Chinense Fast Food -激安区域アッシュフェ-ルドで本格上海料理 | Cheap Eats Great Taste

Chinese Fast Food

遥かなる中華の味を求め、中国人が多く住むアッシュフィールドへと向かった。そこにあるのはシドニーに突然現れたアジアン空間。街に広がるネオン、年期を感じさせる商店など、まるで懐かしの昭和にタイムスリップしたかのような気分にさせられる。人々の生活が息づく"リアル・チャイナタウン"で本場の上海テイストを堪能する。


アッシュフィールド駅に到着し、お目当ての店に向かう道で、我らがヤマグチ隊長を見つけた。パートナーである隊長夫人と共に、青果店の前で果物を手になにやら語り合っている。その後、大量のオレンジを購入した隊長は、「数日前にシティで買ったものの半分程度の値段だよ!」と最初から興奮気味。「これをシティに持って行って、売ったら儲かるよね!」と熱く語る。物価上昇が続くシドニーだが、この地域では少し事情が違うらしい。ノスタルジックな街並みを歩き、お目当ての上海料理店「チャイニーズ・ファースト・フード」を見つけ、中に入った。
最初に驚いたのは店内で一切の英語が、アルファベットの文字さえ見当たらないこと。料理名やお知らせが壁に貼られているのだが、実にそのすべてが漢字、中国語。この"こだわり"と"不親切感"が入り混じったような姿勢は、しかしこの店が本物の味を知らないものに媚を売らない信頼の証とも言える。
本格風なのではなく、そのまま本物の上海空間なのだ。さすがにテーブルに置かれているメニューには英語表記もなされており、日本人的には漢字料理名からも雰囲気を想像しながら、みんなで楽しく注文するものを議論する。最後はやはり隊長に一任して、本日のオーダーをしていただいた。

Chicken with Wine Sauce Toasted Flour Tendons with Special Sauce

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Chicken with Wine Sauce($8)

まずは前菜として数品が運びこまれる。一品目はChicken with Wine Sauce($8)。中華料理店でよくある薄塩味の素朴なものと変わらないだろうとの先入観と共に食べてみると、これが良い意味で裏切られた。ワインをたっぷり含んだチキンの身は驚くほど味が濃い、いや、深いというべきか。まさに浴びるようにお酒に溺れた鶏肉の光り輝くつやが眩しい。ワインが淡白なチキンの白い身から、旨みを存分に引き出していて、噛んでも噛んでも味がなくならない。口の中でワインのまろやかな香りとチキン自体の美味しさが交互に舞い踊る。ここでいうワインというのは実は中国の紹興酒なのだが、料理に甘味と芳醇な香りを加えており、調味料として完璧にして、最高の役目を果たしている。こうなると黙っていないのがソムリエK隊員。「このお酒、いい味出してるねぇ。ほんとにワインのような柔らかい味と香り。中国のお酒でここまでやれるんだぁ」と唸りつつ、早くもワイン談義を始めてしまった。茹で終えてから、冷水に入れて、身をギュッと締めているので、歯応えも素晴らしい。隊長の「出だしに最適」という意見と、K隊員の一押しにより、この酔鶏の冷製前菜は早速オススメに決定!


 

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Toasted Flour Tendons with Special Sauce($6.50)

お次はToasted Flour Tendons with Special Sauce($6.50)。モコモコして、蜂の巣を炒めたかのような物体が登場した。本当にこれが出てくるのを想定してオーダーしたのであろうか? とりあえず頂いてみると、これがなかなか悪くない。実はこの料理は豆腐をつぶして作られたもの。具は他にピーナッツとキクラゲだけで、味付けも醤油と砂糖だけでシンプルに仕上げられている。見た目はこってりだが、実は植物性の食材しか使用されておらずヘルシーな品。それゆえにさっぱりしていて、日本人の味覚に予想以上にマッチする。甘辛な味付けであり、これだけでご飯一、ニ杯はいけるって人も多いはず。スーパーのお惣菜感覚でワンパックを冷蔵庫にキープしておきたい。



Pork Mince & Vermicelli with Chili Sauce Fried Yellow Fish with Sweet & Sour Sauce

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Pork Mince & Vermicelli with Chili Sauce($11.80)

