オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

Vol.19 『Radios Appear / 1977年発表』

柴田カンジ

24/05/10


今回紹介するのは豪・シドニー出身、Radio Birdmanの1stアルバム『Radios Appear / 1977年発表』。レディオ・バードマンは、オーストラリアにおける元祖パンクバンドであり、また、世界レベルで見ても最初期のパンクバンドであった。無名時代にテイラー・スクエアにあったパブの権利を得て、「The Oxford Funhouse」という自分たちのライブハウスを立ち上げた彼らは、そこを拠点にパンクシーンを作り上げていく。しかし、異分子であった彼らが本国で商業的成功を収めることはなく、パンクが市民権を得始めていたUKに移っても、彼らを取り巻く状況が大きく変わることはなかった。先月号で紹介したセインツも含め、彼らは当時のオージーミュージックシーンに受け入れられるには早すぎる存在だったし、一方でロンドンなどのパンクシーンに属するには、ダウンアンダーは遠すぎた。



イギーポップ&ストゥージズの名曲"1970"の歌詞からバンド名を得ているように※、アメリカのガレージバンドから強い影響を受けていた彼らが生んだ『Radios Appear』は、ストレートなロックソングの中にも、ポップ、フォーク、サイケ、ジャズなど、多様な音楽の色彩を散りばめ、パンクという概念から離れても、1枚のロックアルバムとして非常に音楽性の高い作品になっている。現在では、オーストラリアン・ロック史に大きな転機を与えた、偉大なる1枚としての正当な評価を受けているこのアルバム。特にこの国の80年代以降のインディー・ロックに与えた影響力は計り知れない。

ちなみにレディオ・バードマンは、「WIKIPEDIA日本語版」には掲載されていない。まさに隠れた名バンドと言えるだろう。そんな中、意外というべきか、中国版にはその名前を見つけることができる。試しに覘いてみたところ、バンド名の表記は"電波鳥人楽団"になっていた…。意地でも漢字に変換しようとする、その姿勢には感心させられる。なにげに好奇心をそそられた僕は、他のバンドも試してみようと思い立ち、ロンドンパンクの雄・クラッシュのページも見てみることに。そこで僕の目に飛び込んできたバンド名とはなんと、"衝撃合唱団"であった…。まさにこれ以上の衝撃はない。こちらの予想を上回ってくるあたり、やっぱりすごいぜ、中華人民共和国! ベイジンは燃えている!!



※"Radio burnin"を"Radio birdman"と聴き間違えた。ミッシェル・ガン・エレファントのバンド名が、ダムドの3rdアルバム"Machine Gun Etiquette"を読み間違えてできたというエピソードに似ている。これまた偶然だと思うが、ミッシェルには"Birdmen"というシングル曲がある。

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