29/11/2018
シドニー出身の女優、日本映画祭ゲストとして来豪
忽那汐里さん
11月25日に閉幕した第22回日本映画祭に、出演映画『オー・ルーシー!』のスペシャルゲストとして来豪された女優の忽那汐里さん。今や日本のみならず、世界でも活躍する国際派女優は、実はシドニーで生まれ。14歳の頃まで、現地校にて教育を受けてきた忽那さんに、今回の作品について、そしてデビュー間もない頃についてうかがった。フルストーリーは、12月15日号チアーズにて。
収録:11月23日
いつぐらいぶりの来豪になりますか?
プライベートでは数回来ていましたが、お仕事で来るのは久しぶりですね。
オーストラリアで生まれ育たれた忽那さんですから、やはりシドニーに戻ったさいはほっとした気持ちがあるのでしょうか?
そうですね。今年はいつもより少し涼しいですが、この時期は過ごしやすいので好きですね。
第11回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞されたことで、それまでの生活が一変し、翌年には女優として日本でデビューを飾られていますが、それまで英語圏で過ごされてきました。実際、日本へ帰国したさい、日本語はもちろん、文化の違いなど、戸惑いを感じることはありましたか?
シドニーに住んでいたころは日本人が少なくて、実際私が転校してくるまで学校にいる日本人はひとりでした。ですので、やっぱりアジア人であり、日本人であるという意識が強かったと思います。でも実際日本にいくと、同い年のクラスメートとの感覚や考え方がぜんぜん違うことにすごく戸惑って、やっぱり私のベースはオーストラリアなんだなと気づきました。
14歳まではこちらの現地校で教育を受け、土曜日に日本語学校へ通うという生活をされてきましたが、日本に帰って馴染むのは大変でしたか?
ちょっと時間はかかりました。子供の頃は学校で過ごすことが一番多いと思いますが、学校の環境や教育、モラルなど、そのすべてがある意味日本とオーストラリアでは180度違うので、戸惑いました。日本はなるべく集団で行動する、みんな同じであり、和を営む一方で、オーストラリアではインディペンデントに育てられてきました。めちゃくちゃカルチャーショックでした。
『アウトサイダー』や『デッドプール2』など、今や国際派女優として、海外の映画にも出演されうようになりました。生まれも育ちもオーストラリアですが、容姿はアジア人です。そういったご自身の立場から、今後どういった役柄に挑戦したいと思われていますか? ご自身が目指すところを教えてください。
近年、日本人の役はだんだんと日本人が演じるようになってきました。今まではアジア人というくくりで、他の国の方、中国の方などが一生懸命日本語を話して演じられてきましたが、そういったところはやっぱり日本人である私が、演じることができるのであったら演じたいですね。また日本の文化やダイバーシティ(多様性)など、ちょっと違った感じで解釈されているところもあるので、その辺りをオーセンティックな日本人として、そういった役をしっかりと演じ、伝えられたらな、と思っています。
今回の来豪で、特にやりたいことや、会いたい人などはいますか?
1、2歳の頃から知っていてる幼馴染と会いたいですね。今は美容師をやっているんですけど、今日も髪をセットしてもらいました。今回初めて一緒にお仕事ができ、とっても嬉しかったです。
今後の予定を聞かせてください。
来年、結構日本の方にも親しみのあるアメリカの作品に出る予定でありますので、楽しみにしていてください。
最後に、読者の方にメッセージをお願いいたします。
オーストラリアにいる頃から馴染みある媒体だったので、今回取り上げていただき嬉しいです。私はオーストラリアのおおらかな感じが大好きです。こちらにいる日本人の方にもがんっばっていただければと思います。
Profile: 忽那汐里
1992年、シドニー生まれ。キラニーハイツ育ち。2006年にオスカーコーポレーションの「第11回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞。翌年、『3年B組金八先生』第8シーズンで女優デビュー。2011年には映画『少女たちの羅針盤』『マイ・バック・ページ』で第85回 キネマ旬報ベスト・テン 新人女優賞、第66回 毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞受賞。2013年、第37回 日本アカデミー賞 新人俳優賞(『許されざる者』『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』)。2015年には日本とトルコの合昨映画『海難1890』でヒロインに抜擢、侯孝賢監督のオリジナル・カットに出演の『黒衣の刺客』も公開になる。2016年、ウェイン・ワン監督『女が眠る時』でビートたけしと共演。2018年、映画『ザ・アウトサイダー』『デッドプール2』でハリウッドデビュー。日本語と英語のバイリンガルで、国際派女優として注目されている。
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