ユネスコ世界遺産 ブルーマウンテンズで歴史探訪 | ほのぼの・ドタバタ ! シドニーレポート

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ユネスコ世界遺産

 

ブルーマウンテンズで歴史探訪

 

 

グレーター・ブルー・マウンテンズ・エリアは、ユネスコ世界遺産に登録されたシドニーを代表とする観光地のひとつ。シドニー市内から車で約2時間、電車でもカトゥンバ駅まで乗り継ぎなしで行くことができるため、手軽な観光名所として日々多くの人々が訪れる。気温が上がると生い茂るユーカリに含まれる油分が蒸気することで山全体が青みがかる現象から、ブルーマウンテンズと命名されたことは有名。この地に根付くアボリジニ神話や開拓時代の伝説に触れながら探訪してみると、ひと味違ったブルーマウンテンズが楽しめる。

 

 

 

雄大なジャミソン渓谷を見守る

 

スリー・シスターズ


 

世界遺産グレーター・ブルー・マウンテンズ・エリアのランドマークのひとつ「スリー・シスターズ」には、国内外から毎年100万人が訪れる。ブルーマウンテンズの中心地、カトゥンバにあるエコーポイントから眺めるその雄大な奇岩は、何千年もの時を経て形成され、それぞれ900メートル級の高さを誇っている。エコーポイントのインフォメーションセンター脇からスリー・シスターズへ向かう山道を10分ほど進むと、スリーシスターズのひとつにかかる架け橋にたどり着き、奇岩に渡ることも可能だが、道中にはジャイアント・ステアウェイと呼ばれる急勾配の階段が続くため注意が必要だ。
スリー・シスターズの伝説にはある部族の3姉妹と別部族の3兄弟とが恋に落ちる話や、3姉妹が魔物に追われる話など諸説あるが、今回は通説をひとつ紹介したい

 

スリー・シスターズの伝説

 

昔々、ブルーマウンテンズのジャミソン・バレーに住むカトゥンバ族に、「メヒニ」、「ウィンラ」「グネドゥ」と呼ばれる美しい3姉妹と「ティアワン」という魔術師の父が住んでいた。その村の外れにある深い洞窟には、村人から恐れられている魔物「バニップ」が住んでおり、その洞窟の前を通ることはとても危険とされていた。しかし、ティアワンは時折、食料を得るためにその洞窟のそばを通って出かけなければならなかった。そのため、ときどき三姉妹を断崖に隠して出かけていた。ある日、ティアワンはいつもの通り3姉妹を断崖に隠し、手を振って崖を降りていくと、突然3姉妹がいる崖の頂上に大きなムカデが現れた。慌ててメヒニが大きな石を投げると、その石は崖から転がり落ち、谷底深くで激しく砕けた。それに怒ったバニップが3姉妹を守っていた断崖を真っ二つに割り、切り立った崖の上で動けない3姉妹の前に現れた。ティアワンは3姉妹を守るために魔法を使って3姉妹を石の中に隠した。バニップは怒ってティアワンを追いかけた。ティアワンは慌てて、自らをコトドリに変身させて難を逃れたが、このとき魔法の杖を落としてしまった。こうして3姉妹と父は無事にバニップから逃れることができたが、それ以来、コトドリに姿を変えた父ティアワンが魔法の杖を探しに谷を彷徨い、3姉妹はただ静かにそれを見守り続けているという。
スリーシスターズに訪れたさいは、ぜひ注意深く耳を傾けてみてほしい。魔法の杖を探しているティアワンが変身したコトドリのさえずりが聞こえてくるかもしれない。

 

 

 

ライムストーンの結晶がおりなす神秘

 

ジェノラン・ケーブ


 

専門ガイドによるツアーが忘れられない体験をさせてくれる「ジュノラン・ケーブ」。約3億4000万年以上前に誕生したとされ、300以上の鍾乳洞から形成されている世界最古の巨大な洞窟群だ。現在でも毎年新しい鍾乳洞が発見され、全体数を更新し続けている。ジェノラン・ケーブス・カルスト保護区は、世界初の保護区域。とてつもない年月をかけて形成されるライムストーンの結晶が作り出す、自然の神秘を今に伝えながら、日々多くの観光客を魅了し続けている。



