北方拉麺館 | Cheap Eats Great Taste

今宵、ウワサの食べ歩き隊が向かったのはチャイナタウン。当コーナーが"安くて美味い"を標榜する以上、必然的に中華の掲載率は高くなるわけだが、今回はとうとう"チープイートの総本山"とでもいうべき『北方拉麺館』が登場。立地において、またその存在感において、チャイナタウンのど真ん中に立つ中華料理屋を訪れた。

北京を中心とした中国北部の料理を提供する『北方拉麺館』は、大繁盛店としての姿勢を崩さずに開店した8年前からずっとこの地に君臨し続けている。お客は引っきりなしに訪れ、入りきれない人々が列をなす。メニューに並ぶのは10ドル未満の品が大半で、相場は8~9ドルといったところ。そのうえボリュームも満点とくれば、繁盛するのも当然と言えば当然のことだ。北の麺処、その英語の店名はなんと“チャイニーズ・ヌードル・レストラン"。あまりにもそのままなネーミングで勝負するあたりもやはり自信の表れか。年に一度の“里帰り企画・アジア編"として、開店当初以来の再訪を果たした食べ歩き隊がその"変わらない味"を確かめた。

 

Jellyfish salad ($9.50)

白菜とキュウリのシャキシャキ感と共に味わうクラゲのコリコリとした歯応えが何とも心地よい。そこにたっぷりと用いられたコリアンダーが独特の爽快な風味を加えている。オーストラリア滞在期間に比例して、病み付き度も高くなるコリアンダーをぜひ敬遠せずにご賞味いただきたい。醤油ベースの味つけは実にさっぱりとしていて、酢の酸味とゴマ油の豊かな香りが食欲を促進してくれる、そんな"スターターの中のスターター"と呼ぶにふさわしい一品であった。

 

Light pan fried dumplings ($8.50)

中国全土で食べられる餃子だが、やはりその元祖は北京などの北方地域。歴史上、小麦粉などの粉食を主としてきた中国北部の人々は、餃子などのダンプリング類や麺類に関してはスペシャリストであり、当店もその自信を示すように「ベストヌードル&ダンプリング・イン・シドニー」と謳っている。中国では水餃子が主流だというが、当店の一番人気はこの焼き餃子。これは焼き餃子好きの日本人からすれば願ったり叶ったりといったところ。きつね色になるまでこんがりと焼かれた餃子は熱々で、厚めの生地はサクサクと軽やかな音を立てる。日本の焼き餃子と違うのは、小龍包のようにスープをたっぷりと閉じこめているところ。ふんだんに使われたニラの風味が香る、極上のスープを堪能させてくれる。

Braised eggplant in special sauce ($10.80)

一見、大学芋のようでもあるが、実際は特製ソースを使ったナスの揚げ物である。片栗粉をまぶして揚げられたナスはほどよく火が通り、中はやわらかくトロトロ。ニンニク醤油を巧みに活用した甘辛の味つけは、野菜のみとは思えぬほどに深いコクを生み出している。皆に好評であったこの品だが、特に大きな反応を見せたのは女性隊員たち。各々が「なぜかギトギト感がまったくない」「味はしっかりしているけど変に後に残らない」「是非、お家で作ってみたい」などと軒並み高評価の狂喜乱舞状態となった。遂には男性陣の意見を押し切り、"本日のイチオシ"まで獲得することに。女性にオススメなのはもちろん、女心を知るために男性にもじっくりと味わってみてほしい。

Pork mince pastry ($9.50)

まるでチャイニーズ・ピザ、あるいはチャイニーズ・ミートパイといった佇まい。たっぷりと詰まった餡の味付けは醤油によるやさしいものだが、一方でニラと生姜が豚肉の旨みを膨らみがあって豊かなものへと変えている。さらに風味が複雑に絡み合った芳醇な肉汁は、徐々に生地へと染みこみ、しっとりとした美味を楽しませる。酒の供としても最適なこの品。皆でシェアしながら、ワインやビールを流し込むのもまた一興だろう。

Combination hand-made noodles ($9)

北京で家庭料理として食されるジャージャー麺。真打ちの手打ちヌードルのお目見えだ。黒豆が原料のトウチで仕込まれた肉味噌は、甘すぎず、また、辛さもなく、驚くほどにあっさりとした仕上がり。日本のジャージャー麺では黄色いエッグヌードルが使われることが多いが、本場では白いうどんのような太めの平麺で作るのが基本。当店自慢の手打ち自家製麺は、モチモチかつシコシコとした弾力のある歯応えが人気の理由だ。麺をよく見ると太さや薄さは均一ではないがそれもまたご愛嬌。むしろホームメードのやさしさが伝わってくるようだ。ヤマグチ隊長も思わず「シドニーでコシのある麺はなかなか味わえないんだよねぇ。これはとてもインポータントなことですよぉ」と唸る。10ドル未満の値段ながら、ひとりでは食べきれないくらいに大盛りのジャージャー麺は、文句なしでオススメの逸品だ。 

近年の物価上昇により、開店当初と比較すると2~3割り増しの値段設定にはなっていたが、それでもやはり相対的には非常に安い。ヤマグチ隊長も「いい意味でこれだけ変わらないお店も珍しいね!」と久々の再訪に満足気であった。夜7時にもなると行列ができてしまう当店だが、残念ながら予約は受け付けていない。待ち時間なしでスムーズに入店したいのであれば、6時頃には来店したいところだ。各品がボリュームいっぱいなので、できるだけ多くの方と連れ合って訪れ、美味しい料理と楽しい時間を皆でシェアしてほしい。

ソムリエK隊長のワイン談義

Ziegler & Kraus, Sauvignon Blanc 2008, Orange, NSW $17

軽やかな味わいのソーヴィニョン。08年物にしては実にやわらかです。寒冷な気候のオレンジ産だけあって、滑らかなのも特徴ですね。
Three Bells, Cabernet Merlot 2007, South East Australia, $14
Argentina, $40
ミドルボディで飲みやすく、かといって軽すぎることはありません。SAとVICの混ざり物だと思いますが、地域を越えた非常にバランスの良いワインです。
Firestick, Shiraz 2006, Hunter Valley & Mclaren Vale, $13
シラーズにしては軽い印象があるので、女性の方もきつく感じることなく楽しめるはずです。自然な甘みを感じさせる品です。
 
北方拉麺館 (Chinese Noodle Restaurant )
Shop 7, 8 Quay St, Sydney (Chinatown)
Tel: 02 9281 9051
OPEN Mon-Sat 10am-9:30pm
Sun 10am-9pm
BYO: $1 per person
 

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