オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

検診

Chisato

20/07/11


先日自分の住む千葉市より、女性のためのがん検診手帳というものが送られてきました。      



昨年の10月号で私の母の乳がん騒動の話を書きましたが、日本では2人にひとり近くががんになり、3人にひとりが、がんで命を落としているそうです。65歳以上では2人にひとりが、がんで亡くなっているとのこと。この割合は世界のトップレベルで、日本は世界有数の『がん大国』と言えるのです。もう他人事ではありません! じゃあ一体どうすればいいの?ということになると思います。

このがん検診手帳には、乳がんと子宮がんの検診を受けること、それが世界一安くて、そのくせとっても有効な『がんで命を落とさないための特効薬』なのだと記載されていました。



私は25歳の時に留学という目的でオーストラリアへ行きました。その後、専門学校に通い、気がつけばシドニーに10年以上滞在することになったわけですが、30歳に近づいた頃、友人に『子宮がん検診を自分は先日やってきたけど、絶対にやっておいたほうがいいよ』とアドバイスされました。

当時の私は子宮がんについてほとんど考えたこともなく、がんは全くの他人事。でもその友人から検査は簡単だし費用もそんなにかからないことを聞き、紹介されたGPへと足を運んだのです。それが一番最初の子宮がん検診でした。



日本に戻ってからは年に一度健康診断をするチャンスがあり、とてもありがたいと思っていますが、実際日本で子宮がん検診を受けてみて、そのスピードの速さにビックリしました。日本の場合、検査する医師が毎日何十人とやっているようですから、もう慣れているんですよね。看護師との連携もお見事!といった感じでササっと5秒ぐらいで終わってしまうのです。恥ずかしいところをお見せするだけにこのスピードは凄い!と妙に感心してしまいました。シドニーではGPが子宮がん検診をしてくれたのですが、頻度的に毎日やっているわけでもないでしょうからね。でも私はシドニーで女性のGPにやってもらっていたのでよかったです。ちなみに日本では男性の医師でした。早いけどやっぱりちょっと恥ずかしい…(笑)。



シドニーで乳がん検診のマンモグラフィをした経験はありませんが、そのGPが子宮がん検診の時に「乳がんチェックもね」と言って触診をしてくれてました。確か50歳以上になるとシドニーでも自動的に検診のお知らせが来て、無料でマンモグラフィの検診ができたと思います。以前シドニーで私の母の検診に付き添って行ったことがありますが、スムーズに乳がん検診できた記憶があります。



今回は女性のための内容になりますが、オーストラリアにいるとなかなか定期健診をするということから離れてしまいがちな皆さんに、是非この『乳がん』と『子宮がん』について知っていただき、がんをひとりでも多くの方ががんを予防できればと思います。



『乳がん』って何?



乳がんは女性ホルモンの刺激を受けてできる乳腺のがんで、40代後半にもっとも発生します。女性にできるがんの中では一番多く、年間4万人が乳がんになっています。日本女性の20人にひとりがかかる計算です。マンモグラフィ(乳腺専用のレントゲン)を使った検診を、日本では40歳以上の方に、2年に1度受けることが勧められています。



 

『子宮がん』って何?



子宮がんは胎児を収める子宮体部にできる『子宮体がん』と、子宮の出口の部分にできる『子宮頚がん』に分かれます。子宮にできる約7割が子宮頚がんで、子宮がん検診では通常、子宮頚がん検診もします。子宮頚がんは、ヒトパピローマウィルスの感染が主な原因とされ、過去20年でみると20~30代に急増しています。子宮頚がんはがん検診が最も有効ながんです。検診は綿棒などで子宮頚部の細胞をこすり取るだけでいたって簡単。20歳以上で2年に1度受けることが勧められています。

子宮がん検診と乳がん検診は、大腸がん、胃がん、肺がん検診と並んで検診がとりわけ有効で、ウィルス感染や女性ホルモンが関係しているため、他のがんと違って30歳~40歳代の若い世代に多いがんです。そして年間1万人以上の女性がこの2つのがんで命を落としているのです。検診の効果のほどは実証済みで、欧米では8割以上の女性が乳がん検診、子宮がん検診を受けているとのことです。2年に1度継続的に検診を受けることがとにかく大事なのです。





