オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

49杯目 東北酒事情 (宮城県編)

ソムリエK隊員

27/05/13




 49杯目 東北酒事情(宮城県編)













今回は3月に宮城県の酒蔵を2つ訪れたので、その模様ご紹介します。


 


まさに東日本大震災の2周年を迎えた311日の早朝、夏のシドニーから成田空港に降り立ったのですが、東北新幹線「はやぶさ」に乗ってたったの1時間半(!)で仙台に入り、その日の昼にはもう寒さの残る塩釜市に着いているという慌しい行程となりました。




早速、本塩釜駅近くの「浦霞」ブランドで有名な㈱佐浦さんを訪問したのですが、まず見せていただいたのが建物に記録された、津波が到達したラインでした。腰の上まで浸水して、お酒のタンクもすべて錆びてしまい、ステンレス製に取り替えられたりと大変なご苦労をされたようですが、この2年間で通常の稼動体制に戻られたとのこと。きき酒では特に「特別純米酒 生一本」がお米の旨味が出ていてよかったですね。その夜は仙台名物・牛タンに舌鼓を打った後に、宮城県のお酒がすべて揃っている「伊達藩長屋酒場」で、これまた名物の仙台味噌をしゃもじに乗せてトーチで表面を黒く丸焦げになるまで炙っただけの物を頂いたのですが、味噌の濃い甘い味わいと焦げ目の苦味が意外にもマッチして、いいお酒のつまみになりました。




次の日に、同じく宮城は大崎市の「一ノ蔵」さんを訪れました。ここは山手で津波の被害はなかったのですが、地震でタンクが倒れたり酒瓶が16千本ほど割れて吟醸酒の海になってしまったと伺いました。


そこでは社員の方々によるバイオ・ダイナミックによる酒米造り「一ノ蔵農社」が取り組まれており、冬場でも田んぼに水が引かれて、渡り鳥などの水場となることによって、微生物からミミズまでも取り込んだ自然のサイクルの中で稲作が行われていました。


お米造りから大切にする一ノ蔵さんで見つけた逸品は、刀匠・九代目法華三郎信房氏の命名・直筆による「大和伝」です。環境保全米「蔵の華」を50パーセントまで磨いた手造り仕込みで、低温発酵と1年以上の熟成による滑らかな味わいは、お米の円やかさが生かされたお酒でした。残念ながら地元のお客様への感謝の気持ちから宮城県内限定販売とはなっていますが、付近にお出かけのさいは先ほどの味噌焼きと合わせて楽しまれることをお勧めします。




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