Corn | 食物の恵み

Cornの恵み

食糧や家畜の飼料をはじめ、合成繊維やプラスチックの原料、バイオエタノールの原料など、様々な分野で利用・活躍しているトウモロコシ。その起源はメキシコなどの中南米付近と推測され、マヤ、アステカ、インカといった古代文明の主食として生活を支え、発展へと導いたとされています。今月は小麦と米に並ぶ世界3大穀物のひとつとされる、トウモロコシの恵みをお届けします。

CHEERS 2008年09月号掲載

Corn

おいしいトウモロコシの見分け方
外皮がみずみずしい緑色で、ヒゲが豊かで茶色のもの
粒がそろっていて、指で押すと少しへこむくらいの弾力性があるもの

トウモロコシと一言でいってもその品種は数多く、一般的に私達が食べているのは、スイートコーンの一種です。主な栄養素はでんぷん(炭水化物)であるため、世界各国で主食として食べられています。高エネルギーであるのに加え、糖質をエネルギーに変えるときに必要なビタミンB1にも富んでいるため、夏バテや疲労対策、栄養不足の方やスポーツマンなどには特にお勧めの野菜です。一方、高糖質でもあるので、糖尿病の方は注意して摂取することを心がけてください。

高エネルギーと聞き、食べることを一瞬ためらってしまう方もいるかもしれませんが、胚芽の部分には脂質やビタミン、ミネラルがバランス良く含まれた、実は栄養豊かな野菜でもあります。特に必須脂肪酸であり、体内では合成されない、すなわち食べ物から摂取しなければならないリノール酸をたっぷり含んでおり、これらがコレステロールを下げ、高血圧や動脈硬化の予防に役立つことも明らかになっています。

便秘の改善や大腸ガンの予防、美容に効果があることでお馴染みの食物繊維も、セロリの約6倍と豊富に含まれています。しかし表皮はセルロースを多く含んでいるため、消化が悪いと言う面もあります。老人や子供、胃腸の弱い方はなるべく新鮮で柔らかいものを選び、よく噛んで食べることを心がけるとよいでしょう。

普段捨てがちなヒゲの部分も、実は「南蛮毛(なんばんもう)」という生薬名がつくほど、その効能は漢方の世界では注目を浴びています。日干しにしたトウモロコシのヒゲを煎じて飲むことで、利尿作用をはじめ、血液中の脂肪を減らしたり、急性腎炎や妊娠中のむくみなどに効果があることが分かっています。また民間的には利尿、利胆薬として腎臓疾患や水腫、脚気、肝炎、胆道疾患、黄疸、糖尿病などに用いられるようにもなりました。私たちが食用として摂取しているスイート種、そのヒゲの本数と粒の数が実は比例していることを皆さんはご存じでしょうか? ヒゲ1本1本が粒と繋がっているので、ヒゲがフサフサしている方が粒も多いということになります。

またトウモロコシの芯(粒をとったあとに残るもの)にも隠された効能があります。芯を黒焼きにしたものを粉末にし、適宜に服用すると食中毒に効果があることが立証されています。トウモロコシは無駄にするところがない、まさに恵みの宝箱です。

最後に、トウモロコシは品質の低下がとても早い野菜ですので、生のままでの保存はお勧めできません。すぐに食べないときは、ゆでてからラップして、冷蔵庫または冷凍庫で保存すると、トウモロコシ本来の甘みをキープすることができますよ!?


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