オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

ほんの10秒

北山時雨

21/01/11


さて新しい年が始まった。皆は良い年を迎えたかね? 世界や日本のニュースを眺めていると、あまり芳しいニュースが見られず、ちょっと暗澹たる思いにかられることがある。

このオヤジの見たところ、今、世界は色々な軋轢が複雑にからみあい、かつ重層的に積み重なっているように思える。たとえば西欧キリスト教文化圏とイスラム教文化圏の拮抗。ちょうど10年前、ニューヨークとワシントンをターゲットにした同時テロを引き金にして、アメリカを中心にイラクとアフガニスタンで戦争が始まった。あたかも中世の十字軍を彷彿とさせる戦いである。ニュースやドキュメンタリーで見ていると不毛の戦いに思えて仕方がない。それはアメリカ、イギリス、オーストラリア軍が誰を相手に戦っているのかがはっきり見えないからだ。確かに敵はいる(はずである)。イラクでの自爆テロやシーア派とスンニー派の抗争が一般市民に大きな脅威となり、それを排除したいのだろうけれど、それがなかなかできないでいる。確かに敵はヒットエンドランで打ってくるわけだから、ことが起こるまではわからない。当方にしてみれば、敵は「負けなければ勝ち」というゲリラ戦法できているのだから、これほど厄介なものはない。ゲリラ戦について言えば、アメリカはベトナムで手痛い目に遭っている。すでにもう10年戦争である。イラク国民がイラク国民を殺しているという現実を踏まえ、抜本的な戦略を立てなければいけないだろう。



アフガニスタンでの戦いはまた違った様相である。タリバンは一時的に政権をとったことがあり、その時のイスラム教一辺倒では第2のイランになりかねないという懸念があった。もうひとつはあのアルカイダの精神的リーダーで同時テロの指揮者でもあるウサマ・ビン・ラッディンをかくまっている(らしい)ということで戦いが始まった。それでもやはり相手はヒットエンドランでやってくるわけだから、ここでも苦戦が強いられている。このような戦いを見ていると、どうしてもこれはキリがないなと思う。イスラム側にしてみればジハード(聖戦)思想で固められているので、決して譲歩はありえず、キリスト側にしてみればまったく考え方の違う異星人のようにしか見えないだろう。「話し合い」で何とかなるというものでは決してないだろうし、相手の存在を認めるというところまでも行き着くかどうか。今後も続く不毛の戦いのような気がする。



これまで西欧先進国を中心に進められてきた民主主義と自由経済の流れが大きく変わりつつあるようだ。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国のこと)という言葉が示すように、世界はどうやら新しい段階に入ったらしい。産業革命以来、イギリスとヨーロッパ中心の19世紀、アメリカ中心の20世紀を経て第3期を迎えている。それにしても上記BRICsの国々はどこも大国である。国土面積も人口もやたらと大きい。何しろ中国とインドだけで地球総人口の3分の1以上にはなっているはずである。その労働力と市場の大きさが、誰も止めることのできない生産と消費を行うわけであるからこれは大変な活力といわざるを得ない。そしてよく考えてみればロシアは社会主義を捨てておよそ20年が経ったあとでその力を出し始めてきたわけであるが、中国は社会主義体制のまま資本主義自由経済のシステムを導入してきている。インドとブラジルについて言えば、その距離の離れていることから、日本とはあまり関係がないように思うだろうが、そんなことは全くない。安価な労働力を提供する後進国のイメージは、今や全くない。何しろインドは世界第2の英語スピーカー人口国である(ちなみに第1は中国、アメリカは3番目)。その英語力でIT産業をはじめコミュニケーション・ビジネスが急激に台頭しているのである。それは昔々日本も通ったことのある同じ道を、より短い時間でたどっており、中産階級層が急激に増えているのである。これもいつぞや日本でも経験したことのある「消費こそ美徳」が蔓延しているのである。ブラジルもこの10年間で「貧困との戦い」を終え、急速に追いつこうとしている。であるからいつの間にかメイド・イン・インディアやメイド・イン・ブラジルが出回るに違いない。



さて、我が祖国のことである。日本の政治家や官僚のレベルの低さはもう何ともお話にも何にもならない。その弱点を突くように中国とロシアが領土・領海に手を伸ばして来ている。北朝鮮もキナ臭い。ソフト外交か何かは知らないが、全くの話、世界中の笑いものになるだけである。これからどうしたらよいのか?

このオヤジは非難を覚悟の上で言えば、これは「徴兵制の導入」しかないだろう。もちろんやるからには誰からも何も文句をつけられないように、スマートに上手くやらなければいけないのであるが。周りの国が何か言ってきたら「内政干渉である」とはねつければよい。そうすれば若者の背筋がすっきりと伸び、国家に対する考え方も健全に育ち、何より自信と誇りが身に付くであろう。それができないというのであれば、こういうのはどうであろうか。毎日テレビでやっているあの気象情報である。何しろテレビといえばお天気の話ばかりである。30分見ていたら必ず1回は、1時間で2回以上はやっているあれである。そこで「札幌では…、東京では…」のところに「尖閣諸島では晴れ時々曇り」とか「択捉島・国後島では雨、風が強くうねりが大きいでしょう」というのを追加すればよいのである。時間にすればものの10秒ほどである。これを毎日毎日、毎時間やれば、全国民の頭の中に「ああ尖閣諸島も北方四島も当然わが領土であるな」と刷り込みができるのである。徴兵制と違って、これほど簡単で安くかつどこからも文句の出ない方法もないのではないか。やるかやらないかだけの問題である。



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