幻の麺“ミーカレット”に出会う Pinangsia Noodle House Indonesian Restaurant | Cheap Eats Great Taste
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  • 学生の町、キングスフォード。NSW大学のすぐ近く、アジア系の手頃な値段のレストランがのれんを並べるアンザックパレード沿いで、ひときわリーズナブルな金額で料理を提供しているお店がある。一番高いもので11ドルと、破格の値段設定で、テーブルに並ぶ品々はどれも本格派のインドネシアン料理。さらにもうひとつ、そのお店ではインドネシア・ペナンシア発祥の幻の麺〝ミーカレット〟が食べられるらしい。そんな噂を聞きつけ、麺食い代表、我らが山口隊長率いる食いしん坊たべ歩き隊が早速調査に向うこととなった。果たしてその真意はいかに。
    キングスフォードのアンザックパレード沿いは、夕方になるにしたがって辺りからはいい匂いが漂い、まるで東南アジアへやって来たかのような、賑やかな通りへと変貌を遂げる。道路で遊ぶ子供、ちょっと酔っ払ったおじちゃんたちや学生、ヘンテコな日本語の食料品店、野良犬(笑)。目を閉じれば4人くらい乗った原付バイクが道路を走っているような、どこか田舎の商店街を思わせるほど、懐かしく温かみのある光景が垣間見える。そしてそのイメージを裏切ることなく、昔から値段を上げない大衆向けのレストランがちらほらと残っているのだ。『Pinangsia Noodle House(ペナンシア・ヌードル・ハウス)』は、そんなありがたい大衆レストランのひとつ。いや、客層から見れば学食という言葉がよりしっくりとくるだろう。

    Fried Meat Ball($1.50 ひとつ)

    まず初めに登場したFried Meat Ball($1.50 ひとつ)。早速インドネシアン・マジックで隊員たちをお出迎え。“ミート”と書いてあるが、その風味はどれだけお鼻のお穴を広げて嗅いでも魚の香りに酷似する。サクサクした表面を破ると…やっぱり魚の風味が強く、油の風味とのコンビネーションがインドネシアっぽさを演出する。食感はと言えば…うんうん、魚の練りもの…って普通にフィッシュボールやんけ! と突っ込みを入れた隊員たちであったが、実は日本ではあまり発想しない魚と肉のコンビネーションの練りものとのことだった。揚げもの料理であるものの、なぜか決して重たくない。ビールにとってもよく合う〝とりあえず〟で頼みたくなるような一品だ。

     

    Sate Ayam (3本:$5.50/5本:$9)

    お次に登場したのはSate Ayam (3本:$5.50/5本:$9)。〝サテ〟は串焼きで〝アヤム〟が鶏肉。食通の読者ならこのくらいはそろそろ常識になってきた頃だろう。香ばしく焼き上げられた柔らかい鶏肉に、インドネシア特有の甘くこってり濃厚なピーナッツソースがかかっており、その甘さと、ジューシーさを内側にぎゅっと閉じ込めた鶏肉との相性が抜群によい。降りかけられたフライドオニオンのクリスピーな食感が一段と食欲をそそる。お好みでレモンをよく絞って食べてみてほしい。こっそり下に敷き詰められたロントン(もち米)は、葉っぱにくるむ、ちまきのような食べ物で、日本同様にインドネシアでもお祝い事の際に登場するらしい。そのままでは味がしないので、こちらもピーナッツソースとともに頂こう。

    Nasi Goreng Kombinasi ($8.50)

    インドネシア特有のほんのり甘い醤油、ケチャップマニスのまろやかな風味漂うNasi Goreng Kombinasi ($8.50)。BBQポーク、ミートボール、フィッシュボールなどがふんだんに入っているコンビネーション・ナシゴレンには、サルバンソース、ニンニクやチリの風味がほどよく効き、お約束の半熟卵もちゃんと乗っている。どこにでもあるナシゴレンだからこそ、他店と味の比較をされやすく、シビアに味を要求されるのだが、当店のナシゴレンは、現地のワルン(露店)で食べる庶民派のそれに程近い味わいで文句のつけようがない、米好きには鉄板のメニュー。備え付けのトマトときゅうりは口をリフレッシュする役割がある、と勝手に解釈をしている我らが食べ歩き隊。

    Bakmi Ayam“Pinangsia” Mie Karet($7.50)

