16/12/2010
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~超難関のIFA国際資格取得から、マーヴォアロマスクール開校までの道のりを語る~
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イギリス発祥の試験で、年に2回位しかチャンスがない試験です。前回自分が受けた試験は25人中で合格したのが20%ぐらいでした。
アロマの知識だけではなく医学のひとつである解剖生理学や、英文法の問題など英語全般の力も必要でした。採点がイギリスで行われるので、オーストラリア英語表現でも駄目なケースがあり、オーストラリア人の先生とも、「オーストラリアではこう書くけれど、試験の時にはイギリスに合わせてこう書こう」という話もしながら進めました。
いえ、フルボディーマッサージの実技の試験が1日あります。そこでは、カウンセリング、マッサージ、スピード、姿勢など、マッサージに必要なすべての要素がチェックされます。アロマオイルも実際に作るのですが、香りのできや濃度まで全部その場でチェックされて、オイルの調合の仕方についてもマッサージ中に説明するといったものです。
家が遠いので仕事をしていると夜が遅くなることがあり、帰ってから勉強をすると眠くなりますし、運転するのは危ないと判断し、寝泊りしながら勉強をすることも多々ありました。
我々の会社名はボンシック(アロマセラピーの学校名はMarvo)と言うのですが、ボンというのはフランス語で「生まれる」という意味で、シックというのが「かっこいいもの」という意味なのです。「かっこいいものを生んで行く」というコンセプトで、こだわりをもったコアなものを、理解していただける方に提供できる様な商品を常に生み出して行こうという思いで始めたのです。現在その名前に込められた思いに沿い、ホホバオイル(スキンケア)の輸出業を始めて10年になります。スキンケアに関しては、自然な流れで長期販売することになりました。最初はチョコレート、ワイン、健康食品など色々とやりましたが、その中で僕らの手元に残ったのがスキンケアだったのです。それには何か意味があると思い、これでやっていこうと決心をしてスタートしました。当初は商品を現地の旅行会社様に買って頂いたり、輸出したりという業務をしていましたが、その際にアロマセラピーが大切だということが分かり資格取得を目指しました。
日本で〝ビューティーフェア〟や〝ダイエット & ビューティーフェア〟のトレードショーがあり、よく出展していたのですが、そこで多くのバイヤーの方からオーストラリアのエッセンシャルオイルとか、オーストラリアのアロマセラピーに関する商品は今後人気が出るから、ホホバオイルだけでなく、もっと持って来るようにと言われたのです。それならばオーストラリアのアロマに関する商品を販売してみようかと思ったのが、最初のアロマセラピーに入るきっかけです。
いえ、実は今回アロマの世界に飛び込む前に、何度もそういったチャンスはありましたが、これまでは呼びかけを頂くだけで、気持ちが付いて行きませんでした。でもその時だけは、自分の気持ちの中で何かアロマセラピーに引っかかるものがあり、早速トレードショーの裏でスタッフと話をして、これはやるしかないなという気持ちになりました。缶コーヒーを飲みながら話していたと思うのですが、すぐにやりたい気持ちになり、日本からその場でACNTに電話をしました。
ええ、待ちきれなかったので。スタッフに資格を取得してもらおうとも考えたのですが、今後このアロマセラピーが会社のコンセプトと違ってくるといけないなと思い、主となる人間が取得する方が良いと判断しました。それで自分で取得することにして、シドニーに戻った翌日には学校に手続きに行ったのです。
ありがとうございます。アロマに関する商品を取り扱うことは、「セラピー」=「療法」というとても深い分野なので、専門家が必ず必要だと考えました。でもあの時、不安に駆られて行動していなかったら、現在このような形でアロマセラピーを教えていることはなかったと思います。
