Bean Sprouts | 食物の恵み
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    安価でヘルシーな野菜の代表として、庶民の食卓で重宝されているもやしは、日本のみならず、中国や韓国、東南アジアでも古くから親しまれてきた食材です。季節を問わず栽培できることから1年中入手が可能で、農薬や肥料を使わない清浄野菜であるという点も見逃せません。今月は、低カロリーでありながら栄養素の宝庫と言われるもやしの恵みに迫ってみましょう。

    CHEERS 2009年09月号掲載

    Bean Sprouts

    おいしいもやしの見分け方
    豆が小粒で開いていないもの
    茎が太くて純白、透明感があるもの

    疲労回復や滋養強壮に効くスタミナ食として、中国では5千年前からもやしが栽培されてきました。名前の由来は「萌し、生し」という言葉であることが示しているように、もやしは豆類の種子を水に浸して暗所で発芽させている野菜であり、この行程がもやしに含まれる栄養素の重要な鍵を握っているようです。

    もやしの原料となる豆は、大豆、緑豆のほか、最近では安価で栽培しやすいブラックマッペも使用されています。タンパク質や炭水化物、ビタミンB群、ミネラルなど幅広い栄養素を含んでいる豆ですが、新芽を出してもやしになる段階ではその潜在的な栄養素が加水分解され、カロリー値が減ると同時に、それまでになかった新しい栄養素が合成されるのです。中でもカリウムなどのミネラル類、ビタミンA、Cなどのビタミン類と植物繊維が増える点が特徴で、これらの栄養素により肝機能を正常化させて疲労回復、免疫力を高めてストレス緩和をする働きのほか、動脈硬化や高血圧、ガン、糖尿病の予防、便秘や肥満の改善などの効果を発揮します。

    また、発芽する段階で合成される成分のうち特に注目を浴びているのが、アミノ酸のひとつであるアスパラギン酸と消化酵素であるアミラーゼ。アスパラギン酸はエネルギーの代謝を助け、疲労回復やスタミナ強化の機能があることでスポーツ選手にも浸透している成分で、さらに尿の合成にも関わり、有害なアンモニアを体外に排出してくれる働きもあります。一方、アミラーゼは腸内の善玉コレステロールやビフィズス菌を増やすなど胃腸の機能を整えてくれるので、夏バテ防止や食欲不振の解消に最適です。このように、もやしは種子本来の栄養素に加えて、発芽によって新たな栄養素も増えていく特殊な野菜であり、その総合的な栄養価やパワーは成長した野菜に勝るといってよいでしょう。また、豆の段階に比べて格段に栄養吸収率が高くなる点も、もやしの魅力のひとつです。

    シャキシャキした新鮮な歯ごたえが特徴のもやしですが、鮮度の落ちが非常に早い野菜ですので、できれば当日、遅くとも翌日の間に使い切るのが理想的です。調理の後に残ってしまった場合は、軽く茹でてから水気をよく切り、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すると、より長くもたせることができます。さらに長く保存する方法として、水を入れた密閉容器に浸して冷蔵庫で保管し、毎日水を換えるというやり方もありますが、水に溶けやすいビタミンCが損なわれる点にはご注意ください。また、アスパラギン酸、アミラーゼ、ビタミンCは熱によって失われやすいため、調理の際にはふたをして茹でるなど、短時間の加熱をおすすめします。たくさん食べても安価で低カロリー、そして新芽のフレッシュなパワーを秘めたもやしを、野菜炒めや和え物に、または味噌汁やラーメンの具にと様々な調理法で楽しんでいきましょう。

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