前菜シリーズの最後となるのはPork Mince & Vermicelli with Chili Sauce($11.80)。Vermicelli(バーミセリ)と言われるとピンとこないが、要は我々にもおなじみの春雨。産地としても有名である中国北部の人たちはこの春雨が大好きなのだという。上海を五度も訪れているという隊長がそんな春雨を見逃すわけがなかった。"上海=春雨=隊長=チープイート"と、ちょっと強引だがそんな経緯でオーダーされた品は、あっさり春雨と豚ミンチをオイスター(牡蠣油)& シーフード(海鮮醤)のダブルソースで味付けし、チリとネギの香りでピリッとまとめられている。比較的低カロリーでありながら、ガッチリと味付けがなされているので、しっかりと食べ応えもある。一般的にも、この絶妙なバランスが春雨の魅力と言えるかもしれない。



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Fried Yellow Fish with Sweet & Sour Sauce($20.80)

前菜三つをいいペースで平らげてみて思うのは、ヘルシーな料理が多かったということ。意外というべきか、体にとって不要なものはほとんど使われてないようだった。たまたまか? いや、ああ見えて非常に計算高い我らが隊長の狙い通りなのかもしれない。隊長の眼鏡の奥で、その目が"キランッ"と光った気がした。そして運ばれてきたのはFried Yellow Fish with Sweet & Sour Sauce($20.80)。イエロー・フィッシュ(黄魚)とは淡水性の鯉の仲間で、日本人にはあまり馴染みがない名前なのだが、この大きな魚がなんとも豪快に丸ごと調理されている。小麦をまぶして、そのまま油で揚げて、トマトソースとお酢、砂糖を合わせて作った甘酢ソースをこれまた豪快にかけて出来上がり。サクっと香ばしく揚がった魚にからみつく、酸味の効いた甘酢の香りが四方に広がり、食欲をそそられずにはいられない。箸を入れてみると、表面はサクサクで、中の白身はとても柔らかくジューシーで、期待していた通りの味、そして食感。見たことのない淡水魚であり、食べる前には少し不安もあったが、この調理法では生臭さなどあろうはずもなく、全隊員が抵抗なく箸を伸ばし続ける。最後には骨しか残らなかったのだが、"通"である隊長は、「顔が一番うまいんだよ」と言って、迫力満点の頭(かしら)まで持ち帰りを決めて容器に入れ、返す刀で「オススメ!」と振り向きざまに宣言!

Steamed Nanxiang Meat Buns Pan Fried Pork Buns

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Steamed Nanxiang Meat Buns($7)

とうとうというべきか、Steamed Nanxiang Meat Buns($7)が運ばれてきた。もともとこのレストランは隊長の友人である、トータス松本系隊員Mからの「激ウマ小龍包がある!」という垂れ込みによりセレクトされており、真打の登場に隊員達の間にどよめきが起こる。熱々に湯気が上がるなか、繊細な生地を破ることのないように、箸で優しくすくい上げる。限界まで薄く半透明の生地からは中の旨みジュースが透けて見え、今にもはちきれんばかりにタプタプと揺れている。一口ずつなんて野暮なことを言ってはいけない。それではせっかくの美味しい汁が逃げていってしまう。多少、熱かろうと、一気に口の中に放り込み、そこで初めて噛んであげる。すると小龍包がパチンとはじけて、熱々の激ウマジュースが口の中にダイナミックに広がる。宝石爆弾が爆発して、極上美味ジュースの大洪水が巻き起こっている。奥深い味はジワ~っと広がりながら、いくつもの表情を見せていく。またもやテンションの上がったソムリエK隊員は「このジューシーさ! まるで上海版明石焼きだ!」と唸る。隊長からは「上海で食べたやつより美味い! ここの小龍包はシドニー1! いや、南半球1だ!」と最大級の賞賛が出る。3段分が運ばれていたのだが、すぐに無くなってしまい、さらに2段分を追加オーダー。止められない、止まらない。ちなみに1段8個分を独り占めしても、なんとたったの$7という安さ。南半球一の味を満喫して、たった$7。まだ7月だが、早くも今年度の"キング・オブ・オススメ"が出てしまったのかもしれない。中国三千年の歴史は深い。



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Pan Fried Pork Buns($7.50)

