Grapefruit | 食物の恵み

Grapefruitの恵み

「禁断の果実」というキャッチフレーズで、およそ250年前に世の中にはじめて登場したグレープフルーツ。爽やかな酸味と果肉の瑞々しさが人気で、今や朝食の定番メニューとして世界中で愛されています。また近年の研究では、グレープフルーツに含まれる成分が、美容効果や生活習慣病予防、ストレス解消などに有効なことが詳しく解明され、益々その価値が見直されています。今月は、まもなく旬を迎える香り豊かなグレープフルーツをご紹介します。

CHEERS 2009年11月号掲載

Grapefruit

おいしいグレープフルーツの見つけ方
表面にハリと艶があり、中身が詰まって重いもの
形が丸く整っているもの

果実がブドウのように「鈴なり」に成ることから、その名で呼ばれるようになったグレープフルーツは、1750年代の西インド諸島のバルバドス島で発見されたのが最初といわれています。

近年、日本では健康志向の高まりからダイエットや有機野菜などが注目され、果物や野菜そのものの持つ自然の効能が見直されています。グレープフルーツには、美肌維持に重要なビタミンCや、疲労回復に有効なクエン酸、整腸効果のあるペクチンなど素晴らしい効能をもった成分が豊富に含まれていますが、中でも特に注目したいのは肥満、糖尿病、高血圧など生活習慣病の原因になる中性脂肪を分解する、ナリンギンという成分です。グレープフルーツ特有のほろ苦さの元でもあるナリンギンはポリフェノールの一種で、皮付近に多く含まれ、その幅広い効能から、ダイエットや健康食品の開発研究、医療機関など、世界中から注目を集めています。

ナリンギンは血中の中性脂肪値やコレストロール値を低下させる働きがあり、毛細血管の保護にも効果を発揮するので、毎日の食事にグレープフルーツを取り入れることによって動脈硬化や脳血栓、心筋梗塞の予防に一定の効果があると報告されています。また、この成分は免疫力を高めると同時に、万が一、体内にガンができた場合、ガンを養うために増殖しようとする血管の活動を抑え、ガン細胞の成長を食い止める働きをします。特にナリンギンはアルコールに溶けやすいので、リキュールやカクテルなどに刻んだ皮を漬けたり、飾りとしてグラスに添えて食前酒とすれば、美味しく効率的にその成分を摂ることができます。

ただし、グレープフルーツは薬との飲み合わせには十分に注意する必要があります。特に、血圧を調整する薬との飲み合わせに注意しなければならないことで広く知られていますが、降圧剤として使用されるカルシウム拮抗(きっこう)剤と一緒にグレープフルーツを摂取すると薬が効きすぎてしまい、血圧が急激に低下、めまいや頭痛、起立性低血圧などの症状がでることがあります。風邪薬などでも意図しない副作用がでることが報告されていますので、グレープフルーツジュースでの薬の服用は避けるようにしましょう。

またグレープフルーツは、皮をむいただけでも素晴らしい効果を享受できる果物でもあります。辺りにフワリと広がるシトラスの香りにはヌートカトンが含まれていて、この成分は近年の研究で脂肪燃焼に効果的であることが分かってきました。匂いを嗅ぐと鼻の奥にある、香りを探知する細胞に成分が付着し、その情報が脳に伝達され交感神経に刺激を与えます。この刺激によってUCPという脂肪燃焼を促すタンパク質が作り出され、効果を発揮します。ですから、皮をむいて食卓に置いておくだけでも過剰な食欲を抑えられるばかりか、脂肪燃焼の促進にも期待ができるのです。また、同じく皮に含まれるというリモネンという成分は精神をリラックスさせ、血行を促進しますので、寝つきの悪い夜にはグレープフルーツの皮を寝室に置いたり、暖めたグレープフルーツジュースを飲んだりするのもオススメです。

ジョギングやマリンスポーツで日差しをたっぷり浴びた後にグレープフルーツを食べれば、ビタミンCがシミ・ソバカスを抑えてくれるだけでなく、クエン酸が体内に溜まった乳酸などの疲労物質を取り除いてくれます。これからの季節、ぜひグレープフルーツのチカラを上手に取り入れて、その爽やかな香りとフレッシュな果実を味わってみてください。


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