ARISUN-中華と韓流が巡り合った場所 | Cheap Eats Great Taste

シティ内に数多く存在する中華料理店。新規オープンも頻繁に見られ、どの店を選ぶべきか迷ってしまうことも多いのではないだろうか。それなら一風変わったお店を試したらいい、ということで食べ歩き隊が目をつけたのは、中華と韓国料理を融合したスタイルが特徴的な『アリサン』。他店に差をつけ、見事な"キャラ立ち"ぶりを見せる人気店に食べ歩き隊が直行した。

アリサンの特徴は、何と言っても中華料理と韓国料理が融合した独自のフュージョン・スタイル。ありそうでなかった貴重なレストランと言える。メニューなども中国語(漢字)とハングル文字で表示されており、両国の要素が自然な形で同居している。これは当店のオーナーが"韓国生まれ韓国育ちの中国人"というバックボーンを持つことに因る。この出自が中華料理と韓国料理、両方の習得を可能にさせたというわけだ。いつもたくさんのお客で賑わうこのお店が気になっていたという方も少なくないのではないか。早速、お手並み拝見といこう。

 

Cold dishes with mustard sauce ($28)

一品目は前菜に丁度よい冷製ディッシュ、Cold dishes with mustard sauce ($28)。タマネギ、ニンジン、ニラ、キュウリ、エビ、金糸タマゴなどの多彩な具が、実に鮮やかで見事な色彩を演出している。中華料理を韓国風にアレンジしたオリジナルの品で、宮廷料理のような佇まいは非常に雅やかだ。中間の層をグルッと囲んだ、クラゲのごとき白い食材は、実は麺。チャプチェのポテトヌードルに似ているが、これもまた改良を加えた当店のオリジナル麺である。韓国式に全体をかき混ぜてからいただく。醤油と酢でシンプルな味つけを施された豊富な具材がいくつもの味を楽しませ、またマスタードが大事なアクセントとなり、味わいを格段に深くしている。そしてさらなる驚きを与えるのは、前述のオリジナル麺。つるんとして、強い歯応えのある独特の食感は、自称"シドニー1の麺食い"であるヤマグチ隊長をも唸らせた。思いがけぬ新食感ヌードルとの出会いに驚き、鳩が豆鉄砲を食らったような表情を浮かべながら、「オススメに決まってるじゃない・・・」とつぶやいた隊長であった。

 

Braised Prawn with chili tomato sauce ($32)

続いては日本人にも人気のエビチリ、Braised Prawn with chili tomato sauce ($32)。真っ赤なソースが目に留まるが辛さは抑えめで、前面に出ているのはチリよりもむしろトマトケチャップの甘み。唐揚げ風に揚げられた大ぶりのエビと餡が絡み合い、甘辛な味付けがご飯を進ませる。特にこの品がお気に入りの様子だったのは、初代公募隊員E。「オーストラリアで食べるエビチリは、日本のものとは別物な感じで違和感を覚えるが、このお店のは日本で食べていたものと同じ」というのがその理由だ。さすがは食べ歩き隊員といったところである。というのも、日本で言ういわゆる"エビチリ"は、中国から日本に移り住んだ陳健民(料理の鉄人で知られる陳健一の父親)が、中華エビチリの味つけの基調となる豆板醤をトマトケチャップに置き換え、日本人の味覚に合わせて、辛みの代わりに甘みを際立たせたものなのだ。我々の好きなエビチリは、日本発祥のジャパニーズスタイルなのである。そういう意味では当店のエビチリは、日中韓の要素が融合した品と言えるだろう。日本の味が恋しくなったら、ぜひ一度お試しいただきたい。

Fried chicken with soy sauce ($30)

当店のチキンはシグネチャーディッシュになっている人気メニュー。当店を訪れたら絶対に外せないところだ。数多くあるチキン料理の中から食べ歩き隊が選んだのは、Fried chicken with soy sauce ($30)。この品もまた辛みには頼っておらず、味わえるのは砂糖醤油による素朴でやさしい甘みだ。サクサクした食感が心地よく、肉はやわらかくジューシー。隊長の言葉を借りれば、"東洋のKFC"といった趣のこのチキンは8時間ほどじっくり煮込まれ、その上でカラッと揚げられている。それがファーストフードにはできない、味わい深い旨みやまろやかさを生み出している。ご飯のおかずとしてはもちろん、ビールのお供としても最上の品である。隊長からの伝言をもう一度、「チキン料理は絶対にオーダーすること!」。

