSW
ハンターバレーでも有数の名ワイナリーの作品です。白ワインでありながらもクリスピーな味わいがあるので、今回の食べ歩きで紹介したチキンやポークにもばっちり合いますよ。
Yarra Burn Shiraz Viognier Yarra Valley 2006 Victoria / $24.95
Yarra Burn Shiraz Viognier Yarra Valley 2006 Victoria
すっきりとした甘さがあって、実になめらかですね。赤のShirazに白のViognierを数パーセントの割合で絶妙に混ぜ込むことによって、この飲み口が生まれるんですね。女性に勧めてあげたら、きっと喜ばれると思いますよ。

※値段はお取り扱いの店により異なります

Bahay Kubo
36 Railway St, Lidcombe
02 9649 7939
OPEN 7 DAYS 11:30am-9pm
BYO
Wine $5 per bottle
Beer $2 per person
タウンホール駅よりWestern Lineを利用し、リッドコム駅下車。所要時間約25分。
36 Railway St, Lidcombe


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