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Cheers インタビュー


日本が世界に誇るアーティスト

DJ KRUSH #1

他人の定規をアテにしてモノを計るんじゃなく、 自分の定規で物事を決めてほしい

24/12/2009

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他人の定規をアテにしてモノを計るんじゃなく、
自分の定規で物事を決めてほしい



『STEPPING STONES The Self-Remixed Best -lyricism & soundscapes-』(The Red Label)>

日本が世界に誇るアーティスト、DJ KRUSHがベスト盤を引っさげいよいよオーストラリアに上陸する。日本で初めてターンテーブルを楽器として操るDJとして注目を浴び、誰にもマネできない唯一無二のサウンドは、世界中の音楽シーンで高い評価を得てきた。6作目のアルバム『漸-ZEN-』では、"インディーズのグラミー賞"といわれるアメリカのAFIMアワードにおいて"ベストダンスアルバム 2001"最優秀賞を獲得。オーストラリアをロックすること間違いナシのDJ KRUSHを見逃すな!!

まずは今回のツアーで何度目のオーストラリアになるのでしょうか?

もう、何度目だろう…。正確な回数は覚えてないけど、両手で数えるくらいは行ってると思うな。昔、アシッドジャズが流行ったころUFOと一緒に行ったり、ソロでも何回か行ってる。オーストラリアは、すごく好きな国なんだよね。人が温かくて、変にピリピリした感じもなくいい感じに包んでくれるから、俺も"全部出してやろう"って気になる。

先にリリースされたベストアルバムの選曲はご自身によるものですか?

そうだね。今回、全部自分で選びましたね。

フィーチャリングアーティストが、TWIGY、RINOといった日本人から、MOS DEF、MR LIF、あるいはモリタシュウザンと幅広い人選ですが、どういう風に選んでるのですか?

単純に自分が一緒にやってみたいなと思えるアーティストを選んでます。アルバムを作る時は、先に呼びたいゲストの絞り込みをしてからオファーをかけてるから、まず曲があった状態でゲストにお願いするのではなく、人選ありきでそれから曲を作ってますね。

リリック(歌詞)に関しても、一緒に作っていく感じですか?

リリックは俺が口出しちゃマズいからね。ラッパーに任せる。ただし、アルバムごとにコンセプトがあるから、それを伝えて、"このコンセプトで言いたいことをラップにしてみない?"って具合にアプローチしてから、そのゲスト用のトラック(曲)を渡します。

例えば、ディスク1収録の11曲目のMOSDEFとの『Shinjiro』では、リリックに中に、日本の都市&"Choshiwado-dai?"と日本語で言ってますが?

彼は日本が好きで、日本の主要都市を教えてくれって頼まれたんだ。他にも日本語を教えたんだけど、器用だからそれらをちゃんとラップに乗せてきた(笑)。

今後フィーチャリングしてみたいアーティストなどはいますか?

これからオーストラリアツアー以外にも、韓国行ったり、アジアツアーするんで、その先々で出会うであろう面白いアーティストと一緒にできたらいいよね。逆に、オーストラリアに面白いアーティストっている?
アメリカやヨーロッパのシーンとまた違うので、新鮮かもしれませんね。ダブとか、ブレイクとか、面白いと思います。

ところでトラックメイキングを初め、スクラッチや音をクリエイティブにしていく上で、何からインスピレーションを受けますか?

う~ん……、普段生活してるといろんなことが起きるよね。ニュースだったり、本だったり、映画だったり、絵だったり、写真だったり、家族のことだったり、生きて歩いている以上、そういう日々の生活の中から知らず知らずのうちにいろんなことから影響を受けてるんじゃないかな。特にこれっていうことからじゃなくね。それに気づくヤツと気がつかないヤツがいるだけだよ。それを音で表現してる。例えば、単純に怒りだったり、悲しみだったり、喜びだったり、楽しみだったり。

う~ん、なるほど。具体的には、怒りだったら激しかったり、喜びだったら上がったりとか……。

優しさだったら、柔らかかったりとか(笑)。それが自分自身をぶつけた時に出てくる音なんだろうね。でも、その逆もあって、怒りだからといって激しくドスドスならないかもしれない。その時どんな音が出てくるかってことだろうね。それを楽しんでる。でも俺の場合は、楽しくなるような音でも、実は楽しいっていう感情から出てくる音じゃないのかもしれない。へそ曲がってるからさ(笑)。基本は10受けたら、10のまま返さない。1回自分の中に入ってきたら、DJ KRUSHらしさってものが乗ってくるから、それで違う形になって出てくる。でも、あくまでもひとつのヒントであるけどね。

日本は元より海外でも人気がありますが、そもそもどうしてマーケットを世界に拡大しようと思ったのですか?

やっぱり自分たちの、日本発の音を1人でも多くの人に聴いてもらいたいんだよね。日本国内だけじゃなくて、地球規模で自分が思い描いた音を聴いてもらいたいって思いが、DJ始めた20年くらい前からずっとあった。だから、今、すごく嬉しいし、俺の音を聴いて何かを始めたり、刺激を受けて前向きに進んでいける人に会うと音楽をやっていて良かったとすごく思う。それに始めた以上、表現者ならいろんな人に聴いてもらって、反応を知りたいでしょ。単純にそこなんだよね。音の場合は、言葉いらないし、国境もないからさ。

これまでのアルバムタイトルが、"和"ですが、あえてそうしてるのですか?

