自家製パスタの旨みを堪能できる Porcorosso | Cheap Eats Great Taste

 

セントラルステーションからひと駅のグリーンスクエアは、レンガ造りの倉庫が立ち並ぶ静かな工場地帯。ここに地元だけでなく日本人にも評判のイタリアンレストランがある。ローカルのリピーターも多いパスタやピザが、日本人受けする秘密を探りに、食べ歩き隊が集った。


「Porcorosso」は、日本人シェフとイタリア出身のシェフ4人で立ち上げたイタリアンカフェ。本場イタリア人と日本人とのコラボレーションが奏でる繊細な味付けが、日本人の間でも知る人ぞ知る人気店となっているのは冒頭で述べたが、実は、チアーズ編集部の御用達でもある。「ここだけは秘密にしておきたい!」という編集長の願いもむなしく、今回取材の対象となった。店内には、お店の名前の由来、ジブリの『紅の豚』のセル画やオブジェが飾られていて、かしこまらないフレンドリーな雰囲気を演出。パスタには目がない我らがヤマグチ隊長とともに、「日本人好みのイタリアン」を食する喜びで、隊員たちのテンションは徐々に上がっていく。

 

早速登場した一品目は、H隊員お気に入りの『Spaghetti with Mentaiko(L $17 /D $21)』シドニーではなかなかお目にかかれない、イタリア人が本気で作る明太子パスタに隊員の視線が釘づけだ。皿を覆うほど振りかけれた海苔とともに自家製パスタを口に入れると、感嘆のため息が漏れるアルデンテの食感。ここシドニーではアルデンテを食べられる所は少ないということもあり、食感を確かめながらありがたく噛みしめる。プチプチ明太子のほんのり辛い味わいを残しつつ、それを中和するクリームのバランスの良さに驚嘆。さらに、シソと海苔のアクセントによって、噛めば噛むほど旨みが広がる。「シソの新鮮さと自家製パスタ、クリーム、すべてのバランスが完璧」とE隊員。早くも一品目のオススメが決まる。

 

一品目のレベルの高さに驚くのもつかの間、『Pizza with Prosciutto(L $20/D $22)』が登場。トマトベースにモツァレラチーズとチェリートマト、ロケットというシンプルな素材に、プロシュート(生ハム)がふんだんに乗ったピザ。「プロシュートを薄く切る技術と、塩加減が素晴らしい」と、隊長がプロシュートの本場パルマ仕込みの経験を熱く語る。生ハムは塩気が強いというイメージを持つ人もいるが、当店の生ハムは透き通るほど超薄切りの技術によって、塩気もふわっと軽やか。生ハム元来が持つ芳酵な香りを味わうことができる。「甘いチェリートマトを乗せることで、トマトペーストが最小限で済んでいる」というE隊員に、「そう、だからしっかりとした自家製の生地が味わえて、その上の具材が生きる」と同調したS隊員。クリスピーでありながら、もちもちしていてピザ生地の常識を打ち破るような質に、躊躇なくオススメに選出。

 

※値段表記: ランチ/ディナー


次に、『Carpaccio with Pickled Ginger and Soy-wasabi Dressing(L $16/D $18)』が登場。ガリが添えられ、わさび醤油で味付けしたサーモンは、カルパッチョというより「創作刺身」と言いたいほど。ナースMが、ショウガは乗り物酔いや吐き気止めにいいというプチ知識を教授すると、E隊員は、市販のいりごまを再度軽く炒ることで旨味が引き出されるという知識も披露。ガリを使うことで、ビネガーが抑えられ、酸味が控えめな味付になっていて、酢が苦手な人にも食べやすい。

『Caprese with Fresh Buffalo( L $22/D $24)』は、その名の通りバッファローチーズが添えられたカプレーゼ。貴重なチーズの白さにトマトの赤、そしてバジルとエキストラバージンオイルのグリーンが、イタリア国旗のようで視覚的に楽しめる一品だ。H隊員が「酸味も塩味も強くなくて、かぶりつきたい」と言うくらいの塩加減のよさを指摘する。トマトやチーズの甘みとバジルとの愛称がいい。バッファローチーズが輸入できない時もあるというから、来店時にまず確認してみてほしい。


※値段表記: ランチ/ディナー

「ホワイトピザって何だろうね」と言いながら注文した『White Pizza with Fresh Sausage( L $21/D $23)』は、ホワイトイトソースとチーズの風味の中にキノコの旨みが溶け込み、イタリア産のソーセージがふんだんに乗ったピザ。腸詰されていないソーセージなため、粗挽きの挽肉の食感を味わえ、またほんのりと香るハーブが味に奥行きを出し、全体的にマイルドな味の仕上がりになっている。J隊員が「濃い味付けが好きなオージーの客が多いレストランで、これだけ薄味のピザを提供できるのは驚き」と、繊細なピザの希少価値を再認識させてくれた。「トマトを乗せてしまうことによって、ピザの生地の旨みが活きないことがよくあるが、このピザでは、チーズと生地がマッチしている」とヤマグチ隊長も驚きを隠せず大絶賛し、本日3つ目のオススメが決まった。


麺好きの隊長が「もう一品いけるかな?」と空気をうかがいつつ、最後に選んだパスタは、フェトチーネよりも幅狭の平打ちパスタを使用した『Tagliatelle with Porcini(L $17/D $22)』。登場とともに隊員の嗅覚を刺激したのは、しいたけやえのき、ポルチーニに加え、トリュフソースがしみ込んだクリームの濃厚な香り。テーブル全体に広がる食欲を刺激する香りをかぐだけでも幸せなのだが、ひと口食べたらその贅沢な味に言葉が出ずテーブルはしばし無言。R隊員が「メニューにはないエノキのキュッキュという独特の食感とポルチーニの香りがいい」と口火を切る。なるほど、数種類のきのこを食べて育った日本人には、きのこのダシが効いたソースは馴染み深いのかもしれない。「パスタのアルデンテの上を行くキノコのアルデンテとも言える食感が、タリアテッレやクリームと絡み合って完璧!」と、ヤマグチ隊長の言葉にみんなが納得し、本日のイチオシが決定した。

最後に、イタリアンデザートと言えば、お決まりの『Tiramisu($12)』をオーダー。メインディッシュのように気前よく盛られている。マスカルポーネが香り、一緒に乗っているビスケットとの相性も抜群。量が多いのでひとりで食べるのには重いけれど、みんなでシェアするならば、$12でこの質と量はリーズナブルだ。


※値段表記: ランチ/ディナー


隊長いわく、レベルの高い麺を提供するのは、日本人かイタリア人のお店。この2つの国籍のシェフが創り出す味は、ここシドニーでは実に貴重である。日中はカフェとして、金曜、土曜はディナーも楽しめる『Porcoroso』。ぜひ当店のシンプルでいて飽きさせない深みのある味を追求した自家製パスタ、ピザを試してみてほしい。豪快なイメージがあるイタリアンフードに対するイメージを変えてくれること請け合いだ。


 

 


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