オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

後の航海先立たず…

北村元

23/05/13









 ひとつの目標に向かって走る87艘のヨット。シドニー~ホバート・ヨットレースである。
 

12月26日のボクシングデー。陸上から撮影するのも飽きて、オーストラリア・ヨット・クラブのチャーターした船に乗ってみた。サウスヘッドとノースヘッドに挟まれた出口では、多数の見物船とあわせて、ラッシュアワー並みの大混雑だった。「はい、押さないで、ご乗車ください」という新宿駅のアナウンスが聞こえてきそうだ。

 

レンズを通して見ると、レースの乗組員には年長者もいれば若者もいる。スキッパーを中心にミーティングをしながら調整している船もある。メイン・マストに登って、最後の点検作業をしている人もいる。6年で5回目の優勝に輝いたスーパー・マキシの「ワイルド・オーツ」もいた。日本語の名前を付けた「ショーグン」「イチバン」などもいる。

 

皆が皆、この静かな内海のシドニー・ハーバーでは予想もつかない破天荒に挑む覚悟だ。快晴無風のレースなどほとんどない。それが証拠に、強風と時化で、参加艇の2割を超える19艇が途中で棄権した。自然は過酷で、容赦がない。

 

日本の国家予算が発表された。今回は政権党が一から作り上げた予算だ。「何の思想もない、つぎはぎだらけの予算、寄せ集めの予算」と酷評した人がいる。全くその通りだ。それ以外に何があろうか。理念もなければ、展望もない。事業仕訳で16兆円が出てくると言っていたのは、どこの党だったっけ。それで、出てきたのは3000億円ぽっきり。税収を上回る予算。マニフェストは嘘だった。国民に嘘をついたのだ。政治主導では何もできないことが、明白になった。

 

そんな先の読めない政治家たちに、日本国の航海を任せていいものか。

 

ヨットレースのストラテジーの基本は、風のシフトの大きさ、周期を読んで帆走することだ。風のシフトを読むことは難しい。しかし、難しいからといって適当にされたのでは、国民がたまらない。

 

大体、政権党には、命を張って、国民を幸せにしようという挑む一念があるのだろうか。リトマス試験紙代わりに、タスマン海で試してみよう。今年は、3月下旬にメルボルンを出港し、赤道を越えて4月に大阪港に到着する縦回りという珍しいヨットレースもある。丸ごと政権党用の船を用意しよう。反吐を吐いても助けるな。じっくりゆさぶって、命を張るとは、そして、先を読むとはどういうことか味合わせてやるんだ。そうやって、篩(ふるい)にかけてやればいい。



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