オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
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Cheers インタビュー


日本を代表する歌姫が来豪!

Salyu サリュ

19/01/2015

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柔らかく伸びやかな高音とその声量。類まれなる独創性と歌唱力の持ち主は、Mr.Childrenの桜井和寿やスキマスイッチの大橋卓弥、一青窈、木村カエラなどから高い評価を受けている本物。Mr.Childrenを手がける音楽プロデューサー小林武史に「10年に1度の逸材」として発掘されたSalyuが、シドニーフェスティバル2015に登場する。来豪直前のSalyuにインタビュー!

 

 

 

シドニーは今回が初めてでしょうか?

 

私はそもそもオーストラリアに行くことが初めてです。ただ、元ラグビー選手の兄から、オーストラリアやシドニーの素晴らしさについてはさまざまな話を聞いてきました。私もそこへ足を運ぶことができてとても嬉しいです。

 

 

シドニーに対してどのようなイメージを持っていますか?

 

ありきたりになってしまいますが、ラグビーやオリンピック、オペラハウスなどですね。スポーツや観光というイメージがあるのかもしれません。

  

 

海外ライブでは、ロンドンのJAZZ CAFÉ LONDONやバルセロナでのSonar 2012に出演していますが、海外での反応はそれぞれいかがでしたか?

 

どの土地でも熱い歓迎をいただきました。国境や言語を超えて、私たちのサウンドに耳を傾け楽しんでくださるオーディエンスとの出会いは、私に音楽の持つ無限の平和性を教えてくれます。

 

 

10周年を迎えたSalyuさんですが、お名前の由来をお伺いしてもいいでしょうか。

 

所属事務所の社長であり、サウンドプロデューサーの小林武史さんからいただいた名前です。気分が上がり、おめでたい名前がよいと、乾杯という意味のSalut!から。

 

 

なるほど。ではそもそも音楽との出会いは?

 

小学1年生のとき、母のすすめで始めたピアノです。

 

ではどのようにして美声が生まれたのでしょうか。また、どのように声をキープされていますか?

 

私が美声かどうかはわかりませんが、そのように言ってくださってありがとうございます。私の歌の始まりは合唱団でした。子供の頃から大勢の美声とめぐり会ってきたことは事実です。そうした美声の記憶から、今でも刺激を受けていると思います。

 

 

その後、高校時代に入ると小林武史さんの目に止まり、この世界に入ったということですが、映画『リリイシュシュのすべて』で架空のシンガー・ソングライター役に抜擢されたときは、どのような心境でしたか? その頃からすでに歌手になりたいという目標を持っていましたか?

 

アーティストの小林武史さんと、リリイシュシュというキャストの生みの親である映画監督の岩井俊二さんは、当時の1998年、ちょっと文化に興味がある若者であれば、誰もが一目置くようなユニットであり、お2人とともに私もクリエイティブなときを過ごせることは大変に光栄なことでした。しかし、その現場に、自分らしくついていけるのか、常に不安だった…というのがとても正直な気持ちでした。

 

 

その後、イルマリさんとのコラボレーションで「VALON」をリリース後、「VALON-1」でデビューを果たされています。この曲はどのようなコンセプトでしょうか。

 

ヒューマニズムを掲げた作品です。リリースは2004年ですが、実はこれは、ちょうど9.11の後に作られた作品。国境や宗教の差異を超えて、何よりも最優先すべきは、今を生きゆく人の命の意味や可能性、その尊さを見つめ続けることであると。人間主義への、強い意志を掲げた歌であると解釈しています。

 

 

Mr.Childrenの桜井さん、音楽プロデューサーの小林武史さんとのコラボ作品「to U」も実に印象的ですが、どのようにして始まったプロジェクトだったのでしょうか。

 

ありがたいことに、小林さんからお声がけをいただきました。

 

 

震災に対して楽曲を出されていますが、震災からもうじき5年が経とうとしている現在、震災に対しての思いをお聞かせください。

 

現在もさまざまな環境にある方が大勢いる中で、私自身がどのように向き合い、できることがあるのか考えることもありますが、被災地の方々に自分の音楽を喜んでいただけるなら、いつでも歌を歌いに行きたいです。〝歌〟が力になればと思っています。

 

 

音楽制作はご自身でもされるのでしょうか。ひとつの楽曲を仕上げていくさいにご自身で心掛けていることなどはありますか?

 

私のCD制作は、基本的に作曲や作詞を自分で行わず、誰かに発注します。お願いしたい方が、現在はサウンドプロデューサーの小林武史さんであったり、コーネリアスの小山田圭吾さんであったりしています。あがってきた曲に誰の歌詞が理想的かプロデューサーと話し合います。小林さんの場合には詞曲が小林さんによって同時進行していくことが多い。私は曲のメロディー・リズム・ハーモニーと言葉をみつめて、これら4つの要素のうち、どの要素をフィーチャリングしたらよいか考えたりします。私の制作とは、まず自分の音楽に対する好奇心を広く泳がせることのできる環境を得ること。それは信頼できるクリエーターをわかること、声をかけること。それから彼らの独創性によって生まれてくる楽曲に、深く巡り合ってゆくことなのだと思います。

 

 

今回のシドニーではsalyu × salyu(サリュ バイ サリュ)名義で、オーストラリアでライブをされますが、そのsalyu × salyu(サリュ バイ サリュ)のプロジェクトについて、そのコンセプトをお聞かせください。

 

salyu × salyuはコーラスをコンセプトにしたプロジェクトです。私が〝クロッシング・ハーモニー〟という概念に出会ったことがきっかけとなります。〝クロッシング・ハーモニー〟とは隣り合った音という意味なのですが、ドレミファソラシドをピアノでいっぺんに押さえたときに鳴る音、いわゆる不協和音とも表現されるものなのですが、これを〝声という楽器〟で演奏してみたときに、まったくほかの楽器には出せないハーモニーを奏でることができるという声の不思議に出会いました。そして人の声というものの面白さ、人間、生き物の面白さなどをコーラスという形で表現できる! そのような確信がもととなり進んでいったプロジェクトです。

 

 

salyuとsalyu×salyuでは声の扱い方に違いがあるように感じました。salyu×salyuの場合には声自体が楽器のようなイメージを受けるのですが、salyuとsalyu × salyuの根本的な違いとは?

