オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

さよならグローバライゼーション

ふぉー

04/05/12


最近、学校に通っています。まあ暇つぶしですね。別に欠席したってどうということもないし、今更CertificateとかDiplomaを取る気もない。とりあえず貯金を食いつぶすまでのんびりするか、ってな不届きな心構えで生活している。楽しきかな豪州生活。

で、ひょんなことから日本語を教えることになったり、あるいはこの学校でディスカッション(と言いつつ、単に皆言いたいことを適当に話してるだけ)があったりしてふと考えることがあった。それは、生徒の奴らが「日本では」とか先生までが「日本では」って、



この正当な純日本人である私(や他の日本人学生)を差し置いて、どうのこうの言うのが聞くに堪えん!というのが、きっかけと言えばきっかけだ。




いわく「ノキアやソニーを見ろ。完全に世界に乗り遅れた」


いわく「日本の会社の構造を見ろ。中間管理職が多くて決定に時間がかかる。この構造が日本を凋落させた」

いわく「だけど、ソニーのウォークマンが出た時のことを覚えているか?みんな、あんなもの、誰が欲しいのか、誰が自分だけの音楽を聴きたいのかと訝ったものだった。それがものすごい大ヒットになった。あれはアイポッドやアイパッドの先駆けだよ、コンセプトとして」



・・・・




韓国人の友も言う。「中国はものすごい脅威になりつつある。国際競争力をつけなければ、淘汰される。もっともっと、高い技術を開発して、それを世界に打ってでなければ。日本だってうかうかしてられないぞ」




ちょっと待ってくれ。



 


私は何も知らないおバカなアラフォーの豪州在住者である。本当に何も知らない。しかしこれらのやり取りを聞いていて非常に違和感を感じた。



どうして、国際的に競争とかいう話が出てくるんですか????


日本がうかうかとか言うと、まるで日本が世界相手にいいものを売るぞと頑張っているみたいだけど????

フィンランドみたいな小さな国のノキアは確かに国際的にモノが売れる方がよろしかろう。



しかし、日本ですよ?




私は韓国人の友に言った。「あのさ、日本は別に、商人じゃないんだよね。日本は職人なんだよ。自分達でいいと思ったものを喜んで作っていて、日本で消費できればそれで一向に構わなくて、世界の人がどう考えているとか、世界の人に受けるにはどうしたらいいか、まして世界で勝とうとか儲けようなんて、二の次なんだよ」


韓国人の友は不満そうであった。そんな国あるか、といいたげだった。しかし、うちのオージーのシェアメイトのオッちゃん二人とか、ディックスミスみたいなところに勤めている人達は良く知ってることだけど、



良い製品は日本にしかない。オーストラリアでは手に入らない。
という事実。



オッちゃん達は、私の富士通のパソコンを見て、「富士通だ!オーストラリアで売ってないし、宣伝も全然してないけど、すごくいいんだよね!!!日本で買ったの?」と興奮気味だったし、日本に旅行に行く友の友(何人だったかな?)は、日本でカメラを買う、だって日本でしか最先端のものが買えないから、と言っていた。




「どうして日本国内でのみ、よい製品が出回っていて、海外に輸出しないのか?」と真顔で聞かれたこともある。その時は内心、(だって何がいいものか、お宅たちわかんないじゃん…)と思っていた。




電化製品だけでなく、美しい日本の小物なんかも、以前、オーストラリアからインドネシアン・オージーの友が遊びに来たときに「こんな素敵なものはオーストラリアだったらものすごい高値で売れる」と興奮し、店の人に「海外に発送してくれないか」と聞いていたけれど、京都のお店の人の答えはやんわりと、しかしキッパリNOだった。




素晴らしい。私はこの日本の鎖国性を愛す。




儲け主義でない、世界に打って出ない。本当に欲しいなら、日本に来はったらどうどすか?



