オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

理解する2

Metro

15/09/08


恋愛関係を育むため、私たちはお付き合いをしている相手の思考に時折切り替えてみる必要があります。そうすることで、相手をより良く理解し、判断することができるからです。



私のクライアントのひとりに、トムという素敵な男性がいました。身長180センチ、ブロンドヘア、青い瞳…。50歳近くであったものの、40代に見える、とびきりハンサムな方でした。ルックスだけではなく、とても優しい、礼儀正しい男性で、また読書好きでもあったため、あらゆる知識に富んでおり、彼との会話はとても楽しいものでした。彼のような夫を持つことを、多くの女性は理想としたことでしょう。しかし、女性関係になると、トムは決してやり手ではありませんでした。彼は毎回のデートで「結婚する意志はまったくない」ということを口にしていたため、多くの女性は彼のことをただの"プレーボーイ"と解釈し、がっかりしていたのです。



さて、トムには本当に結婚願望はなかったのでしょうか? 彼とのカウンセリングを行う中で、トムが昔ながらの伝統的な家庭に生まれ、家族による影響が今もなお大きいことが分かりました。もちろん、彼は結婚が恋愛の最終地点であることを一度も疑ったことはありません。



20年前、トムはある若い女性と出会い、その3ヶ月後結婚しました。彼は4人の子供を授かり、子供はもちろん、奥さんを心から愛していました。温かい家庭にとても満足していましたが、少しでも楽な生活を送るため、毎日15時間、週7日、休むことなく働いていました。彼のこうした努力のおかげで、家族はシドニーのイースタンサバーブの素敵な1戸建てに暮らすようになり、4人の子供たちも私立の学校へ通うようになりました。もちろん、奥さんが働いたことは一度もありません。お金に困ったことはなく、家族は毎年数回に渡り海外旅行までする、とても贅沢な暮しを送っていました。



しかし、奥さんは彼の仕事漬けの生活に不満を持つようになり、一緒の時間を大切にしない、デートに連れて行かない、と文句を口にするようになりました。一方でトムは彼女に友人らと出かけるように勧めては、自分の発言や行動を後ろめたく感じるようになりました。次第に、奥さんは平常心を失い、トムがある日帰宅すると、「出て行って、もう一緒にはやっていけない」と彼女の方から別れの意思を伝えてきました。



始めのうちトムは自分を責めていたものの、後になり奥さんが実はもうひとりの男性と長年に渡って浮気をしていたこと、さらに別れてからまだ間もない6ヵ月後にその男性と再婚していたことを偶然知ってしまいます。離婚によって彼は財産を失ってしまうのですが、それ以上にひどく傷つき、自信も失ってしまいました。それから数年後、家族や友達の支えがあり、立ち直った彼は、新たな企業を立ち上げ、生活レベルも以前と同じところまで持ち直すことができました。しかし情緒的には不安定で、もう2度と傷つきたくないという思いから、結婚に対してとてもネガティブになるようになったのです。



そんな中、トムの結婚に対する消極性を悲観しない女性がひとり現れました。このトレーシーという女性は、トムが以前にとても傷ついたということを理解し、彼をプッシュしたり急かせたりせず、とてもリラックスした陽気な方でした。実のところ、彼女自身も即婚を望んでいませんでした。出会ってから3ヵ月間、ふたりはお互いの感情や結婚に対する意志に触れることなく、共通の趣味を楽しむことに専念し、ディナーや映画、ドライブを楽しみ、人生観や社会のこと、生い立ちなど、様々なことを話すようになりました。ふたりが交わす会話はとても気楽で、アクティビティもとても楽しいものでした。トムはトレーシーとであったら力を抜くことができ、トレーシーもトムとの時間をとても安心して過ごすことができました。



トムは徐々に過去のことをトレーシーに打ち明けるようになりました。驚くことに、彼女自身も結婚で苦労していることを知り、

同時に、彼女の辛い経験に対する前向きな姿勢や恋愛に対する自信を尊敬するようにもなりました。トムはまるで磁石のようにトレーシーにどんどん惹かれるようになりました。



そしてふたりがお付き合いを始め1年が経過した頃、トレーシーはトムから思いがけないプロポーズを受けたのです。現在ふたりは結婚6年目を迎えますが、出会ったときのようにお互いを愛しあっています。



トレーシーがトムとの関係を成功させることができたのは、彼女のプラス思考と正しい判断力にあったと私は思います。彼女は先入観を持ってトムと接するのではなく、彼の思考に合わせながら様々な判断を行っていたので、トムが何の理由もなく結婚に対して否定的になることはないと理解し、他の女性のように誤った判断をすることはなかったのです。トレーシーの理解力と辛抱強さがトムに再婚を決意するまでの時間やスペースを与えたのです。



人とお付き合いをする中で、時には不愉快なことも起こることでしょう。しかし状況を即断する前に、相手の立場になって物事を理解する必要があると私は思います。例えば、もしパートナーが引きこもり気味の場合、「私に興味がないのでは?」と解釈するのではなく、仕事で何かあったのか、健康に何か問題があるのではなど、考え方を変えてみましょう。



人とうまくお付き合いをするためには、自身を守ることも大切ですが、相手の立場になって物事を考えることも必要です。普段とは違う角度から状況を見ることで、リラックスでき、より良い関係を楽しむことができるのではないでしょうか。

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