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ボンダイ・レスキュー2009 RESCUE最前線、ライフガードに迫る

ボンダイビーチ・ライフガード

地元の子供たちの憧れの存在

21/01/2010

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ボンダイ・レスキュー2009 RESCUE最前線、ライフガードに迫る

ボンダイビーチ

トップシーズンには、1日に4万人を超える観光客が世界から押し寄せるシドニー屈指の有名スポット、ボンダイビーチ。まさに人種のメルティングポットと化したビーチは、余暇を楽しむ人たちの熱気と活気で溢れる。しかし、海という自然の領域に足を踏み入れた瞬間、様々なリスクが伴うことも忘れてはならない。シーズン最盛期には、沖に流されたり、溺れるなどの理由で、1日に300件を超えるレスキューが発生した記録もあるという。心臓停止から4分以上が経過すると蘇生は困難を極めるため、命を救うためには数分でレスキューを行わなければならない。今月は、世界トップレベルのレスキュー技術を誇るボンダイビーチ・ライフガードに、実際に起きたレスキュー体験やビーチの安全なスポットについて伺った。

ボンダイビーチではどんなレスキューがあるんですか?

DANGEROUS CURRENT

特にビーチの南にある、通称「バックパッカーズ」というリップカレント(沖へ向かう強い流れ)の周辺が多く、全体のレスキューの9割がそこで起きています。バックパッカーが、よくそこで溺れるので、そんなネーミングになってしまいました。そこは泳ぐには最悪の場所で、カレント注意のサインは出ているのですが、サインの意味がわからなかったり、どれほど危険なのか知らないまま海に入って、溺れるケースが多いです。夏はレスキューに行って海から上がって、振り返ったらまた誰かが流され始めている…という状況が続きます。そんなワケでサーフパンツが濡れっぱなしの日もあります。とくに南側にある「バックパッカーズ」は危険なリップカレントなので、そこでは泳がずに、遊泳エリアで泳ぐのが安全です。


これまでで印象的なレスキューはありますか?

数年前、浅瀬で遊んでいた20代のインド人女性が、服を着たまま、背丈ほどもある深みに落ちて、一瞬にして海に沈んだことがあります。目の前で起きたことだったので、すぐにレスキューに向かいましたが、彼女の着ていた服が水を吸って沈んでしまったので、大変なレスキューでした。幸運にも手探りで海底の体を引き上げることができましたが心停止・呼吸停止していました。浜辺ですぐにCPR(心肺蘇生)を施して生き返ってくれたので良かったんですが、服を着て泳ぐのは本当に危険なんです。ボンダイビーチは、サンドバンクと深みのギャップが大きいので、ひざ下くらいの浅瀬から一歩踏み出しただけで、背丈以上の深みにはまることもあります。遊泳エリアではこのようなことは起きません。

日本人もレスキューしたことはありますか?

ボンダイビーチは観光客が多いので、たくさんの方をレスキューしますが、確かにアジア系と英国系の方は溺れやすい傾向にあるかもしれません。ほとんどの方が、遊泳エリアや危険サインの存在を知らないで、危険な場所で泳いでしまっているようです。特に日本人の方は、溺れるときに静かに溺れて、スッと沈んでしまうケースがあります。溺れるときには、悲鳴をあげたり「HELP!」と叫んだりするパターンが多いんですが、日本の方はとても静かなケースが多いです。もしかすると文化の違いなのかもしれませんが、人に迷惑をかけるなど、そういうことは気にしないで、万が一、苦しいときや問題があれば、迷わず手を上げてください。助けが必要なときは「片手を上げる」というのが私たちへのサインです。

ボンダイビーチの特徴を教えてもらえますか?

ボンダイビーチには基本的に5つのリップカレントがあって、一番レスキューが多いのがビーチの南にある「バックパッカーズ」周辺です。波が大きくなると、もっとカレントが増えて7つになったり、流れが強くなったりします。逆に波が穏やかだと、カレントが消えることもありますが、日々カレントの場所は変化するのでライフガードが浜に立てているカレントのプレートを確認してください。

ボンダイビーチ・カレントマップ
【ビーチ基礎知識】
Between the Flags (旗の間)

ボンダイビーチだけでなく、安全な遊泳区域はビーチに立っている赤と黄色の二色の旗の間とされている。ライフガードが毎朝、海の状況から遊泳にベストなエリアを選別し設置している。旗の間以外は、サーフィンエリアでサーファーと接触してケガをするリスクが伴ったり、危険なカレントがあるなど泳ぐにはリスクが高い。遊泳はBetween the Flagsが常識として知られている。

Rip Current (リップ・カレント)

ビーチから沖に向かう強い流れのことで、平均的に数十メーター毎にビーチに存在するカレント。周辺は少し濁っていて、ゴミや藻草などが集まっており、波が崩れない場所。流れは大変強く、オリンピック選手でも逆らって泳ぐことはできないと言われている。溺れる原因の大半は、このリップカレントにはまってしまうケースで、沖への流れに逆らって泳いだ結果、疲労や精神的パニックを起し、溺れる。

~溺れないために~
リップカレントからの逃れ方

片手を上げてライフガードに助けのサインを出し、浮き身ができる場合は浮いて助けを待つ。ゆっくり息を吸って仰向けになると体が自然に浮くので、なるべくエネルギーを使わないように、そのまま浮いて流れる。流れは一定の距離で止まるので、余力があれば横に泳いでリップカレントから外れ、迂回して帰ることもできる。ただし、泳ぎに自信がない場合は、浮いて助けを待つのが無難。

一流のレスキューとは心臓停止から救い出すことではなく、溺れない状況を作ることだそうだ。遊泳者が海のルールを知って「Between the Flags」で安全に泳いでもらうシステムは、溺れないビーチの状況を作るために考え出された最良のレスキュー法なのだ。多くの人がルールを理解し、それを守ることが多くの救命につながっている。ボンダイビーチを訪れた全ての人に素晴らしい思い出を作ってもらいたいとクリスチャンさんは言う。一流のレスキューはライフガードだけでは完成しない。「Between the Flags」で安全に、そして思いっきりボンダイビーチの美しい自然を満喫していただきたい。
  • ベテランライフガード-クリスチャン・イエイツさん
  • 今回インタビューに答えてくれたくれたのはベテランライフガードのクリスチャン・イエイツさん。現在FOXTELで放送されている人気ドキュメンタリー番組『ボンダイ・レスキュー』にも出演している人気ライフガードのひとりだ。浜辺で安全を見守るライフガードは、まさに地元の子供たちの憧れの存在になっている。
  • ボンダイ・レスキュー
  • ボンダイ・レスキュー

CHEERS 2010年01月号掲載

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