28/03/2018
3月10日、シドニー郊外にある町ソンリーのブリックピット・バスケットボール・スポーツ・スタジアムにて、バスケットボールNSWのセミプロリーグ『ワラタリーグ』に参戦するチーム『ホーンズビー・クーリンガイ・スパイダース』の初戦が行われた。スターティングメンバーには体格に恵まれた長身のオージーに交じり、小柄な日本人の姿があった。日本やアメリカでプロの経験を経て、オーストラリアでチャレンジするバスケットボーラー伴晃生選手にインタビュー!
ワラタリーグ初戦となりましたが、本日の試合はどうでしたか?
※1991年に創立したワラタリーグは、11チームがリーグ戦を通して競い合うNSWの2部バスケットボールリーグ。
まずはシーズン初陣を楽しめたと感じています。オーストラリアの会場の雰囲気や試合中の雰囲気を感じることができ、やっとこの地でプレーできたんだなという実感があります。
スターティング・メンバーで選ばれていましたね。事前に通達があったのでしょうか。
いいえ、試合前に突然「コウセイはスタートだよ」と言われました。
選ばれてどう思いました?
ヘッドコーチとの普段の練習であったり、これまでのプレシーズンのゲームでの評価の結果だと思っているので、スターティングメンバーとしての起用は納得しています。
所属しているホーンズビー・クーリンガイ・スパイダースとはどのような特徴のチームでしょうか。
能力やテクニックがずば抜けて高い選手に頼るチームではなくて、チームプレイでスマートに効率よくバスケットをしましょう、というチームですね。自分もどちらかと言えば頭を使ってバスケットをするタイプなので、そういった意味で自分にスパイダースは合っていると思います。
英語でのコミュニケーションはどうでしょうか?
頭を使うチームなのでそれなりにコミュニケーションが必要ですが、最低限の意思疎通はとれているのかなと思います。練習中も言い合いがあったり、時には喧嘩もあったり。ゲーム前日の練習では自分も言い合いをしたばかりです。バスケット用語は基本的に英語で世界共通なので、アメリカでの経験も生きて、意思疎通はできていると思います。
試合中も結構喋ったりするんですね?
そうですね。喋りますけど自分はどちらかというと、言い合うタイプではなくてサインだけを出すタイプですね。
2枠しかない外国人枠のひとつを勝ち取った伴さんですが、トライアウトでは手応えを感じましたか?
手応えはありました。ほかのチームもいくつか受けてオファーはいただいたのですが、自分でスパイダースに入りたいと思えて決めました。それは、トライアウトでもチームプレーを重視したようなチーム作りが見えていたからです。そこが自分にも合ったし、また、そこを評価されたんだろうと思います。
ちなみに伴さん以外で注目選手はどの選手ですか?
4番のノアー・クリアはうまいですね。ハーフイタリアンのオージーで、以前イタリアのプロリーグなどでも活躍した選手です。テク二ックもフィジカルも強いし、何よりスマートな選手なのでリスペクトしています。
日本人で同リーグと契約を果たした選手は過去にいないようですが、どのような気持ちで初戦に望みましたか?
本当に情報がない中で、なんとか手探りで掴んだチャンスなので、不安とワクワクした期待と半々で試合には臨みましたが、やっぱりバスケットは楽しいですね。オーストラリアはオーストラリアなりのバスケットの文化があって、それは日本ともアメリカとも違う感覚ですごく新鮮です。初戦でこれだけ楽しめたので、次のアウェイ戦で別のチームと対戦したりすれば、また違う気づきがあるんだろうと思うとワクワクします。ただ、環境や状況は変わっても自分自身のプレーはブレずに、コンスタントにチームの勝利のために活躍して、日本人でもオーストラリアで通用するんだというところをアピールすることが自分の役割だと感じています。
今日の試合だけで、すでに日本人の評価が上がったのではないでしょうか。
前例がないから日本人もアタックできていないだけだと思うので、自分が先駆者となって道を作れたらなと思っています。もちろん自分自身が楽しんだり成長したりすることも大事ですが。しっかり結果を出して日本人の居場所を作るというか、そこは今後も意識してやっていくつもりです。
今回3度目の海外チャレンジとなりますが、オーストラリアを選んだきっかけは?
