オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

TAKE 8 腐敗と 混沌の街

ToMoKa

06/04/10











「この社会は腐ってる。ゴミは排除しなければいけないんだ」



深夜のマンハッタンを当てもなくさ迷う1台のタクシー。窃盗、強盗、殺人、ドラッグ、そして売春…夜の街はまるで鏡のように社会の裏側を映し出す。腐敗しきった「闇」の中で渦巻く、あらゆる不正を目の当たりにしたタクシードライバーのトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)は、社会に対して強い嫌悪感を抱くようになります。重度の不眠症を患うトラヴィスの思考は休むことを許されず、怒りにも似た感情と、虚無感に苛まれる日々。

そんな中、彼は次期大統領候補パレンタイン氏の選挙事務所に勤める女性ベッツィー(シビル・シェパード)に一目惚れをしてしまいます。



お互いに惹かれ合っていた2人でしたが、トラヴィスがベッツィーをポルノ映画に連れて行ったことで彼女は激怒。幾度も謝罪の電話をし、花を贈り、関係修復を図ろうとするトラヴィスの努力も虚しく、2人は音信不通に。トラヴィスは、結局は彼女も自分の理解者などではなく、他の腐った人間たちと"同じ"なのだという結論に至ります。以前にも増して心を病んでいくトラヴィス。そこへある晩、学校へ行かず売春をして生活している12歳の少女アイリス(ジョディ・フォスター)がトラヴィスのタクシーに乗り込んできます。逃げようとする彼女と力任せに連れ戻そうとする男を目にした瞬間、トラヴィスの中で何かが崩壊し、とうとう彼は行動を起こすのでした。正義とは何か? 一体何が正しいのか? 行き場を失った彼の怒りは徐々に狂気へと変化していきます。



デ・ニーロにとって『ゴッドファーザーPART II』に続くヒット作となった『タクシードライバー』。現在の威厳ある風貌からはなかなか想像できない体の線の細さにビックリ!(35年前なので当然と言えば当然ですが)。とても同一人物とは思えません…(汗)。厳しい減量をするなど役作りに妥協を許さないことで知られるデ・ニーロは、この映画の撮影前、実際にタクシードライバーとして数週間勤務したといいます。デ・ニーロの鬼気迫る演技ももちろんですが、当時13歳(!)の若さで少女売春婦を演じたジョディ・フォスター(代表作:『羊たちの沈黙』ほか)も本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、本格的に女優としてのキャリアをスタートさせることになります(ただこの役を引き受けることを許した母親には驚きですね…)。ジョディは後のインタビューで当時を振り返り、デ・ニーロが一度遊びに連れ出してくれたが、彼が余りに無口だったのでとても退屈だったと語っています。しかし後からそれがデ・ニーロの「役作り」の一環であり、ジョディが彼といることに抵抗を感じずに自然な演技ができるよう、意図的にしたことだったと気づいたそうです。ストイックですね~。



世の中の矛盾に葛藤を覚え、孤独に苦しむトラヴィス。過剰な正義感は、狂気へと人を導きかねない、両刃の剣と言えるかもしれません。彼の行く末を是非、見届けて頂きたいです。













今月の一本

腐敗と混沌の街


ジョディ・フォスター。女優として活動しつつも勉学を疎かにせず、一流大学を卒業した秀才として知られています。才色兼備とはこのこと…。







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