HPVワクチン



子宮頚がんはほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というウィルスの感染によるものです。このウィルスは約7~8割の女性が感染経験を持つありふれたもので、感染しても発がんに繋がる確率はごくわずか。しかし逆に性行為を行うすべての女性にリスクがあるとも言えます。最近になり日本ではHPVに対する予防ワクチンが使えるようになったそうです。ウィルスに感染する前の10代前半の女子に摂取するのが一番ですが、ウィルスに感染していなければ成人女性でも有効とされています。オーストラリアでも確かこのワクチンがあったと思いますので、気になる方はGPに相談してみてください。







なぜ『乳がん』・『子宮がん』検診は効果的なのか?



1.    がんになったと知ることが怖い…



がんは不治の病ではありません。全体で見ると半分近くが治ると考えられます。早期がんなら完治の可能性がぐっと高くなります。本当に怖いのは『がんが進行しているのに気がついていない』状態です。乳がんではたったひとつのがん細胞が1cmになるのに15年以上もかかります。しかし1cmのがんが2cmになるには2年もかかりません。1cm以下のがんは診断が難しいですし、早期の乳がんは2cm以下を指しますので、乳がんを早期に発見するには、2年に1度の検診を受ける必要があることがわかります。



2.    乳がんになったら乳房を切らなければいけないから怖くて…



乳がん治療は腫瘍とその周辺だけを切り取り、乳房全体に放射線をかける『乳房温存療法』が主流になってきています。放射線治療の1回の治療時間が約1分。身体の温度は2000分の1度しか上がらず痛さも熱さも感じません。



3.    まわりも検診を受けてないから、私も平気…?!



日本人のがん検診受診率は先進国の中で最低レベルです。子宮頚がん検診の場合、米国では84%が受けているのに対し、日本では21%です。特に20歳代の女性では子宮頚がん検診を受けているのは11%という極めて低い状況です。



4.20代、30代でがんになるのは少数派なのでは?



子宮頚がんの原因はウィルス感染で若い人に増えています。普通のがんは年齢とともに増えますが、子宮頚がんのピークは30歳代後半です。早期がんでは症状は出ないので検診が必要です。



5.食事や運動に気を使っているし、遺伝的にも大丈夫だから…



がんは遺伝でできるものではなく、生活習慣病の要素が大きい病気です。健康な人の体にも、毎日毎日多数のがん細胞ができることがわかっています。遺伝するがんは5%に過ぎません。そもそも毎日多数のがん細胞ができては、免疫の細胞に殺されています。たまたま免疫が取りこぼしたがん細胞が、10~15年近い時間を経て目に見えるがんに育っていくのです。ですから備えとして早期に見つけて完治させるがん検診が必要です。『生活習慣の改善+がん検診』で、がんで死ぬ確率は大きく下がります。がんにならなければ、がんで死にません。そのためには禁煙が大事。その他お酒もほどほどにして、野菜や果物中心の食生活や運動を心がければ、がんになるリスクは大きく減ります。しかしそれでもがんになるリスクは残りますので、2段構えが大事です。つまり検診が必要なのです。



海外でがんばって生活している皆さんは、日々の生活に追われてがんについて深く考えることはあまりないのではないでしょうか。しかし『がんは他人事』ではないのです。日本は世界一のがん大国。そしてこれを読んでいる皆さんは日本人! 日本人はがんを知りません。その結果適切な治療を受けられなかったり、がんを早期に発見して完治させるチャンスを逃すことに繋がってしまうのです。今回のコラムでへえ~と思ったり、知らなかったことが分かったりしたら是非、ご家族やお友達など大切な人にも伝えてください。そのことが自分と周囲の健康を守り、例えがんになっても、がんと正しく向き合うことになると思います。

私の友人がシドニーで子宮がん検診を教えてくれて定期的に私が検診を受けるきっかけとなったように、このコラムが少しでも皆さんの意識と健康に役立ちますように。

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