30/04/2018
Interview
世界で活躍するフィメールDJ
DJ LICCA
可憐で繊細な容姿から奏でるリズムは、想像もつかないような、ディープで力強いサウンドだった。DJ LICCAは、唯一無二の存在として現在進行形で、たくさんのオーディエンスを魅了している。ブリスベンでのファーストギグを終えたばかりのLICCAの素顔に迫った。
DJキャリアが今年で16年ということですが、そもそもDJを始めることになったきっかけは何ですか?
当時、まだ学生でクラブも行ったことがないような状況だったんですけど、就職する前の最後のアルバイトと思って、Manhattan Records Westのスタッフ募集に応募しました。そこで採用されて、インストアDJからなんとなく始めてみて、外からも声がかかるようになっていったのがきっかけです。
クラブに行ったことなかったんですね? 意外です(笑)。
はい(笑)。音楽は大好きでしたけど、人混みは苦手ですし、お酒もまったく飲めないので、いまだにクラブは苦手です(笑)。
Manhattan RecordsのインストアDJから、バーやクラブなど、さまざまなシチュエーションで、キャリアを積んできたと思いますが、人気テレビ番組のエンディングやエイベックスからのメジャーデビューなど、アイドルDJとして活躍した時期については、どう振り返りますか?
当時、ヒップホップやR & Bは、まだ男性DJがたくさん活躍していましたし、やはりヒップホップDJは、少し怖いような、男っぽいイメージがあったと思うんです。なので内容はヒップホップでも、外見からは入りやすくなればいいのかなと思いました。私がDJ LICCAとして、今までヒップホップに興味がなかった一般の人との架け橋になればなという思いでした。けど入口はどうであれ、軸はしっかりヒップホップをやっていたので。自分的にも、面白いことしてるなと思っていましたね。
2014年、自身のプロデュース曲「MIKAZUKI」を収録したEDMのミックスアルバム『LED MAGIC』の発売と全国ツアーを成功させましたね。ヒップホップからEDMのアーティストとして新たな挑戦は、どんな感覚だったのでしょうか?
そうですね。まずカルチャーのある音楽がもともと好きだったので、そういう意味ではEDMというジャンルがブームになっていくに連れて戸惑いもありました。けど食わず嫌いもしたくないなと思っていました。とりあえずその時期に、DJの勉強のために、イビザへ事務所の人たちと行ったんです。そこで寝てる以外のすべての時間を音楽を聴くこと、感じることに使ってみました。ビーチにはビーチに合う音楽があって、夜のラウンジにはそこに合う音があって、シチュエーションDJとしてやってみたいなと思いました。そこで、ハウスミュージックの楽しさにも魅了されて、そこから、EDMへ…ですかね。EDM DJとしても活動を始めようと決めてからは、24時間四六時中、EDMばかり聴いていました(笑)。
その頃、アジアのクラブでもEDMミュージックが盛り上がりを見せている中、シンガポールで人気のクラブ「BUTTER FACTORY」にて、メインDJのレギュラーなど、海外からのオファーも増えていったと思います。遂に、2013年頃から、「Top 10 of Asia Best Female DJ」「TOP 13 Hottest Asian Girls DJs」など、数々の賞を受賞していきましたが、知名度が上がるに連れてのプレッシャーや心持ちはいかがだったのでしょうか?
そうですね。海外での仕事が増えて行くのは単純に嬉しかったですし、楽しかったです。あと、まさか自分がDJで賞など取れると考えたことがなかったので、本当にサプライズのプレゼントというか、ただただ感謝でした。色々挑戦してきて、続けてきてよかったなと改めて思いましたね。
アジアを舞台に現在進行形で活躍中のLICCAさんですが、今回、初のオーストラリアでのDJはいかがでしたか?
オーストラリアの空気感とか、すごく好きになりました!色々な人種の方がいて、自分の楽しみ方があって、そして、しっかりと空間を楽しんでいて、ハッピーなオーラがたくさんあるなと思いました。自分自身のDJプレイに関しては、色々な感覚の人を、同じ時間に楽しませないといけないので、今までにない感覚を味わったというか、またプレイの仕方の楽しみが増えたというか、次回また機会があるなら、ぜひ挑戦したいなと思っています! 曲のかけ方など、もっと仕上げていきたいです!
30代に入って、DJとして、女性として、これからのビジョンなどはありますか?
今まで見た目で勘違いされることもあって、だからこそちゃんと技術で見せたいという気持ちが強かったので、しっかり、真剣にDJだけに集中して生きてきました。ので、独身です(笑)! けど、本当に軸をしっかり持ててよかったなって思っています。DJをしっかりと本気でやってきたことは、女性DJが溢れる現状でも、私の強みになっています。知ってもらうために、聞いてもらうために、流行りもやって、アイドルっぽいこともやってきたんですけど、そろそろ自分にしかできないことや、もっともっとオリジナリティのあることなど、合わせ過ぎない大人のプレイができればなと思っています。
長年、クラブシーンやミュージックシーンにいて、辞めたくなったり落ち込むことはないですか?
あまりないですね(笑)。昔はあることないこと言われてきた経験もあってか、強くなりました(笑)。自分さえしっかりしていれば、気にならないですし、DJが本当に好きですし、逆に「いつでも辞めれる」と思っているからこそ、続けられるというか、プレイでぶつかった壁は、逆にワクワクに変えて超えていきたいですし、本当に恵まれた環境で過ごせていると思います。
オーストラリアで、生活している日本人の方にエールやアドバイスをお願いいたします!
日本を出て、外国で過ごすことに挑戦しているなんて、それだけでも本当に尊敬しています。逆に私が勇気をいただいたような感じですね(笑)。「本当に行動は大事だな、私も頑張ろう!」って思います!
DJ LICCA プロフィール
京都出身。2002年よりManhattan Records WestでのアルバイトをきっかけにDJとしてのキャリアをスタートさせる。シンガポール、韓国、台湾、マレーシア、インドネシア、ベトナム、カンボジアなど、海外での巧みなDJプレイが評判になり、「TOP 10 OF ASIAN BEST FEMALE DJ 」など、数々の賞をアジア諸国で受賞した。2012年、エイベックスよりメジャーデビュー。アルバム『SPREAD LOVE』は、MIX CDにも関わらず、8000枚のセールスを記録した。これまでに、TLC、NICKI MINAJ、DAVID GUETTA、STEVE AOKI、BLASTERJAXX、UMMET OZCAN、BIGBANG、LMFAO、KARA、JUICY Mなど、世界規模の豪華メンバーとのDJセッションも成し遂げている。
SNSで最新情報をゲット!
メールで最新情報をゲット!
メールを登録する