23/08/2019
日本人にとって馴染み深い和太鼓の美しくも力強いパフォーマンスで世界を魅了する和太鼓集団『倭 - YAMATO』が、2度目となるオーストラリアツアーのため来豪中だ。明日、8月24日にはパラマタのリバーサイドシアターで2度の公演を控えているメンバーの日高元さんに公演目前インタビューを行った。
チケットは下記から:
https://riversideparramatta.com.au/show/yamato/
Q. 和太鼓倭は、いつ、どこで、どのような経緯を経て誕生したのでしょうか。
「倭」結成は1993年、地元の神社の祭へ、オリジナル曲「日向」をひっさげて参加したことがきっかけです。これまでに世界54ヵ国に招聘され、3800公演以上のパフォーマンスを行い、800万人を動員してきました。多彩なフォーメンションによる演奏は高い評価を得、評判が評判を呼び、英国メディアでは「肉体の音楽」と称えられました。
Q. 現在のメンバー数をお聞かせください。
約20名のメンバーで活動しております。基本は2班体制で動くことが多く、現在はスペインとオーストラリアでのツアーが同時進行しています。
Q. 活動の目的、コンセプトをお聞かせください。
1993年結成以来のモットーは「呼はれれはどこへても行こう! 世界中を元気にしよう!」です。その言葉を胸に、世界中を駆け回り、1年に200回を超える公演を毎年させて頂いております。
Q. 年間を通してどのようなスケジュールで活動をされているのでしょうか。
1年のほぼ半分以上が海外での生活となります。ある日はモスクワで公演をしていたと思えば、次の週ではアテネで公演ということもしばしば。時々帰れる日本で、うまいラーメンを食べ、いつも行く地元のスーパー銭湯で湯に浸かり、「ああ、やっぱり日本はええなぁ」と実感したりします。
Q. いままで何ヵ国でパフォーマンスをされたのでしょうか。
私自身は、多分ですが30〜40ヵ国ぐらいで舞台に立たせて頂きました。
Q. 初舞台のことは覚えていらっしゃいますか?
入団1年目、まだ研修生なりたてほやほやのある日、倭代表の小川正晃に「明日からツアー行こか」と突然話がありました。まだ入団して2週間あまり、私はまったくなんにもできないやせ細ったガリガリのガキンチョでした。本隊のメンバーはオーストリアのウィーンで2週間の公演を敢行中。そのツアーに参加をさせて頂く、しかも出発は明日?!。「えええ?!!」という感じで、荷物をまとめ、お土産に天下一品のラーメンを持参し、翌日代表と一緒にウィーンに飛びました。そこが倭で訪れた私の初めての外国の地でした。到着したさいは1月の終わり頃、ウイーンは極寒の雪景色。気温は確かマイナス20℃ぐらいだったと思います。若さも相まって「全然寒くないです!」とか言っていたものの、味わったことのない突き刺さるような寒さ。見るに見かねた代表が私に厚手のジャケットを買って下さったことは、今も鮮明に思い出せる、一生忘れない思い出です。まさに「命の恩人」でした。
Q. どこの国が特に思い出深いでしょうか? そのエピソードもお聞かせください。
とっても難しい質問ですが、私個人としましてはやはりオランダだと思います。
オランダは、倭が世界ツアーを行った初めての国でもあります。とても倭と関わりが深い国でもありますが、私はそこで太鼓の指導にも当たらせて頂いております。「Yamato Taiko School」という名で、現在アムステルダム、デンハーグ、ユトレヒトの3都市で教室をさせて頂いており、約200人のオランダ人が一心不乱に毎日太鼓を打ち込んでおられます。もしいつかオランダに来られることがあれば、ぜひ「Yamato Taiko School」に顔を出しに来てください!
Q. 1998年には世界最大の芸術フェスティバル「エディンバラフェスティバルフリンジ」にも参加されていますね。そのときのことをお聞かせ願えますでしょうか。
はい、私自身はその当時まだ倭に入団していなかったのですが、このフェスティバルの参加がきっかけで倭が大きく動いていったということをお聞きしております。このフェスティバルの初日に、The Scotsmanという有名な新聞が公演のレビューを書いてくださり、そのレビューが翌日の新聞に大きく掲載されました。「Pure Energy Meets Spiritual High」というタイトルで、評価が厳しいとされる新聞から5つ星を頂いたそうです。その日から約1ヵ月23公演が続きましたが、公演は全て完売。「スピリットオブフリンジ賞」という特別賞を受賞されました。
Q. 昨年のオーストラリア公演はいかがでしたか?
昨年は、倭にとって初めてのオーストラリアツアーでした。全体的にそれほど英語も喋れず、オーストラリア特有のアクセントに悪戦苦闘しながらも、毎日劇場クルーやトラックドライバーとコミュニケーションを図りました。運転も自分たちで行ったのですが、とにかくひたすら何もない道を永遠と運転することもありました。時々現れるカンガルーに全員で興奮したのを今でも覚えています! 幸いたくさんの方が公演を観に来てくださり、「今まで見てきたパフォーマンスでダントツに良かったよ!!」と仰ってくれるお客さんもいました。