まず英語圏というところと、世界ランキングでもトップ10に入る国なので、ここでも何か自分が成長したり、日本人がレベルアップするためのチャンスがあるんだろうという思いを持って来ました。いろいろリサーチしていても情報が出てこなかったところで、ジャパマイトのイケタニさんと出会うことになりました。ジャパマイトではバスケット留学を押していて情報も詳しかったので、僕の方から連絡をすると話はスムーズに進みました。アメリカ経験もあったのですが、英語もまだまだ学びたいという気持ちが強かったので、いまは語学学校に行きながらバスケットをしています。そういった意味で考えると、オーストラリアは自分の理想にマッチする環境だと思います。
オーストラリアの選手と実際に肌を合わせてみて、どういった印象をお持ちでしょうか?
正直、スキルはそこまでではないと思いますが、フィジカルの強さを感じました。オージーの大胆な性格がバスケットにも出てるなと。とりあえず体を生かしたプレーが多く、質や細かさはやっぱり日本の方が優れていると感じました。ただここでの経験はすぐに自分自身のプラスになりました。もっとフィジカルを上げていかないと通用しないという課題が見えたので。世界で戦うことを突き詰めて考えるとフィジカルの強さは必至です。バスケットはボールが高いところを移動するため、どうしても大きい選手が有利なスポーツなので、そうなると小さな体でも負けない体の強さや小ささを補うテクニックが自分には必要で、そこはオーストラリアで活躍するための最低条件だなと。チビで体も弱いとその穴を攻め込まれるので、鍛えて対抗できるようにしなければいけません。日本ではそうは感じたことはなかったですが、海外に出るとやっぱり感じますね。
試合を観戦していていると、伴選手がパスを裁いて流れを作っていくパターンをよく観ることができました。初戦を経て、フィジカル以外にも自分自身に課題は見えましたか?
もっと得点を取るというか、リングに向かってアタックしたり、それに関わるプレーをした方がいいと感じました。どうしても点が止まる場面は生まれてしまうもので、そこで自分が攻めて打開する必要があると思いました。一方でチームとしては個々であるよりかは、チームオフェンスを重視するので、バランスが必要なんですけど、しっかり自分で状況判断して、試合の中でゲームを作りながら考えて、時折そういった空気を変えるプレーを出していけたらいいと考えています。
オーストラリアでの生活は慣れましたか?
いま5ヵ月ですが、自分の目的に沿って生活ができているのでめっちゃ楽しいですね。朝ジムに行ってから語学学校に行って、終わってからまたジムに行って。練習して週末には試合というルーティンなので、ノビノビと生活しています。いまはノースに住んでいますが、美味しいお店が多くて、体を大きくしたいのでたくさん食べるようにしていますね。
お休みの日はどう過ごされていますか?
あまりまとまった休みはとらないのですが、休めるときは釣りに行ったりとか、DVDを観たりしてリラックスしていますね。目的を持って毎日忙しくする生活が好きなので、あっという間に毎日が過ぎていきます。
アメリカでプレーされていたときのことをお聞かせください。
IBL独立リーグのベリングハム・スラムというチームで、完全にアメリカ人の中にひとりで入ってプレーしていました。2014年度のシーズンではリーグ優勝、チーム3連覇に貢献することができました。アメリカには外国人枠などはなく、完全に実力主義のなかでやっていました。バスケットの文化としてはアメリカが最上というのはありますが、生活の充実度はオーストラリアの方がはるかにいいですね。食べ物も美味しいし、生活のバランスがとてもいいので、気に入っています。
そもそもバスケットを始めるきっかけは?
4つ上の兄貴がいるんですけど、兄貴が最初にバスケットを始めて、それを見て自分もやりたくなって小1から始めました。たまたま小学校のチームも強くて日本で全国大会に出るようなチームで、練習は厳しく、ハードに鍛えあげるチームだったので、ある程度そこで技術やメンタルを鍛えられた部分はありますね。いま振り返ってもあの頃は毎日きつかったですね。
プロを意識しだしたのはいつ頃でしたか?
