オリジナルメニューに誇りを持つ香港料理 OLD TOWN HONG KONG CUISINE | Cheap Eats Great Taste

 

中華料理店や中国雑貨店がひしめきあう、チャイナタウンのメイン通り、ディクソンストリート。今回はゴールバン・ストリートを挟んで反対側に伸びる、通称“裏ディクソンストリート”に昨年オープンした香港料理店に迫る。たった半年で、2階席まで満席になるほどの人気を誇るようになったお店の秘密を、我らが食べ歩き隊がいざ検証!


都会的!の一言につきる店内は、原色を好む伝統的な中華料理店とは真逆で、2階まで吹き抜けになった空間に明るい照明があふれ、壁の獅子の口から流れ落ちる水や、レンガ造りの壁など、すべてにおいてセンスが光る。O隊員の「風水を使っているんじゃない?」という鋭い指摘通り、インテリアは風水学者数人の鑑定によって、緻密な計算によって配置されているとのこと。では、人気は風水から来るものだろうか?と、話題が盛り上がるかと思いきや、我らが食べ歩き隊たちはメニューに釘づけだ!

 

一品目は、M隊員とR隊員お勧めの『Peking Duck with Bun』($8.00)。北京ダックと言えば、薄皮に巻いて食べるものを想像するが、こちらはその名の通り、常識を覆す分厚い“バン”に包まれて登場。白くてふわふわしたバンの存在感に包まれたダックはこのお店のオリジナル商品だそうで、ザワザワと驚きを隠せない一同。A隊員は「バンがモチモチで美味しい!」とまずバンを評価するが、それに対して「バンの味が強すぎて、ダックの味がしないからもったいない」と応戦するのはK隊員。一方で、「皮がクリスピーに焼けていて、脂肪が少ないから食べられる!」とその焼き加減を絶賛するのは、普段は北京ダックが苦手とするY隊員。結局は、バンの厚さを良しとするのか、ダックが負けてしまって残念とするのかで賛否が分かれたが、オリジナリティを評価してオススメに決定。

 

続いて登場したのが、期待の『Pan Fried Tofu, Egg Plant and Capsium Stuffed with Fish Mince』($7.80)。揚げたナスとピーマンに、揚げたすり身魚が添えられている、シンプルなディッシュだけに、レストランの力量が分かる料理。香港のレストランではどこでも置いてある人気の料理だという。豆鼓を使った辛めのソースの中に、K隊員いわく「ゆずの味がする」との発見に、隊員たちは次々に、ほんのりと香るゆずの味わいを楽しみ始める。それぞれの甘みが引き出された野菜を、さつま揚げに似たすり身魚がボリュームを出し、濃い目のソースがアクセントを加えている。あまりに濃厚な味付けに、M隊員が「揚げもちがほしい」と言い出すと、男性陣が「いやいや、ご飯でしょう」と性別による舌戦が繰り広げられ、続けてオススメに決定。

 

 

人気商品、羽根つき餃子『Pan Fried Pork Dumplings in Bird Nest』($14.80)が登場すると、見た目の華やかさに思わず歓声が沸いた。英語訳の通り、並んでいる餃子の上に細かい鳥の巣のような羽根がついていて美しく、視覚で楽しめる一品。日本でも「羽根」のパリパリ感が重宝されているが、香港でもその食感は人気だ。皮の中の餡は、脂ののった豚肉がぎっしりで、ツルッととろけるように食べられてしまう。H隊員が言うように「生姜が効いていて、ソースをつけなくても美味しい」。R隊員が「パリパリがレース模様のようで、餃子の形もかわいい」と言うと、O隊員が「砂のお星さまみたい」という独特の表現で一同を煙に巻く。


一口サイズで、ひとつずつ食べた隊員たちに漂う物足りなさを補うべくして現れたのが野菜入りの餃子、『Old Town Pan Fried Pork and Vegetable Dumplings』($7.80)。こちらは棒餃子で、大きさも羽根つき餃子の2倍とボリューミー。薄皮のパリパリ感とモチモチ感のバランスが絶妙だ。この餃子にはニラが入っていて、日本のそれに近いが、ニラと豚肉の配分のうまさは本場の餃子大国の余裕を思わせる。食べた瞬間に、小籠包さながら肉汁が口にあふれるのも、羽根つき餃子とは違う味わいで面白い。




炙り焼きされた豚肉というシンプルな一品にも関わらず、隊員たちを驚かせた『Roasted Pork』($20.80)。主役の豚肉はジューシーで柔らかく、わさびを水でのばしただけの素朴なわさびソースをつけていただく。「わさびと食べると脂身が消える!」とH隊員が言うように、豚肉の脂っぽさが感じられない。いったん下茹でして、脂肪分をできるだけ取り除いた豚バラを炙ることで、外側は芳ばしく、内側には旨味が閉じ込められている。K隊員は「豚の臭みもなく、皮の厚みもほどよい」と指摘。また、ローストされた芳ばしい茶豆が添えられているが、こちらはハチミツと醤油に長年つけられた伝統的な食べ物で、提供するまでに時間がかかる漬物だという。それゆえ、手間ヒマかけて作るお店はまずないが、「ここはOLD TOWNだから提供できるのよ〜」と鼻高々に答えるマネージャー。「未知との遭遇!」「中国は何ヵ所か訪問したけれど、この食感も風味も初めて!」と隊長を言わしめたこの料理が3番目のオススメ入りになった。


気づけば6品目に突入。『Sautéed Green Beans with Minced Pork』($14.80)は、インゲンに挽肉がまぶされた中華の定番。美味しさの秘訣は、インゲンが一度素揚げしてから炒められているからで、サクサクした食感が楽しい。「油っぽくなくて上品な味」という隊長に対し、舌が肥えているM隊員は、単に薄味というのではなく、「干しエビの香りが効いていて、魚介の味も楽しめる」と、隠し味を見つける技術はさすが。ボリューム満点で、美味しくいただけるが、他店のそれとはあまり変わらず、独自の味が感じられないのが残念であった。

 

『Spicy Grandma’s Bean Curd with Pork Minced Rice』($20.80)は、いわゆる麻婆豆腐。横にごはんが添えられたプレゼンテーションに、この店のこだわりが見える。また、ご飯と豆腐という柔らかい食感とは真逆のピーナッツがアクセントを与え、面白い。隊長は「心臓をドキドキ、鼻水ダラダラ、汗を流しながら、体をしびれさせて食べた」と、北京での麻婆豆腐の記憶を語るが、こちらは山椒が強くなく、八角、豆板醤、ショウガ、ネギなどパンチの効いた薬味も少なく、本場のものよりはかなり淡泊とした味つけになっている。

 



本日最後の『Stir Fried Egg White with Fish Fillet』($12.80)は、溶き卵でふんわりとからめられた、小さくそぎ切りされた白魚を、さらに生卵でいただくという、新感覚の料理。身がしっかりと締まった白身魚は、とろとろ卵と愛称抜群。運よくM隊員のお皿に盛られたように、ダシにはホタテの貝柱が使用され、まるで和を思わされる繊細な味が印象的。ダシの味だけじゃ物足りないという人は、付け合わせの酢醤油で調節していただこう。とても淡白なこの一品は、思わずご飯とお味噌汁をオーダーしたくなる、まさに日本人向けの味。わいわいガヤガヤとしていた隊員一同をほっと落ち着かせてくれた、上品な味は、本日のイチオシに決定!

 

 


 

 


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