白人が初めてブルーマウンテンズに足を踏み入れたのは1813年。その後1830年代に、囚人であったマッケウォンが潜むとされていた深い谷底に、彼を捉えに行ったジェームス・ワレンとチャールズ・ワレンが、マッケウォンとジュノラン・ケーブの玄関口であるグランドアーチを発見した、という言い伝えがある。



「ジェノラン」とは先住民アボリジニの言葉で「高い山」の意。この地域の先住民アボリジニであるグンドゥングラ族は、昔からこの地に「ビノームア(暗い場所)」と呼ばれる地下世界があることを知っており、遠方から病気の人々をケーブ内に運び入れ、治癒力があるとされていた地下水に入浴させていた。アボリジニ文化にとっても神聖な場所なのである。



現在、鍾乳洞内には世界初の照明システムが導入されているため、子供から高齢者まで年齢や健康状態に合わせて幅広く鍾乳洞を体験できる。子供でも楽しめるエントリー・コースやランタンを持って参加するゴーストナイトツアーなどの『ショーケーブ』11種、ヘッドランプをつけて挑むスリル満点の『アドベンチャーコース』3種、ハンドセットからのアナウンスのみでひとりで進んでいく『エキスパートコース』まで幅広い。また、スクールホリデー中には7歳から12歳までを対象としたツアーもある。そして、ジェノランケーブの周りには6コースのブッシュウォークが楽しめるトラックがあり、カモノハシやウォンバットなど野生の動物と遭遇したり、鍾乳石が溶け込んだ美しいブルーレイクでピクニックが楽しめる。
ハリーポッターの世界観を思わせる、ジュノラン・ビレッジ内には数ヵ所宿泊施設もあるので、ゆっくり楽しみたい方は事前予約して一泊することをお勧めする。

 

 

 

 

絶景のなかで目覚める、現実からのエスケープ

 

ザ・ハイドロ・マジェスティック・ホテル


 

Great Western Hwy., Medlow Bath
(02) 4782 6885
www.hydromajestic.com.au

 

/>ブルーマウンテンズのメドロウ・バス駅の目前に100年もの間、人々の社交場として繁栄してきた歴史の深いホテル「ザ・ハイドロ・マジェスティック・ホテル」がある。全長1キロを誇る同ホテルは、ローマの神殿を彷彿とさせるドーム型の天井やステンドグラス、壁面の彫刻、重厚なシャンデリアなど、古き良さを残しつつ、ベッドや家具などには最新の設備を兼ね揃えた、アールデコ調のヘリテージビルディングだ。時代を超えて、ブルーマウンテンに訪れる行楽客や地元住民に人気の宿泊施設となっている。ゲストルームやレストランからは、ブルーマウンテンズの壮大なパノラマビューが一望でき、その景色を眺めながらゆっくり楽しむハイティや、カクテルバーで過ごす時間は至福のひととき。また、隣接されたハイド・ロマジェスティック・ブティックでは、極上のデイスパが楽しめる。

 



20世紀初頭、バサーストの採金地で金が採掘できず、シドニーに戻るお金もなく、ブルーマウンテンズで途方に暮れている中国人労働者を、同ホテルの創設者のマーク・フォイが雇い救っていたという逸話がある。そのフォイの思いを今に受け継ぐように、同ホテルでは伝統的なアジア文化の発展やオーストラリア文化との調和を祝福することを目的とした初の試み、「Moon Festival」を開催した。会場を照らす提灯のもと、地元の農産物やヌードル、デザート、ムーンケーキなどの屋台が並び、迫力満点のドラゴンダンスや太鼓の演奏がブルーマウンテンズに鳴り響いた。また、10月の3日、4日の週末にもドイツのクラフトビールや本格ソーセージを楽しむイベント「Oktoberfest」が開催予定だ。
ジュノランケーブやスリーシスターズなどアクティビティの中心地に位置し、メドロウ・バス駅目の前でアクセスも良い同ホテルで、イベントを楽しみつつ、ブルーマウンテンズの雄大なサンライズを堪能してみてはいかがだろうか。

 

 

左:ウェディングの会場やファンクションルームとしても利用できる。
中:ブルーマウンテンズに初登場したドラゴンダンスに興奮する子供たち。
右:ブルーマウンテンズの雄大な夕焼けに光る提灯は幻想的。

 

 


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