DIN TAI FUNG -洗練された場で極上の小龍包 | Cheap Eats Great Taste

DIN TAI FUNG

世界一有名な小龍包店と言っても過言ではないDIN TAI FUNG(ディンタイフォン)。台湾に本店を持つこの店がオーストラリアにも進出し、シドニーに支店をオープンしたのは今年5月。まだ半年ではあるが、その評判は方々で聞き及ぶところである。そのような話題を鋭い食のアンテナを持つ食べ歩き隊が放っておくわけもない。食べ歩き隊が満を持して噂のレストランで食らい、語りつくす。

 

90年代にニューヨーク・タイムズで「世界の10大レストラン」に選ばれて以来、日本やアメリカを皮切りに広く世界展開をしてきたDIN TAI FUNG。日本では東京を中心に全国の主要都市に支店を持っているので、すでになじみのある名前なのかもしれない。その多くが高島屋での出店であり、人気の高さとともに洗練されたイメージを与えている。さてシドニー支店はいかがであろうか?日本国内のDIN TAI FUNGはもちろん、台湾の本店にまで足を伸ばし、その本場の味を確かめたことがあるというシドニーグルメ界のオールラウンダーがいる。言うまでもなく我らがヤマグチ隊長のことである。上海流の小龍包を中心に様々な料理が用意されているが、このレストランを熟知している隊長は何をオーダーし、どんな食の流れを作ってくれるのか? 皆が注目する中で隊長が最初にオーダーしたのは、なんといきなりの小龍包。まさかとは思うが何も考えていないのか? いや、小龍包の繊細な味を他の料理で邪魔せぬよう無防備なままの舌でまるごと堪能しようという隊長の緻密な計算があるに違いない。毎度のことながら感心させられる。
Pork DumplingとCrab Meat & Crab Roe with Pork Dumpling Water Spinach with Garlic

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Pork Dumpling($8.80)
Crab Meat & Crab Roe with Pork Dumpling($15.80)

早速、お目当てとも言える小龍包、Pork Dumpling($8.80)とCrab Meat & Crab Roe with Pork Dumpling($15.80)の2種類が運ばれてきた。まずは正調の小龍包から。何度見ても小龍包の宝石のような美しさには心を奪われる。躊躇せず一度に口に放り込むと容姿の美しさそのままに上品で繊細なスープの旨みがはじけて広がる。スープは多めではないが、そのぶん豚肉の存在感があって、旨みエキスがギュッとつまっている。物知り系M隊員も思わず「上質のお肉を使っているのが一口でわかりますね」と唸った。
お次はなんとカニ味噌の小龍包。日本人が大好きなカニ味噌を小龍包にしてしまうとは、品のない言い方ではあるが考えただけでもヨダレが出そうになってしまう。カニ味噌のあの磯の風味を漂わせたクリーミィと言えるほどに濃厚な旨みがスープとともに薄い皮からたっぷり、じんわりと飛び出し、これでもかと舌の上で広がり続ける。これには全隊員が声にならない悲鳴を上げる。しかし皆が一様に幸せでいっぱいという良い表情をしている。語りに来たはずが誰も言葉を発しさえしない。人間、本当に美味しいものを食べたときというのはこういうものだろうか。満面の笑みでこちらを伺った隊長がようやく口を開いて「これ絶対オススメ」と一言だけ漏らした。

 

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Water Spinach with Garlic($10.80)

開始早々、真打の登場という形になったが、もう一度前菜からきり直すことにした。それには中華料理店での人気前菜である空心菜の炒め物、Water Spinach with Garlic($10.80)が最適であろう。さっぱりした風味と粘りを持ちながらもチャキチャキとしている食感を楽しむ。ニンニクがふんだんに使用されているが、淡白な味わいである空心菜と和えることでそれぞれの香りを持て余すこともなく最高の相性を見せている。ただの前菜と呼ぶにはあまりにも惜しい陰の名料理である。

Cha Jiang Noodle Prawn & Pork Parcel

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Cha Jiang Noodle($11.80)

ここのレストランではヌードルも豊富に揃えられている。その中から隊長がセレクトしたのはCha Jiang Noodle($11.80)であった。ジャージャー麺と一口で言っても実際は中国、韓国、日本でそれぞれ調理法が異なる奥の深い麺料理である。ここのジャージャー麺は豆板醤でマイルドな甘辛風味にされており、日本人が親しんでいる味に近いものと言えるだろう。トマトと豚ミンチを炒めたものがベースとなっており、甘くて優しい酸味を麺とともに楽しむことができる。麺は中華のアルデンテと呼びたくなるほどのシコシコ麺で、喉越しが実に滑らかでありツルツル。隊長も「この麺はいいねぇ。こっちのレストランは茹ですぎる傾向があるんだけどね。ここのは見事にコシがある。シドニーではレアだよね」と大満足。小龍包とともに絶品麺料理にもトライしてみてほしい。


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Prawn & Pork Parcel($9.80)

始めに点心を味わったのだが、どうしてもあの魅力を忘れることができず、もう一度ご賞味させていただくことにした。小龍包の次は、Prawn & Pork Parcel($9.80)というエビシュウマイをオーダー。見事に細工されたシュウマイは日本で見るシンプルなものとは趣が異なり、やはり視覚と食欲を同時に刺激してくれる。その形はユニークで隊員からは「まるでイソギンチャクみたい(エビを捕らえている?)」といった声も上がる。プリプリとしたエビの食感を楽しんだのも束の間、小龍包と同じく豚肉のダシが詰まったスープが飛び出し、口の中で様々な旨みが混ざり合う。この食の化学変化とも言える現象に感動したソムリエK隊員は「これだよ、これ!"スープを食べる"というこの感覚が大事なんだよ!」と名言チックな表現で応える。やはり点心は全隊員に大好評で文句なしのオススメ入り!

