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Japanese Film Festival


話題の日本映画をシドニーで上映 Japan Film Festival 2017

29/11/2017


 

 

岸善幸監督

 

ショートインタビュー

 

 

ドラマ
二重生活
出演者:門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー、河井青葉
監督:岸善幸
Sydney 11月17日(金) 6:30pm - 9:25pm
Sydney 11月20日(月) 6:15pm - 8:30pm 舞台挨拶あり(11月17日のみ)
Under 15s must be accompanied by an adult

 

 

ストーリー

 

大学院で哲学を学ぶ平凡な学生、白石珠(門脇麦)。同棲しているゲームデザイナーの恋人、鈴木卓也(菅田将暉)との日々は、穏やかなものだった。ところがそんな毎日は、担当教授から修士論文の題材に、〝哲学的尾行〟の実践を持ち掛けられたことで一変する。それは無作為に選んだ対象を追ういわば〝理由なき尾行〟。半信半疑ではじめた、隣人、石坂史郎(長谷川博己)への尾行だったが、彼の秘密が明らかになっていくにつれ、珠は異常なほどの胸の高鳴りを感じ、やがてその禁断の行為にのめり込んでいく。

 

 

岸監督はドキュメンタリーやドラマの制作をされている印象が強いですが、映画を撮ってみて苦労した点、面白かった点はありますか?

 

テレビ番組は納品して放送されれば、流れていくという感覚。一方、映画は完成したあとも、公開まで宣伝(取材)などの仕事が続き、終わりを実感できません。また、観客の反応もテレビよりもかなりビビッドで、面白いところでもあり怖いところでもあります。流れるというより、自分の中にも、観客の中にもとどまるものという感覚です。

 

直木賞作家・小池真理子の同名小説『二重生活』の映画化をするにあたり、心がけたことはありますか?

 

原作者である小池真理子さんとは、映画化にあたって何度かお話をさせていただきました。彼女がこの作品に込めた「現代人の孤独」の表現にはかなりこだわりました。孤独はひとりのときだけに感じるものではなく、人と一緒にいても感じるもの。キャストにもそのことを意識しての表現をお願いしました。

 

岸監督の作品は絵コンテを描いて撮っていくようなやり方をしないと伺いましたが、その意図をお聞かせください。

 

絵コンテを描いて撮らないということではなく、割(カメラ割り)で撮らないということです。割の場合には、芝居を中断する可能性があるので、基本的にはどのテイクもシーンの頭から終わりまで芝居を続けてもらいます。現場ではシーンの説明と段取りを簡単に済ませ、極力テストを排して本番に入ります。芝居が慣れてくるのが嫌なので、新鮮な緊張感の中で役者には演じてもらいたいと思っています。

 

 

門脇麦さんはこの作品が単独初主演とのことでしたが、彼女の印象をお聞かせください。

 

脚本の読解力、表現の豊かさ、どれも実力派と言っていいでしょう。何よりもぶれない演技に力を感じます。

 

彼女をキャスティングした意図をお聞かせください。

 

演じた主人公は大学院生。年齢的には成人ですが、過去のトラウマを抱えて、他人とうまくコミュニケーションが取れません。ある意味、大人なのか少女なのかわからない精神性を抱えています。それは演じるうえでとても難しい役なわけで、過去作品を観て門脇麦さんしかいないと思いました。

 

菅田将暉さんは、映画やドラマに置いてひっぱりだこですが彼の印象をおきかせください。

 

菅田将暉くんとは『二重生活』の後も『あゝ、荒野』という作品(現在日本で公開中)の主演もお願いしました。2本の作品を通じて感じるのは、とにかく芝居が好きな人なんだということです。芝居への上昇志向が半端ない。私は今回の作品が映画初監督ですが、巨匠や名匠の作品だけでなく、新人監督や漫画原作の作品にも出演しています。常に俳優としての可能性を模索していることの表れではないかと思います。

 

『二重生活』の特にどのような部分に着目してほしいですか?

 

尾行から見えてくるもの、主人公は他人の後を追いかけることで自分を顧みます。

 

『二重生活』の映画を通して、伝えたいメッセージはどのようなことでしょうか?

 

映画の主人公は意図はなかったのに他人を尾行しました。結果、より尾行の相手のことを理解するために想像し、相手だけでなく自身の孤独を知ることになります。普段私たちは尾行などしないわけですが、他人の痛みや孤独を知るうえで想像することはできるはずです。現代人が孤独になっている、あるいは孤独を感じている原因のひとつが想像力の欠如ではないかと思っています。そのことを感じてもらえればいいなあと思います。

 

シドニーで『二重生活』の上映を待ち望んでいる日本人にメッセージをお願いいたします。

 

私たちの『二重生活』は、日本ではまだまだインディーズ映画だと思うのですが、今回シドニーでメジャー作品と並んで公開されることに喜びを感じています。ぜひ楽しんでください。

 

 

プロフィール
岸 善幸監督 / 1986年、テレビマンユニオンに参加以降、数々のドキュメンタリー番組を手がける。演出の他プロデュースでも、多くの優れた映像作品を生み出す。綿密な取材に基づいた構成、演出には定評があり、各局から指名を受ける数少ないディレクターである。NHK「少女たちの日記帳 ヒロシマ 昭和20年4月6日~8月6日」は放送後に多くの反響を呼び、サンダンス映画祭ではノミネートこそ逃すものの国内外の選考委員に高く評価された。2012年元旦から放送されたNHK大型ドキュメンタリードラマ「開拓者たち」(全4話)や東日本大震災被災地でロケを敢行した「ラジオ」など、ドキュメンタリーで培った独自の演出方法は、俳優陣からも絶大な信頼を得ている。


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