そうですね。アロマセラピーについて、言葉は知っていましたが無知の状態から勉強を始めたので当然最初は知らないことが多く、勉強しながら、「あっ、そうなんだ!」という発見が多かったです。アロマと聞くとスピリチュアルなイメージを連想される方も多いですが、自分の場合は、アロマ治療は本当に科学的に証明されたものなのだろうか?という疑問から入りました。最初の方は知らないことが多くとにかく必死で、これ以上やっていけないと諦めかけたこともありましたが、自分の決断を信じて頑張りました。徐々にアロマセラピーの面白さも理解し、実際に科学的に証明されているということも分かりました。でもそれだけではなく、さらに奥が深いところがまた面白い、と楽しくなってきたのです。
いいえ、実は学校で自分のマッサージの評価が高かったのもあり、最初はマッサージを考えていました。でもそれだけではなく他のサービスもした方が良いかと考えて。その頃アロマをビューティーの観点で取り入れている日本語の学校はあったのですが、治療という視点からとらえ、日本語で教えるアロマスクールがなかったので、だったらアロマという芳香成分を使い、体やメンタルやスキンのケアを学べる学校がひとつあってもいいのではないかと思い、マッサージと学校の2本立てで始めることにしました。結局学校の時間で手一杯になり、今はマッサージはやっていません。授業中で教えることはありますが。
もし授業の中で分からないことがあっても、またはメールでの質問に対しても、後に調べてメールで必ず説明するよう心がけています。直ぐに答えられるのが良いのではなく、頂いた質問に対し、しっかり調べてしっかりとお答えするのが良いと思っています。私たちのスタンスとしては、来ていただく生徒様にとってこの受講料を支払うのは、かなりの勇気がいるのではないかと認識していますので、3~4名の少人数でできる限りのことはさせて頂いて、お支払い頂いた受講料以上の知識と満足度をお返ししたいという気持ちで教えています。言葉も、専門用語を並べるのではなく、できるだけ皆さんに分かりやすい言葉を使いながら、理解するまで説明させて頂いてます。
ええ、クラフトというアフターケアをしています。教室にお戻り頂いて自分の作りたいプロダクトを作れるサービスです。
いいえ(笑)。アフターケアのサービスで行っていますのでプロダクトにかかる分の料金だけを滴数で計算して頂いています。ですので化粧水も100ミリリットルぐらいで5ドル程で作れると思います。皆さんには家に機材を買って頂く必要がないですし、数多くのオイルから気に入ったものを使用してお作り頂けます。お友達とこられて、化粧水やうがい薬、クレンジングオイルを作って楽しまれる方や、日本の帰国の前にお友達にプレゼントされるアロマ商品をたくさん作って帰られる方など、利用の仕方は様々です。他にクリーム、シャンプーや消臭剤なども作れます。ここでは天然素材100%のものを使用しているので、もしもここで作ったものと市販のものの匂いとかが違う場合は、天然以外のものが入っていると思って頂いてもいいと思います。
アロマセラピーの効果や恩恵を受けるにはある程度の決まりがあり、何でもエッセンシャルオイルを使えばいいのかというと、そういう訳ではありません。そこの部分をきちんと伝えて、ひとりでも多くの方に正しいアロマセラピーを個人の生活に取り入れて頂けるような授業を行いたいと思っています。そして、オーストラリアはアロマの原料が日本よりも豊富ですから、ここで勉強できることの良さも伝えて行ければと思います。
日本のアロマの本の著者の方や医療現場の先生方とお話させて頂くことがあるのですが、まだまだ日本ではアロマセラピーは、良い匂いというだけのファッション的感覚でとらえられている傾向があります。その流れが終った頃から、本格的にセラピーの一種として取りいれられ、現代医療にアロマセラピーが加わって行くと考えています。多くの方がアロマセラピーの効果を実際に体感するまでには、まだまだ時間がかかると思います。
相澤正弘先生の略歴
IFA、IAAMA、ITEC、ATMS認定アロマセラピスト。10年に渡りナチュラルスキンケア製品の開発に携わり、2009年にディプロマアロマセラピー、アーユルヴェーダアロマセラピー、リメディアルマッサージの資格取得。現在アロマスキンケア製品の自社ブランド「C19」「Green Shower Aroma」の開発・監修を行いながら、「Marvo Aroma School」を主宰、クリニカルアロマセラピストの講師として開講中。
CHEERS 2011年1月号掲載
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