Okra | 食物の恵み
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    アメリカのガンボスープやインドのオクラカレー、ナイジェリアのオクラと鶏のシチューなど、世界各国でそのヌルヌル感が愛されているオクラ。日本へは、幕末ごろに上陸したとされ、食用として普及し始めたのは今から約50年前。今では健康に良い代表的なネバネバ食品として人気ですが、当時はそのネバネバや青臭さのせいで敬遠されていたそうです。今月はオクラ特有の粘りを中心に、小さいながらも栄養がぎっしりと詰まったオクラの恵みをお届けします。

    CHEERS 2008年10月号掲載

    Okra

    おいしいオクラの見分け方
    色が濃く、表面が産毛でびっしり覆われているもの
    角の形がはっきりしていて、小振りなサイズのもの

    和えものや天ぷら、炒め物など、今や日本の食卓に欠かせないオクラ。オクラという名は「お蔵」や「お倉」を連想させ、とても日本的なのですが、実はこれ、れっきとした英名、Okraなのです(ローマ字表記のOkuraではありません)。アメリカやフランスでは「ガンボ」や「グンボ」としても親しまれ、英語圏の国では、女性のスラリとした指先に似ていることから、「レディスフィンガー」とも言われています。ちなみに日本語名はアメリカネリ(黄蜀葵)、またはオカレンコン(陸蓮根)です。

    オクラの特徴と言えば、あのヌルヌル、ネバネバ感。これらはペクチンやガラクタン、アラバンをはじめとする食物繊維、そしてタンパク質と多糖類が結合した成分、ムチンが混ざりあって発生するもので、整腸作用をはじめ、あらゆる効能が明らかにされています。

    水溶性食物繊維のペクチンは腸を整える作用があり、下痢のときにはゼリー状になって腸壁を保護し、便秘のときには水分を含んで便をやわらかくするなどして便の通りを助けてくれます。ペクチンはその他にもコレステロールや血糖値の上昇を抑える働きもあるため、動脈硬化や高血圧、糖尿病の予防にも効果的であることが立証されています。ガラクタンには整腸作用に加え、免疫力の強化や脳細胞を活性化させる働きがあるため、認知症予防や老化防止物質としても注目を集めています。

    山芋や里芋、なめこ、納豆にも含まれる粘り成分、ムチンは、胃の粘膜に付着して表面を保護することから、胃潰瘍や胃炎などの予防や改善に役立つとされています。さらにはタンパク質を無駄なく活用させることから、スタミナの増強にも効果的です。このためオクラをはじめとするネバネバ食品は夏バテや疲労回復に最適なのです。

    納豆を混ぜれば混ぜるほど粘りが増すと同様、オクラの粘りも組織が破壊されると多くなります。そのため生食の際には細かく刻み、また和えものなどのときは30秒ほど加熱して粘りを出すことがお勧めです。

    オクラはその他にもβカロテンやビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄分などの栄養素をバランスよく豊富に含有しています。たくさん食べても100グラムあたり、30キロカロリーと、とても低カロリーであるため、ダイエットにも最適。また食物繊維を多く含むため、よくかまなくてはならなく、満腹感も得やすく、食べ過ぎも防いでくれます。これから夏に向けて、スタミナつけ、そして健康・美容維持のため、是非とも毎日の食卓にあげたい食材ですね。

    余談になりますが、オクラの種子はコーヒー豆に似ていることから、かつてイギリスやフランスではコーヒーの代用品として栽培されたこともあります。特にコーヒーの入手が困難であった戦時中は、オクラコーヒーが珍重されていたそうですが、本物とは程遠い味だったそうです…。

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