 

Salyuの場合にはメロディー。salyu × salyuならビート。推進力となっている音楽の要素が違っています。サウンド観においてもソロが辿るメロディーとコーラスが辿るメロディーとでは意識すべき倍音がだいぶ違っていると学びました。

 

 

コーネリアスさんとのコラボレーションはどのように始まったものだったのでしょうか。

 

先程もお答えしたようにsalyu × salyuはコーラスをコンセプトにしたプロジェクトであり、〝クロッシング・ハーモニー〟という概念を表現したいという想いから始まっています。そこで、以前から私が大ファンで深く尊敬していたコーネリアスさんであれば、〝歌〟というよりも、声も楽器のひとつの要素として捉えてくださり、興味を持ってくださるのではと思い、ぜひ一緒に!とお声がけしたところ、コンセプトに興味を持っていただき、一緒にアルバムを作るという流れになりました。

 

 

今回のシドニーフェスではどのような曲を歌われる予定でしょうか。

 

約4年前にリリースしたアルバム『s(o)un(d)beams』を中心としてお届けします。アルバム中のコーラスはすべて私の声の多重録音ですが、ライブでは、ひとりコーラスのパートナーを迎え、ふたりで歌っていきます。ふたりの人間の声に加えて、ハーモナイザーやループマシンなども使います。ライブだからこそ意味のあるコーラスワークを目指したいと思っています。

 

 

キルビルでもタランティーノ監督が、Salyuさんの声に惚れ込んだように、海外公演において、Salyuさんの音楽はボーダーレスですが、その一方で言語の部分で伝わりにくいという言葉の壁もあるのでしょうか? 表現者として、そこはどのようにお考えでしょうか。

 

難しい質問ですね。言葉の壁はできるだけ薄く低いほうがいい(笑)。言語が伸び伸びと飛びかえば、人と人とが具体的に確認し合える事柄が増すことは間違いありません。私はその点、残念なことに母国後以外はすべてNGです。今は少なくとも世界共通語とされる英語は話せるようになりたい思いでいっぱいですが…。ただ音楽という世界にあるメッセージは、必ずしも言葉の意味合いということに限りません。たとえば楽器奏者とは、奏でる音色によって、発言することのできる能力のある人であると思います。歌には言葉があります。でも私は、どちらかといえば、曲の中に存在する言葉の価値とは、その意味合いというものではなくて、その曲が備えている魅力の核へと、聴き手を近づかせるための、音楽的一要素(サウンド)であると捉えています。

 

 

最後に、当日会場に訪れる日本人、オーストラリア人にそれぞれメッセージをお願いいたします。

 

ドニーでライブを行えることを心から楽しみにしています!

 

 

 

プロフィール

Salyu(サリュ)歌手。1980年10月13日生まれ、神奈川県出身。O型。高校生の頃、友人のバンドのライブに触発され歌手になることを決意。その後オーディションを受け、音楽プロデューサー小林武史の目に留まる。小林プロデュースのもと岩井俊二の映画『リリイ・シュシュのすべて』でデビュー。作中に登場する架空のシンガー・ソングライター「Lily Chou-Chou」としての活動を行う。「ILMARI」とのコラボレーションなどを経て、2004年に『VALON-1』でソロデビュー。2006年には作詞に一青窈を迎えたシングル「Tower」を発表。また、Bank Band with Salyuとしてシングル「to U」が発表された。シングル「プラットホーム」は自身のシングル作品として最大の売上を記録。2007年には自身初のゴールドディスク認定(日本レコード協会)を受けた。2011年、「salyu × salyu」プロジェクト第1弾としてCornelius=小山田圭吾との共同プロデュース作品『s(o)un(d)beams』を発表し『salyu × salyu tour s(o)un(d)beams』を成功させる。2012年には初の海外ライブとしてsalyu × salyuがロンドンのJAZZ CAFÉ LONDONとバルセロナで開催のSonar 2012に出演。2011年1月19日にはソロプロジェクト「salyu × salyu」(サリュ バイ サリュ)を開始した。歌声に関しては小林武史をはじめ、Superflyの越智志帆やスキマスイッチの大橋卓弥、くるりの岸田繁、Mr.childrenの桜井和寿などから高い評価を受けており、「天に向かい地に響く声」「日本のビョーク」と表現されている。2014年に10周年を迎える。

 

来豪ライブ情報

SYDNEY FESTIVAL 2015 8-26 JAN Cornelius Presents salyu x salyu

ライブ会場:The Aurora (Hyde Park North)
日時:1月23日 5:15pm
入場料:$49 (スタンディングチケットオンリー)※18歳以下は成人と同行
チケット購入:
SYDNEY FESTIVAL 2015
Online: https://tickets.sydneyfestival.org.au
Tel:1300 856 876
Ticketmaster
Online: www.ticketmaster.com.au/
Tel:1300 723 038

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