Garlic | 食物の恵み
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    香味野菜として世界各地で使用されているニンニク。その歴史は古く、古代エジプトではピラミッド建設に従事した労働者を支えてきた食品として、その詳細がピラミッド内部の壁画に記されています。近年ではそのスタミナ効果に加え、解毒作用や抗酸化作用、癌予防など、様々な効能が注目を集sめています。今月は皆さんの身近にある自然の万能薬、ガーリックに迫ってみましょう。

    CHEERS 2009年03月号掲載

    Garlic

    おいしいニンニクの見分け方
    皮の色が白く、張りがあるもの
    形が丸くまとまっていて、尻がやや凹んでいるもの

    鼻を突き抜けるようなニンニク特有のあの香り。皆さんも「ニンニク」と聞き、ただちにあの強烈な香りを想像されたのではないのでしょうか。しかし匂いの正体であるふたつの物質〝アリイン〟というアミノ酸の一種と〝アリイナーゼ〟という酵素は、実は無臭の成分。細胞の中に含まれているアリインと維管束の中に蓄えられているアリイナーゼは、ニンニクが刻まれたり、潰されたりすることで瞬時に反応し、〝アリシン〟となり、匂いを発するようになります。

    アリシンは強烈な殺菌作用をはじめ、疲労回復に不可欠なビタミンB1の吸収を助ける作用、血小板凝集抑制作用、血糖低下作用、リウマチ関節炎の防止や利尿など、様々な効能が分かっています。ニンニクが〝スタミナ食〟として注目されるのも、アリシンがビタミンB1の糖質をエネルギーに変換させる働きを高めるためで、その結果、新陳代謝の活発性や肉体疲労に効果を発揮します。その効能を熟知していたのか、古代エジプトではピラミッド建設の労働者たちにニンニクを供給するため、高額な銀を支払い、ニンニクを入手していたといわれています。またアリシンの匂いに負けないほどに強力なのが、殺菌・抗菌作用。これまでにチフスやコレラ、赤痢などの予防などに用いられ、最近では胃・十二指腸潰瘍の原因となるヘリコバクターピロリ菌の増殖抑制や0-157の死滅などの報告もあります。

    一方でアリシンはその強力な殺菌作用によって腸内の有用菌を減らし、腸内菌バランスを崩す場合や胃腸などの消化器官の粘膜を侵し、潰瘍を起こすこと、さらには生ニンニクを一度に食べ過ぎると赤血球を壊し、貧血を起こしやすくなるので注意が必要です。適量は生で1日1片、焼いたり炒めたりしたものは2~3片程度とされています。

    そもそもニンニクの効用が科学的に注目される引き金となったのが、スコルジンという有効成分の発見でした。スコルジンはアリシン同様、体内の栄養素を燃焼させてエネルギーに変える働きがあり、特にビタミンB1と結びついたときの働きが有能で威力を発揮します。新陳代謝を高め、強壮作用や食欲増進の効果があるため、疲労回復には最適で、また冷え性や不眠症に悩まされている方にもお勧めです。近年では血中の悪玉コレステロールを抑制して善玉コレステロールを増やす働きや、血小板の凝集能力を抑制する作用も認められてきたので、動脈硬化や高血圧を予防する成分としても非常に有能だと考えられています。

    近年、ニンニクはアメリカの国立癌研究所によって「抗癌効果が期待できる食品」の頂点に位置づけられ、その主な成分がアリシンをはじめとする多種類のイオウ化合物と判明されています。これまでに胃がんや大腸がん・食道がん発生の防止に関係すると言われ、今もなお多くの研究者たちがニンニクパワーの解読に日々追われています。前述したように、アリシンはすり潰す、刻む、焼くなどといった調理過程で生まれるため、ニンニクを丸ごとレンジやオーブンに入れてローストするという調理法では有効成分があまり発生しないことを覚えておいてくださいね。小さいながらも大きな効能がぎっしりと詰まったニンニクを是非毎日の食卓にのせてみてください。

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