すでに大満足状態の隊員一同であったが、途切れることなく、新たな料理が運びこまれる。Pan Fried Pork Buns($7.50)は、柔らかい生地の下半分だけフライされていて"揚げ肉まん"といった感じ。フワフワカリカリの生地は厚いぶん食べ応えがあり、サクッと割れると、揚げて外側から密閉保存されていた汁がブシュ-と飛び出してくる。生地の食感と自然な甘さが汁と一体になったときの幸福感はなんとも言い難いものがある。三度、テンションを上げたK隊員が叫ぶ、「ここは汁が最高! "汁屋"と命名しよう!」。残念ながら、今回不在の"癒し系・不思議系女性隊員O"の分までもと言わんばかりの大活躍である。隊員によっては、先ほどの小龍包にも負けていないという意見も出るほどの激ウマ揚げ肉まん、その中身にはいったい何が入っているのか? 女主人に聞いてみると「さっきの小龍包とまったく一緒!」とのこと。な、なるほど。さすがに合理的、ということにしておこう。しかし、同じ素材を使いながらも、こうも表情の違う一品を作り上げてしまうのは、逆に大したもの。他のテーブルを眺めてみると、前述の小龍包と並び、この揚げ小龍包が絶え間なく、オーダーされ運ばれていく。この2種の小龍包が、このレストランの二枚看板ということだろう。

Shanghai Fried Noodle Zhajiang Noodle

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Shanghai Fried Noodle($8.50)

隊員をとことん満腹にするべく、さらにヌードルが二つ運ばれてきた。最初はShanghai Fried Noodle($8.50)から。直訳すれば、"上海焼きそば"といったところか。醤油でのシンプルな味付けに、モチモチ太麺という組み合わせは、むしろ"焼きうどん"っぽくて、懐かしささえ覚える優しい味。シンプルだが、挽肉、キャベツ、ほうれん草、シイタケと絡めて一緒に食べていると不思議なほどに飽きは来ない。食べてみると意外なほど、さっぱりな上海焼きそばは日本人向けと言えるだろう。


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Zhajiang Noodle($7)

閉めとなるのは、もうひとつのヌードルディッシュ、Zhajiang Noodle($7)。思い切りよく盛りつけられた濃厚挽肉ソースとシャキシャキのキュウリを麺とからませ、大胆にほおばる。思ったほど辛味はなく、安心して食べられる。どうやらジャージャー麺が辛いというのは、日本人が勝手に後付けしたもので、本場の中国北部ではむしろ甘い味付けにするのが基本だという。まったり系のジャージャー麺、むしろこっちのほうが辛いものが得意ではない日本人には合っているのかもしれない。何かが違う、この初めての味の秘密を知るため、食材ならびに調理法を女主人に聞いてみると、すぐに答えが返ってきた。「さっきの春雨とまったく一緒!」。…ジャージャー麺、お前もか!

今回は隊員8人でお邪魔したのだが、これだけお腹いっぱい食べて、かかった費用が一人たったの$15! "安くて美味い"というチープイートのコンセプト通りに、アジアの王道ぶりを見せつけてくれた。アッシュフィールドだからできる値段と言えるだろう。特に小龍包はたったの$7で南半球最高の料理を味わえるのだ。これは行かない手はないだろう。

今回は中華料理ということで出番なしかと思われたK隊員だが、「中華でくるなら、こっちもそれに合わせましょう」ということで引く気はさらさらない。一人早めに現地入りした彼はソムリエの嗅覚を働かせ、またも現地No.1のボトルショップを見つけ出す。今宵も愛娘を抱くようにワインを抱え、私たちの前に現れたKであった。
MONTROSE MUDGEE STONY CREEK WRATTONBULLY SMITH&HOOPPER MARGARET RIVER WATERSHED

MONTROSE MUDGEE STONY CREEK
CHARDONNAY 2007/$20.99 (白)

「MUDGEEとはシドニー北西にあるワインの産地。ここはハンターバレー以上とも言える穴場らしく、K隊員オススメスポット。気温の高い地域なので、ドライなワインが作られる。身がギュっとしまっていて、味が濃い」

WRATTONBULLY SMITH&HOOPPER
MERLOT 2005/$20.99 (赤)

「南オーストラリア産のワイン。軽めで飲みやすく、またドライなぶんだけしっかりとボディがある。小龍包などのさっぱり系中華との相性が抜群。K隊員的には今回の三本の中で最もオススメだという」

MARGARET RIVER WATERSHED
SHIRAZ 2003/$20.99 (赤)

「西オーストラリア産のワイン。MARGARET RIVERはオーストラリアで1、2を争う有名ワイン産地。重みとまろやかさが自然に共存していて、ワイン好きを魅了する。濃い中華料理にも負けずに、程よい自己主張を味わえる」

 


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267C Liverpool Road Ashfield

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