日本人の貿易の考え方としては


「え?これいいモノだと思うの?まあねえ、いいと思うよ。なかなかだと思うけど。えっ、欲しいのこんなもの?まあ、じゃあ、お宅の国にないっていうなら、うちの技術がそんなに珍しいなら、売って差し上げますけど…?」

こういうスタンスだと思っていました、ずっと。

乞われたので、輸出して差し上げる。

なので、初めから「世界に打って出る」とか「国際競争力」とか違和感アリアリで、ウォークマンだって、なんだかさも、ソニーが頑張って、一か八か世界に博打を打って出ました、って言い方だけど(しかもオーストラリアンにそんなことを言われてトホホ)



既に日本での大成功があったから



「世界でももしかして、欲しいかな?」ってスタンスで売り出したに決まっていると私は思っている。


なんでそんなことを今更言うかというと、欧米の貿易の考え方ってまさに略奪って発想なんだなあ、と改めて思うからなんであります。



前の会社は外資だったんだけど言っちゃ悪いけど、その会社の製品って素晴らしい技術があるわけでも、特に優れているわけでもなんでもなかった。




なのに、本国から出て、アジア太平洋地域に魔の手を伸ばして、どこまで貪欲に売る気なんだよ、鬼か、と内心思っていた。だってぜんぜん素晴らしくもない製品なんだよ?


でも、アジア太平洋地域には、その手の製品がいち早くなかったわけさ。(日本除く)



日本のお客さんもその製品を使ってたけど、不平不満もあるわけね、すぐ故障するし。


で、こっちは外資で働いて、オーストラリアにいながら、日本のお客さんから日本円を奪っているんだなあ、としみじみ申し訳なく思っていた。だって製品今一つなのに威張ってるし、カスタマーサービスが頑張ったって、故障した時のサービスも日本と違って迅速でもなんでもないし。しかも窓口が日本の会社なんですよ。だからお客さん、まさか外資の製品を使っているとは知らないんだよね。窓口になっているその日本の会社の製品だと思っている。ロゴだってその会社のロゴ。




まして、日本より工業化されていない国なんか思う壺、やられ放題です。工業化されていない国では、もしかしたら技術がないからしょうがないかもしれないけど、なんで日本みたいな一流の工業国相手に、この会社が恥も外聞もなく、しょうもない製品売ろうとするの、と私は恥ずかしくさえ思ったわけです。




そんな私のメンタリティは、やっぱり日本人特有のものだと思う。


シンガポールみたいな小さな国ならともかく、なんでそんな日本の企業が乗せられて競争なんかせにゃならんのだ。しかも今円高だし。日本は日本で素晴らしいものを日本人に向けてつくり、もし外国の人たちが「それ欲しい…」と言ってきたら売ってあげたらいいではないですか。


 


しかも、私も全く知らなかったのですが、実は、貿易に力を入れる国ほど自国の労働者の賃金が下がっていくと言う。なるほどーーー。考えたら納得ですね。




グローバライゼーションの本質とは、詰まるところ、もはや国境なんか関係ない多国籍企業が私利私欲に走るということだ。日本対アメリカ、みたいな図式は国家間ではあっても、企業は関係ないのよ。企業は儲からない国、生産性の低い国(人件費の高い国含む)からはとっとと撤退して、舌を出して笑っている。祖国になんの貢献もしないような企業が暴利を貪る。しかし、結局のところ、そうやって冷酷卑劣に人を切ったら、結局は失業者が増え、余分なものを買える購買力のある層は薄くなってしまい、最終的には企業自らが首を絞めることになると思う。



日本出身の企業ってだけで、ただの多国籍企業、日本人に幸せをもたらさないんならば、日本の国際競争力なんて、詭弁、まやかしではないですか。





…などと言うことを、ディスカッションなんか全部終わった後、もやもやしつつ、やっと考えがまとまったのでありました。(こんな私の戯言に、ここまでお付き合いくださって本当にありがとうございます。)



そして、アホだから、私は何も知らず、ディスカッションの時に何か言うこともできん。と気づき、最近は
Youtubeで色々お勉強。





以下の動画は、京大大学院教授の藤井先生の日本のデフレ脱出のための講義。

題して「国民総勘違いデフレ不況」



藤井先生も、中ほどの質疑応答で、貿易に関して、「資源もあって他国との取引なしにやっていけるならそれは理想だけれども、そうでないなら少しは貿易はしなければなりません。




それと、日本の貿易のスタンスは、我が国の技術で、他の国を助けて差し上げること。お役に立たせていただくために、貿易をする。こういうことだと思います」(本文
NOTママ)




 


藤井先生、関西弁で、そこらの芸人さんよりむっちゃ面白く、わかりやすく、情熱的にお話になっています。ぜひ見てください。


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