意識して日本人だからそういうテイストを出そうっていう気持ちはなくて、結果として後からついてきた感じかな。オーストラリアにいるのならよく分かると思うけど、日本を出ると俺ってやっぱ日本人なんだなって感じるもんでしょ。もっと自信を持って自分の国の文化だったり言葉を出そうと『迷走』(1995年リリースの3rdアルバム)の頃に思うようになった。俺らが一番分かりやすい言葉だからね。すごく奥が深い言語でもあるし。アメリカ人がアメリカスタイルでヒップホップやってるように、俺ら日本人は俺らのスタイルでやるのが普通でしょ。まあ若い時は気がつかないもので、どこかマネたりするよね。最初はそれでいいと思うんだけど、そこからどうするってことが大事なわけで。そういう流れで、自然に日本語を使うようになった。

ところでプライベートでは、どんな音を聴いているのですか?

レゲエだったり、ダブだったり、ジャズだったり……。家で聴くときって、リラックスして、酒飲んでって感じだから、あんまり激しいのは聴かないかな。でも、聴いててヒントになるようなことがあると、すぐ消して曲造りになっちゃうんだけどね(笑)。結局、こういう仕事してるから、仕事耳でどうもゆっくりと音が聴けなくてさ……。困ったもんだよね(笑)。

カテゴリー的にはヒップホップと言われていますが、実際にはもっと広いと思います。ヒップホップというカテゴライズに対して、どう感じていますか?

そういう"くくり"っていうものを昔は気にしてたけど、最近はいかに自分が楽しく音楽ができるかってことが重要で、どうでもよくなった。根本的な精神はヒップホップだと思ってるし、音のルーツはヒップホップやジャズなんだけど、出てきた音は決してヒップホップでくくれない音もあるだろうね。だからあえて言うなら"DJ KRUSH"ということになるのかな。もちろん、ヒップホップは素晴らしいよ。でも、ヒップホップという枠の中で絵を描こうとすると、色が決まっちゃうっていうのかな、どうしても表現しきれなくなるんだよね。だから、ジャンルがあってその中で進むっていうよりも、自分自身の音があればいいんじゃないのかな。それが理想的だね。

20年という長きに渡ってシーンで活躍されていますが、自身の活動を持続するその源は何ですか?

結局、最終的には自分自身と向かい合わないとしょうがないわけだから、自分に負けたくないってのが原動力になってる。自分に負けたら、もうそこでストップだから。自分をもっと知りたい、もっと知ってみたい。追いつめて、自分自身の中からどういう音が出てきて、どんなことができるのか、常に追いつめる。しんどいけど、それを追いつめないで座布団の上に座っちゃったら俺はもう終わりだと思うんだ。だから常に座布団に座らず、いつでも立てるように靴履いて座ってる。その靴が何だかは、分からないけれどね(笑)。とにかく自分なんだよ。やっぱり音造ることが好きだし、DJも好きだし、そこにどれだけ本気でいられるかだと思う。だからそこに打ち込めてるってことは幸せなことだと思う。みんな自分の好きなことでメシ食って、生活できたらいいなって思うよね。せっかくそのチャンスをもらってるんだから、それで自分自身に負けたら終わりだからね。そうなったら、かっこ悪いしね。だから結局、自分と闘って、闘って、闘って、追いつめて、追いつめて、追いつめていくってことだね。

今後の活動のビジョンなど教えて下さい。

根本的には今までと変わりなく、オーストラリア含め世界中の面白い音を出すヤツと一緒にやっていくこと。もっともっと自分自身のアンテナっていうか、受け皿っていうか、それをデカくして、吸収して、ありがとうっていう感じでみんなに返していきたい。それでみんながそういう姿を見ててくれて、"あっ、俺にもできるじゃん"だったり、少しでも何かを与えられれば、バッチリ。

最後に、ここオーストラリアで成功をつかもうとがんばってる日本人が多くいます。そんな彼らに、メッセージをお願いします。

どの世界でも、何かをやってメシを食っていくことって大変だけど、自分を信じていくこと。それで、いくら自分だけがんばったっていっても、周りが応援してくれないと立っていけないんで、周りの友達とか、応援してくれてるヤツらを大事にすること。それに負けないくらいに自分を磨き、前向きに進んでいってほしい。それでダメだったら、ダメだってことを覚えるから。何かつかむまであきらめないでほしい。って言いつつも、俺自身もそんな大した者じゃないからさ。一生懸命、自分自身にハッパかけてさ、やってることはみんなと変わんないと思う。たまたま、DJ KRUSHって名前がここまで来ちゃってるけど、でも、その根本の部分はみんなと同じだよ。

DJ KRUSH OFFICIAL WEBSITE

www.mmjp.or.jp/sus/krush/

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