    シグニチャーディッシュ、Bakmi Ayam“Pinangsia” Mie Karet($7.50)がいよいよテーブルに運ばれた。冒頭でも触れた通り、バリ島はジャカルタの近くの町、ペナンシア発祥の有名な麺、MIE KARET(ミーカレット)がついに目の前に登場した。フクロダケ、ねぎ、もやし、鶏肉とともに盛り付けられ、備え付けのスープにつけて食べるといった釜あげスタイルで、麺の食感を楽しむ一品となっている。ペナンシア出身のシェフが丹精に手打ちした麺の印象は、腰のあるエッグヌードルに近い味わいと食感と喉越しで、実に歯ごたえがよく、スープなしでも十分にその美味しさが楽しめる。そしてあっさりと澄んだ鶏がらスープと絡めると、また一段と旨味を増す。日本人であれば是非冷やし中華でも試してみたい。ここでドクターMが口を開く。「細胞膜をしっかり壊してやらないとこの腰が出ないんですよ。つまり、グルテンやでんぷんの成分が外に出てはじめて粘りがでるわけです。だから製麺する時には、細胞膜を壊すためにばんばん叩くわけです。それと温度調節も重要。グルテンが一番発揮する温度というのがあって、一定に保っておかないとこの食感は生まれません。しかし中国の元で産声をあげた麺が、いつの日かインドネシアにたどり着き、エッグヌードルとなって美味しく進化を遂げた。これはロマンがありますよ」。たった$7.50の料理の中に壮大な歴史と確かな旨さを感じられる。正直言ってこの値段でこのクオリティ、満足度はあり得ません。

    Gado-Gado($8.00)

    隊員一同、もうかなりお腹がぽっこり。あとはデザートを待つばかりかとのんびりしている所に、インドネシアからの刺客Gado-Gado($8.00)が現れる。店員オススメのサラダで、本日どうしても食べてほしかったとのことで、さっそくデザート用に残していた別腹スペースを提供することにした。石臼でゴマやピーナッツ、パームシュガー、ケチャップマニス、香辛料などを擦り、蒸した野菜に絡めて仕上げたインドネシア風サラダ。オーダーが入ってから擂り始めるため、その風味が実に新鮮で香ばしい。〝寄せ集め〟〝ごちゃ混ぜ〟と言った意味があるこの料理の名の通り、さやいんげん、ズッキーニ、トマト、ほうれん草、ブロッコリーなどの、みずみずしい温野菜がふんだんに使用されており、実にヘルシーな仕上がりになっている。野菜の摂取を忘れがちなインドネシア料理には重宝される一品。

    Martabak Bangka($6.00)

    別腹の隣に位置する第2別腹のスペースを埋めるべく、締めくくりに登場したのは、トラディショナルなインドネシアのパンケーキMartabak Bangka($6.00)。ピーナッツ、チョコレートをどら焼きのような皮で包んでいるが、今回はチーズ入りをチョイスしてみた。こってりとしたチーズの塩分でより甘さが引き立つ。〝バンカ〟とはインドネシアのある島の名で、オーナー両親の故郷。お父さんのレシピを忠実に再現したインドネシアのどら焼きはどこか懐かしく、女性隊員にも好評だった。

    味と値段、そしてお客様への感謝の気持ちで勝負している当店には、必要以上のへつらいは無縁。それゆえに内装にはお金をかけておらず、接客も実に家庭的。そのお陰からか余計に旨さ、安さの長所が引き立って感じられた。きっと読者の中にもシドニー界隈のレストランの高級志向に飽き飽きしている方も少なくはないのであろう。いつ行っても暖かく迎えてくれる、身も心もお財布もリラックスできて楽しめるPinangsia Noodle Houseを、読者の方にも是非一度訪れてみて欲しい。

     

    ソムリエK隊長のワイン談義

    W! wine Chardonnay Veneto ($13.99) Italia
    非常にスタイリッシュなワインボトルが目を引くイタリア産のシャルドネ。食前酒に適していて、とてもフルーティで飲みやすく、女性向けです。
    Rolling Shiraz 2008 ($17.99) Central Ranges
    実に色鮮やかなライトシラーズは飲み口がとってもまろやか。甘めのサテとも相性が良いでしょう。
    Jamiesons Run Cabernet Shiraz Merlot 2009 Limestone Coast ($9.99)
    SAのライムストーンコーストはクナワラの南で、美味しい赤を生み続けている。今回のスムースなブレンド物は、懐にも優しいコストパフォーマンスがとても良いですね。 非常にスタイリッシュなワインボトルが目を引くイタリア産のシャルドネ。食前酒に適していて、とてもフルーティで飲みやすく、女性向けです。
     
    Pinangsia Noodle House
    319 Anzac Parade Kingsford
    TEL:9697 0788
    営業日時:水、金、土、日
    アクセス:エリザベスストリートのバス乗り場から、393等マルーブラ方面のバスに乗車
     

     

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