オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

バリア・ハイウェイ 「四」の怪!!

北村元

26/06/13




 














アデレードを朝早く出て、ブロークン・ヒルに向かった。バリア・ハイウェイは南オーストラリア州とNSW州にまたがる長い道路で、合計で千五百キロもある。


 


アデレードから一時間ほど。ひなびたカフェで朝食をとり、目的地へと急いだ。と、家内が、「狐がぶらさがってたわよ」と、助手席でポツリと一言。 「????どういうこと?」


引き返した。なるほど、そういうことか。銃で撃たれた狐の〝ご遺体〟が、道路との堺のフェンスに等間隔に並べられていた。


人に見えるところに晒すとは、どういう意味があるのだろうか、と運転しながら考えた。


近隣の人に、「俺はこれだけ仕留めた」と誇っているのか。それとも、「お前が俺の領地に入れば、すかさずこうなるぞ」と、狐への見せしめにしている…だが、この論法は狐には伝わらないから意味はない。とすると、もうひとつ。ここには狐が出没するのだと、行政に訴える材料にしている…この三つのうちのどれかであろう。


 


かつて、ビクトリア州で、こんな話を聞いたことがある。


第一次産業省へ狐の皮をだすと、一匹当たり十ドルもらえると。「わしは、六つ七つの時から狐を追ってすでに八十の半ば。今年(私がその人に会った年)は百五十匹仕留めたよ」と、ビクトリア州のあるご高齢の話だった。


もう一人も、「毎年ハンターを雇ってさ、自分の領地の狐を撃つのさ。だけど、ちょっとすりゃ、隣の領地からまた入ってくるのだよ」と。イタチごっこならぬ、狐ごっこ。


狐は酪農家の敵なのだ。毎年五千頭の羊が生れても、二百頭から四百頭は狐にやられるという。


南オーストラリア州で晒し者になっていた四匹の狐も農家の敵だったに違いないと、ハンドルを握っているから深くは考えれらないが、半ばそういう結論に達した。


 


いよいよNSW州の州境に近くなってきた時に、「ブラが四つ結いつけてあったわよ」と、家内がまたポツリと。再び引き返した。さすがに豪州のデカブラが風を受けてはためいていた。


写真には撮らなかったが、「余ったブラをお持ちの旅人よ、ここに結いていってください」という呼びかけの紙があったように思う。とすると、これらは通過した人の置き土産なのか。


それにしても、バリア・ハイウェイは、なんで「四」にこだわるのか? 舗装道路として開通したのが、一九六八年一一月七日…「四」の字はひとつもない。




「インディアン・パシフィック」とすれ違う以外、一度ならず二度まで、殺風景な道路に稀なる景色を作ってくれた人に大感謝して、無事、ブロークン・ヒルに着いた。


 




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