Fried Rice with Shredded Pork Steamed Red Bean Dumpling

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Bohemian Platter($45, for 2 people)

最後に食べ歩き隊が選んだのは奇をてらうことなく王道のチャーハン。しかも数種あるなかから一番シンプルな豚肉のチャーハン、Fried Rice with Shredded Pork($10.80)であった。素朴なチャーハンだからこそ、その店の力量を知ることができるというもの。パラパラのチャーハンもよいが、ここのはしっとりとやわらかいふわふわチャーハンだ。しっとりではあるが、決してベチャベチャでも油っこいわけでもない。ゴマ油で仕上げられているため、ライスの一粒一粒にツヤがあり、サラッとしている。タマゴもふわふわでゴマ油の香ばしさと相まって、自然な甘さを演出している。この黄金チャーハンの輝きに隊長が感情を込めて語り出した。「これ懐かしい味がするなぁ。僕が青春時代に食べてた中華飯店の焼き飯と一緒だよ。これ日本人は絶対に好きな味だよ。懐かしいなぁ…」。隊長のノスタルジックな扉をノックする味。そんな逸品はこれまでオススメ率100%の確立を誇っている。「う~ん、オススメ(隊長)」。


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Steamed Red Bean Dumpling($5.80)

料理の東西を問わず、やはり最後はスウィーツで甘~く締めたい。ここのお店はデザートもしっかりとカバーしている。今回は"小龍包に始まり、小龍包に終わる"ということでデザートまでもSteamed Red Bean Dumpling($5.80)というあんこの小龍包をセレクト。薄い皮から透けて見えるあんこが甘味のツボを刺激してくる。あんこはこしあんで、実に滑らかであり、キメ細やか。上品な甘さがまったりと伸びるように口の中に広がる。隊員一同から「シドニーでこんな上質のあんこは食べられないよ!」「嬉しいねぇ、日本の高島屋で食べたのと一緒だよ!」など次々と歓喜の声が上がる。中には「これはまるで熟女のように奥深い味だわぁ」という本日二度目の名言チック(?)な表現までも。隊長も小龍包の美味しさと熱さで涙を流しながら喜んでいる。そしてなんとさらにもうひとつの甘味、Golden Taro Bread($5.80)を追加するという波状攻撃にかかる。このタロブレッドはシドニーの支店にしかない限定品。中華風デザートに洋風のテイストを加えたものだ。トーストで作られた生地はサックサクで、鮮やかな紫色のタロのあんはさっぱりとして、とろけるような甘さ。こちらも大好評であり、甘いものが欲しいときは絶対にはずせない一品である。2つまとめて堂々のオススメ入りとなった。

DIN TAI FUNGに驚かされるのは、その洗練された接客サービス。目が合うと微笑みながら軽く会釈を返し、客の要望にじっくりと耳を傾けてくれる。まるで日本の高級デパートでゆっくりするような、心から落ち着ける時間を与えてくれる。隊員からは「高島屋の接客マニュアルからの影響もあるのではないか?」という声も出るほどであった。中華料理系のレストランでは味は良いが接客、ホスピタリティの部分で日本人にとっては満足のいかないものであるというケースも多いように思う。そういう意味でもこのレストランなら日本人の欲求を完璧に満たすことができるはずだ。メニューなど日本語で表記されているものが多く、またスタッフはベーシックな日本語を習得している。中には全ての会話を流暢な日本語でこなすスタッフもいた。様々な部分で"最も日本に近い"というふうに形容される台湾。世界中に広がるDIN TAI FUNGであるが、ぜひ日本人にこそ訪れてほしい。予約システムはないので、行列に並ぶのを避けるためにも開店に合わせてできるだけ早く訪れていただきたい。
TAIWAN BEER SKIPJACK Marlborough TIM GRAMP Clare Valley

TAIWAN BEER($6)

日本のビールに比べ、若干薄口でさっぱりとしている。白ビールのようなフルーティな味わいを楽しめる。クセがないぶん、小龍包との相性はグッド。

SKIPJACK Marlborough
Sauvignon BlancNew Zealand 2008/$38

味はしっかりしているが、軽めなので小龍包の繊細な味を邪魔しない。ニュージーランド産のこの種はフローラルな香を持つのが特徴。

TIM GRAMP Clare Valley
Cabernet Sauvignon Australia 2004/$40

クレアバレーのものは軽く華やかな風味が売り。ライトなボディなのでさっぱりめの料理に合う。ただ濃い味の中華などには対応しきれない。

 


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Shop 11. 04 Level 1 644 George Street(ワールドスクエア内) Tel:02 9264 6010

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