オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

ピノキオを 呑み込んだ大魚!

北村元

25/06/13




 














映画『ピノキオ』の原作のひとつとして知られているのが、旧約聖書の十二小預言書のひとつ、ヨナ書である。ピノキオや時計職人のゼペットじいさんたちが鯨の腹に呑み込まれてしまう元ネタは、そこからの引用だ。 「主は巨大な魚に命じて、ヨナを呑み込ませられた。ヨナは三日三晩魚の腹の中にいた」


 


この巨大な魚とは、鯨を意味する。ベトナム南部のニャチャンという港町にある国立海洋博物館の最大の展示物は、体長十八メートルの鯨の骨格だ。そのベトナムも、鯨をカーオン、「魚の王」と呼ぶ。とにかく、海の生き物としては、破格に大きいし、破格に長生きだ。


 


鯨は捕えたエサを丸ごと飲み込み、エサにたくさん含まれている脂肪を、体内で分解してエネルギーへと変換する時に水が発生する。その水が文字通り鯨の生命を支える命の水となる。


また、体内に取り入れた余分な塩分を、尿に溶かして捨てる必要がある。だから、尿を作りだす鯨の腎臓は、他の哺乳類に比べて発達している。例えば、シロナガスクジラには、ひとつ一つ独立機能を備えた「小腎」が、約三千個ある、と。エサを海水ごと大量に飲み込むため、体内の塩分を排泄するために腎臓が発達したらしい。おまけに、シロナガスクジラの舌は、約4トンの重さがあると聞いた。 ドデカイ!


もう一つ驚くのは、睾丸だ。他のオスの精子を排除するために、多量の精子を生産するそうだ。自身のDNAを残す「精子戦争」に勝つために。セミクジラの睾丸は両方で一トンの重さがあるという。ヒェースゴイ!


さて、話は戻って、旧約聖書の「ヨナ書」によると、予言者ヨナは大魚(クジラ)に呑み込まれ、三日三晩、腹の中で過ごした後、吐き出されたという話になっている。それをもとにしたジョークがある。



小学校で女の子がクジラの話をしていると、先生がさえぎった。


 


「いい? クジラが人間を呑み込むことなんてできないのよ。クジラは体は大きいけど、喉はすごく小さいの」


女の子は納得いかなかった。


「でも、ヨナはクジラに呑み込まれたんでしょ」


先生はもう一度繰り返した。


「クジラは人間を呑み込めないのォ。それは無理な話よ」


女の子は言った。


「じゃ、わたし天国に行ったら、ヨナに聞いてみるわ」


先生も意地悪になった。


「でも、もしヨナが地獄に落ちてたら…どうするの?」


女の子は答えた。


「そのときは、先生が聞いて下さる?」




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