Rice with seafood on top ($42)

Rice with seafood on top ($42)は、より中華色の強い一品。米を揚げて作ったおこげに餡をかけて味わうもので、四川料理でよく見られるスタイルだ。イカ、タコ、エビ、フィッシュボールのほか、チンゲン菜、白菜なども加わった八宝菜風のとろみのある餡をたっぷりとかけると、熱々のおこげと鍋がジュージューという音を発して、香ばしい匂いを広げる。クリスピーなおこげと、さっぱり醤油ベースの餡は相性抜群。ふんだんに用いられた海鮮から染み出た豊かなダシが深いコクを生み、隠し味的に効いたニンニクの風味が、またさらなる食欲をかきたてる。韓国料理に混ざって、こういった本格中華も何気ない顔をして登場してくるところが、アリサンの懐の深さと言えるだろう。隊長に「これ一品だけのためにでも十分、足を延ばす価値があるね」とまで言わせた海鮮餡かけおこげは、もちろん「オススメ~」。

Noodles with black bean sauce on plate ($13)

最後は、韓国人が愛して止まないチャジャンミョン、Noodles with black bean sauce on plate ($13)をオーダー。チャジャンミョンは中華のジャージャー麺をもとに韓国風にアレンジした、韓国の国民食とも言える人気料理。黒味噌にカラメルを加えて作る"チュンジャン"を使った甘い味つけが特徴だ。エビ、イカ、タマネギなどの具材、片栗粉でとろみのついた餡が、エッグヌードルと絡み合い、芳醇な旨みを口に運ぶ。どろりと濃厚な味わいながら、塩辛さがないぶん、後味は驚くほどさっぱりとしている。まったりとした餡に絶妙な相性を見せるエッグヌードルは、やはり自称"シドニー1の麺食い"である隊長も納得の仕上がり。「しっかりとしたコシのある麺はシドニーでは10件に1件くらい。ここもそのひとつだよぉ」と笑みを見せる。数人でシェアできるほど、ボリューム満点ながら、お値段はなんとたったの13ドル。韓国で老若男女に愛されるチャジャンミョンは、手頃な値段での親しみやすさが売りなのだ。何よりもこういった軽食にこそ、現地の人々に根付いたリアルな食の文化を感じることができるのかもしれない。「イチオシ~」by隊長。

中華と韓国という日本人に人気の料理がひとつになっているのだから、やはり美味しいに決まっている。アリサンは我々の期待を裏切ることなく、さらにその上を行く満足感や驚きを与えてくれた。また、当店では全般的に甘く、やさしい味つけになっているので、激烈な辛さを心配する必要はまったくない。その温かい味わいは、どこか日本の田舎料理にも通ずるものだ。オーナーに言わせると、当店のメニューが持つ中華料理と韓国料理の要素は同じくらいの比重になっているという。韓国式中華とも、中華式韓国料理とも呼べるというわけだ。それが結果的に日本人の口に合う品々になったというのはなんとも面白い。当店ではBYOはできないが、その分、酒類は充実した取り揃えになっており、料理とビール、焼酎のセットメニューもお手頃価格で提供されている。若いもの同士、また仕事帰りのビジネスマンにとって、この上ない憩いの場になるはずだ。

ソムリエK隊長のワイン談義

Hite Beer $6

韓国4大ビールのひとつ。さっぱりとした飲み口が特徴で、隊員の間で好評でした。ウィークデー(月~木)には、"1本$6→$3.99、6本$36→$20.99"というスペシャル・プライスで楽しめるのも嬉しいですね。
Richmond Grove Chardonnay 2008
Barossa Valley, SA $30
アジア料理店なので正直ワインリストが充実しているとは言えないのですが、その中で選ぶのならこの1本がオススメ。なめらかで飲みやすく、シーフードによく合います。
Tintara Cabernet Sauvignon 2006
McLaren Vale, SA $25
マクラレン・ヴェールを代表する屈指のワイナリーのものです。優しい深みとコクを併せ持つ素晴らしいワインです。まぁ、アリサンはBYOではないので持ち込めないのですが、別の機会にでもぜひ試してみて下さい。(ボトルショップ価格)
 
ARISUN
35/1 Dixon St, Sydney
02 9264 1588
10:30am-12am
OPEN 7 DAYS
BYO不可
 

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