ツアーライフは正直ホンマにしんどいのですが、そういったお言葉を頂く度に「よし、明日も頑張ろ!」と心が充電されます。
Q. 16ヵ所回られたようですが、印象に残っている場所はありますか?
やはり、そりゃなんと言ってもシドニーですね! 2日間公演を行いましたが、とにかく盛り上がりました。色々な人種の方々が観に来てくださったことも印象的でした。和太鼓って本当に不思議な楽器だと思うのですが、「ドーーーン!」って鳴るだけなのに、それぞれの国境を超えて、なぜかそれぞれの心に響いてくれます。なんなんですかね。本当に不思議な楽器だと感じます。
後は、西オーストラリアのEsperanceという街で、イルカにも遭遇しました。
あれも凄く感動的でした。「こっちおいでーー!」と呼んだら、本当に来てくれたんですよ!今年もまた訪れるので、また会えるのをとても楽しみにしております。
Q. オーストラリア人の太鼓に対する反応はいかがでしたでしょうか。
そうですね、やはり公演が始まる瞬間は「皆さん緊張されてるな」と感じることがありました。「和太鼓」は「日本の伝統楽器」ということで、ある程度身構えてしまうところがあるのだと思います。しかし公演が進むに連れて、段々席から身を乗り出し気味に座られたりするのが分かったり、「あ、笑っても良いんだ」と肩の力が抜けていくということも、お客さんから感じ取れました。後は、万国共通だと思います。本当に喜んでくださったときの熱のこもった拍手というのは、我々にとって何にも代えがたいご褒美になります。
Q. アボリジニーのディジュリドゥとのコラボレーションなどは、企画されたことはありますか?
いえ、これまでそういった経験がないのですが、倭としては大変興味があります。また誰かアーティストを紹介して下さい!
Q. 明日8月24日(土)に、Parramattaで2回公演されますが、ショーの見どころをお聞かせください。
爆音あり、笑いあり、人によっては涙あり、というところでしょうか。
最後の曲では、女性の打ち手が、舞台で一番大きい大太鼓を打ち鳴らします。
迫力満点だと思います。
ツアーは9月の中頃まで続きます。最後はWestのMandurahという地で公演を行います。詳しくはwww.yamatodrummers.comからスケジュールをご確認下さい。
Q. 楽曲や振付などは、どのようにして生まれるものなのでしょうか。
これらはすべて、倭代表の小川正晃が製作しております。始めに曲の楽譜が配布され、それらを声に出して暗記します。「手合わせ」という形で、太鼓とバチなしで練習をします。その後皆で太鼓の練習を行い、振り付けや段取りを、小川の指導の元、行います。曲が「完成」するという感覚はあまりなく、ツアーの最中にも少しずつ変化していきます。ツアー中に公演を複数回観に来てくださるお客さんは、「あれ、あの曲前と少し違う?」と感じられる方もいるかと思います。
Q. ずばり倭にとって和太鼓とは? また、和太鼓のパフォーマンスを通じて、オーディエンスに何を伝えたいでしょうか。
倭が活動において最も重要たと考えているのは「観客とのエネルキーの交歓」てす。「倭」はこれまで、出会ったすべての人に和太鼓や倭のパフォーマンスを通してエネルギーを届けてきました。そしてまた、観客のみなさんから膨大な量のエネルギーを受け取って来ました。「倭」の舞台や太鼓は、観客のみなさんのエネルギーによって作られているという実感かあります。だから、今回のパフォーマンスにおいても我々は、「情熱」を以って「倭」のエネルギーを観客に届けたいと考えています。そして、もしできることならば、観客のみなさんからの「情熱」を「エネルギー」を、受け取りたいと願っています。今回の「情熱 - Passion」というプログラムによって、観客のみなさんを鼓舞したいと考えています。そしてなによりも! 倭は情熱と情熱のふつかり合いを期待しています! 観客のみなさんとの情熱のふつかりあい! そこから燃え上かる炎! 倭はこの作品によって「情熱」を爆発させてみます。
Q. 倭としての今後の予定、今後の目標をお聞かせください。
オーストラリアツアーが終わりましたら、一旦日本に帰国予定となっています。
倭の本拠地である奈良県明日香村で「古都飛鳥文化祭」というお祭りが10月にあり、そのお祭に向けて準備を始めます。来年2020年は、1月から約3ヵ月に渡るアメリカツアーを予定しており、そこからまたヨーロッパ等での公演が続々と決まってきております。今回のオーストラリアのツアーを成功させ、また近い将来戻って来たいとも考えております!
Q. 海外頑張っている若者にアドバイスをお願いします。
私から何もおこがましいことを言える立場ではありませんが、しかし、ひとつだけ言わせてください。「ぜひ、YAMATOの公演を観に来て下さい!」もしかしたら、少しエネルギーを得られるかもしれません。もしかしたら、次の一歩、いや半歩を踏み出せるきっかけになるかもしれません。もしかしたら「日本人で、良かったなぁ」と胸の奥で感じる事があるかもしれません。映像や音源では伝わらない「YAMATO」のエネルギーを、ぜひあなたの五感で感じ取って頂きたいです。皆さん、8月24日土曜日、ParramattaのRiverside Theatreでお会いしましょう!絶対ですよ!!
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