小学校3年生にはNBAとか日本のプロ選手をテレビで観てカッコいいなと憧れていて、いつか自分もこうなりたいなと思っていました。
たくさんの人がプロに憧れていてもプロになれる人は一握りです。なれる人となれない人の違いとは何でしょうか?
正直、運が大きいと思います。努力や考え方などの要素は確かにあると思うんですけど、僕はご縁と運が人よりも長けてる、という言い方をするかわからないんですけど、持っていたんだろうなと思います。世の中にバスケットがうまいヤツなんてたくさんいるし、そこで誰がなるかなんて本当にわかりません。もちろんどうやったらプロになれるかっていう追及は自分の中で考えてましたが、それは皆当然していることで。振り返るとたまたま運が良かっただけだと思っています。
今後の目標をお聞かせください。
よりレベルの高いところでプレーをしたいなという思いがあるのですが、プレーグランドはアメリカや北欧だけがいいとは思っていません。自分が成長できて充実した生活を送れる場所に身を置いて、バスケットのキャリアを積んでいければと思います。世界中どこでもバスケットはやっているので、チャンスがあればいろんな国でやってみたいですね。オーストラリア国内の目標は、NBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)。そのレベルだったらもっとフィジカルやテクニック、ファンダメンタルを上げないといけません。ワラタリーグでどれだけ自分ができるのか、また次のレベルで戦うにはいま自分に何が足りないのかを感じるために戦っています。
チアーズ読者へコメントをお願いします。
バスケット観戦は間近で観れて迫力もあるのでめっちゃ楽しいです。ゲーム展開が早く退屈になりにくいスポーツなのでぜひ一度観に来てみてください。外国人枠の外国人が一番小っちゃいんかい!とツッコミを入れたくなるような、小さな日本人の自分がオージー相手に何をするのか、そこが見どころですよ!
伴選手が直接キッズに教える! バスケアカデミー開校!
日時: 毎週日曜 14:00~15:30
場所: Cook & Philip Aquatic and Fitness Centre
(4 College Street Sydney)
費用: 20ドル/1回 ※5-16歳対象
お問い合わせは
0432-552-683 (ユウト)までSMSをお送りください。
ホームゲーム日程
3月18日(日)16:00- vs Penrith Panthers
4月21日(土)17:00- vs Manly Sea Eagles
4月28日(土)17:00- vs Sutherland Sharks
5月5日(土)17:00- vs Hills Hornets
6月2日(土)18:00- vs Central Coast Crusaders
6月23日(土)17:00- vs New Castle Hunters
6月30日(土)20:00- vs Sydney Comets
7月14日(土)17:00- vs Norths Bears
8月4日(土)18:00- vs Bankstown Bruins
愛媛から世界へ
伴 晃生(バン コウセイ)
1993年9月3日生まれ、愛媛県松山市出身、身長170cm
小学校1年生のとき、兄の影響でバスケットボールと出会う。松山市立味酒小学校では、第36回全国ミニバスケットボール大会出場し、平成17年度愛媛県優秀選手賞受賞。松山市立勝山中学校では、クラブチーム「クロスロード」応時杯優勝。愛媛県立松山工業高等学校では第40回、41回、42回ウィンターカップ出場、第63回インターハイ出場、第65回国民体育大会出場、平成23年度愛媛県優秀選手賞受賞。その後幼い頃からの夢を実現するため、国士舘大学を中退して単身渡米。2012~2013年にアメリカ独立リーグ"IBL"のNippon Tornadoesに入団。その後、2014年にBellingham Slam (ベリングハム・スラム)に入団。2014年度シーズンにリーグ優勝。チーム3連覇に貢献した。日本帰国後の2015〜2016年に大分・愛媛ヒートデビルズ所属。2016〜2017年に愛媛オレンジバイキングス所属。2017年にSeattle Summer Leagueに参戦。2018年現在、オーストラリアのWaratah LeagueのHornsby Ku-Ring-Gai Spidersと契約。
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