17/02/2010
世界最大のMMA(総合格闘技)団体と言えるUFCの舞台で戦うのは、すべてのMMAファイターの夢さ。僕自身も当日をとても楽しみにしているよ。特に今回はシドニーでの開催ということで家族や友達、地元のファンの前で試合ができる。最高のシチュエーションだよ。
この2ヶ月、体を戻すために週6日・朝夕2回、柔術、レスリング、キックボクシングなどのトレーニングを行ってきたよ。1月からは海外で合宿を行い、試合に向けて万全な体勢を作る。目的地はダラス、ラスベガス、タイのプーケットさ。
初めて対戦したときと比べて2人ともファイターとして大きく変わっているから、今回はまた別の試合だと思っているよ。僕はこれまで一戦一戦を自分のキャリアにとって最も重要な試合だと思って臨んできた。今回も100%の力を出して勝利を狙うよ。ホームタウンで勝利する姿を皆に見せたいんだ。
VSフォレスト・グリフィン
(UFC、2005年10月)
本当に素晴らしいことだよ。とうとう僕たちの番がやってきたんだ。UFCがやってくることでMMAが一般層にも知られることになるだろう。スポンサーやファンも増えるはずさ。今大会はオーストラリアにおけるMMAというスポーツを確実に前進させてくれるはずだよ。オーストラリアのプロモーターは、大会後もこの流れを止めずに発展させられるよう努力していかなくてはいけない。
そう信じているよ。数年前にはPPV(有料放送)でもMMAを扱う番組を見つけるのは難しかったのに、今では地上波(ONE)のテレビでも観ることができる。今、MMAに必要とされているのはとにかく露出さ。それによって人々は、このスポーツの何たるかを学ぶことができる。そうなってほしいし、またそうならなくてはいけないね。
その通りだと思うよ。彼らはオーストラリアでも人気のある選手だからね。UFCは超がつくほどの人気選手を並べて、豪華なカードをたくさん組んできた。これはUFCにとってオーストラリアで基盤を作る良いチャンスとなるはずさ。今後、オセアニアでUFCの開催される機会が増えていってほしいよ 。
子供の頃にブルース・リーのファンで、格闘技に興味を持ったんだ。それで小学生のときに学校の柔道教室に参加して、その後、ボクシング、ムエタイ、レスリング、BJJ(ブラジリアン柔術)といった様々な格闘技にトライしていった。BJJはある雑誌で初めて知って、そのときにぜひやってみたい!って思ったんだ。数年経って1995年にシドニーに引っ越したときに柔術を教えるジムを見つけて通いだしたのさ。
初めは自分に対してのテストだった。自分の学んできたことが実際に効果があるのか試したかったし、自分に本当の勇気や決断があるのかを知りたかったんだ。それでいざやってみたら、僕が求めていたもの以上の魅力がこのスポーツにあることを知ったんだ。これまでプロの格闘家としてやってきたのは、それらの過程が生んだ結果さ
VS田村潔司
(RINGS、1997年10月)
当時すでにRINGSで活躍していたクリストファー・ヘイズマンから話をもらったんだ。
日本の格闘技団体がキヨシ・タムラというファイターの対戦相手を探しているってね。それで僕がそのオファーを受けたってわけさ。
日本で試合するのは大好きさ。日本のファンは立ち技、寝技を含めてMMAというスポーツをよくわかっているからね。アメリカなどのファンと違って、寝技や関節技の展開を理解しているっていうのが彼らのすごいところだよ。海外のファンが声を上げながら観戦するのに対して、日本人は食い入るようにじっくりと展開を追うよね。日本のリングには格闘家にとって最高の環境があるんだ。できたらもう一度、日本で試合をしたいよ。それが叶わなかったら、僕のジムの生徒にそれをしてもらって、彼らと一緒に日本に行けたらいいなと思う。
VSフランク・シャムロック(K-1、2000年12月)。当時まだ総合格闘技に進出していなかったK-1における記念碑的MMAマッチ。大物フランク・シャムロックを大いに苦しめた。
日本にはこれまで4度行っていて、そのどれもが素晴らしい体験だったよ。僕は大学で日本語を学んでいたんだ。武道の文化を持つ日本にはいつだって興味を持っていたからね。西洋の影響も受けているとは言え、日本は今でも独自の素晴らしい文化を持っていると感じるよ。言葉の壁があっても、皆リスペクトを持って、親切に接してくれるしね。あと東京で皇居を見たときに、その美しさに圧倒されたことは今でもよく覚えているよ。
僕はいち格闘家として、本当に幸運だったと思うよ。世界中を訪れて様々な文化に触れることができたし、それは僕の視野を広げることにも繋がった。MMAは僕の人間としてのリミットを押し上げ、困難を乗り越えて何かを達成する力を与えてくれた。UFCを通して経験したことによって、人間として前よりずっと成長することができたんだ。
オーストラリアにもすでに素晴らしいMMAファイターは存在しているよ。アンソニー・ぺロス、ジョージ・ソティロポロス、ヘクター・ロンバートら、他にもたくさんいる。新しい選手もどんどん出てきているし、僕のジムでも有望な選手が育ってきているよ。
このスポーツを始めたときには、30歳になったらリタイアしようと思っていた。でもいざそのときが来たら、「33歳までやろう」って思ったし、その後もまだまだ戦い続けたいって感じながらここまで来た。今は、自分自身が本当に辞めようと思うときまで戦い続けるつもりでいるよ。
オーストラリアでMMAというスポーツを広める大使になりたいと思っている。僕はこのスポーツをよく理解しているし、その知識や情熱を、まだMMAを知らない人たちに伝えていきたいんだ。皆とこのスポーツの魅力をシェアしあうことが僕の望みさ。
MMAを愛し、応援し続けてくれる日本のファンには感謝の気持ちでいっぱいだよ。これからもぜひMMA界をサポートしていってほしい。僕を支えてくれるファンの方々にも本当にありがとうと伝えたい。会場で会えることを楽しみにしているよ!
エルヴィス・シノシック
総合格闘家、柔術家。1971年生まれ、38歳。キャンベラ出身。身長191センチ、体重90キロ。日本のRINGSやK-1のリングで活躍した後、2001年にUFCへ参戦。デビュー戦でジェレミー・ホーンを腕ひしぎ十字固めで破って一本勝ちを収めると、早くも2戦目にしてティト・オーティズの保持していたライトヘビー級タイトルに挑戦。UFCではこれまで7戦のキャリアを持つ。ニックネームは、"The King of Rock n Rumble"。
オフィシャル・ウェブサイト:http://www.elvissinosic.com
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Sinosic Perosh Martial Arts
Concord: (02) 8765 8526
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http://www.spma.net.au
CHEERS 2010年02月号掲載
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