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10/12/2019

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新年を全力で走ろう!

スペインのパンプローナ。言わずと知れた、牛追い祭りの場所である。パンプローナには、一八四四年にはパンプローナ市初の闘牛場が建設された。しかし、世界的に有名になったのは、アメリカ人の作家、アーネスト・ヘミングウェイの小説『日はまた昇る』(一九二六年)の舞台となったことが大きい。ヘミングウェイが、ここパンプローナに初めてきたのは、一九二三年。サン・フェルミン祭の牛追いに取りつかれたが、牛と一緒に走ることはしなかった、という。しかし、行動派作家らしい。
サン・フェルミン祭りの目玉は、白い服に赤いスカーフと帯を身に着けた多くの参加者たちが、毎年七月六日から十四日までのお祭りの期間中、毎朝、パンプローナの旧市街に設けられた狭い路地のコース、八百五十メートルを、体重五百キロ級の闘牛六頭とその他の雄牛六頭が駆け抜け、その前を何百人もの人々が全力で走る。
サン・フェルミン祭は、闘牛が始まる前に、牛を囲い場から闘牛場に安全に移動させることが、起源である。この行事は、牛追いとは言われるが、眼前で繰り広げられる光景は、牛の人追いである。
闘牛の前を市民が走り始めた時期については分かっていない。一七八七年に書かれた記録には、「すでに現代の伝統は確立されていた」という。
牛と走る人も危険だが、私たち観客側も危険を感じる。狭い通路に設けられた観客席にいても、万が一、牛が間違って飛び越えて来たらどうしようと恐怖感がある。あの牛の体重にものを言わせて体当たりでもされれば、観客席などひ弱なものである。観ている間ずっと、「その時が来たらどうしよう」と考えていた。いくら、市民の若者がその生命をさらすことで、勇気を証明する機会だといっても、である。だから、市民は盛り上がりを見せるのだろう。
「牛に引かれて善光寺参り」という言葉があるが、ここでは、牛に突かれて…病院参りとなる。七月十四日に閉幕した今年の牛追いで、牛の角に突かれて負傷した参加者は八人だった。そのうちの一人、アメリカから来た四十六歳の弁護士が、スマートフォンで自撮りしようとしていたところ牛にぶつけられ、首の奥深くまで角で突かれて動脈を損傷するところだったらしい。牛相手では、傷害罪では争えないだろうに。
二〇〇九年に二十七歳のスペイン人が死亡したのを最後に死者は出ていないらしい。
とにかく、無事故に越したことはない。北海道では、ドローンで牛追いをしているところがあると聞いたが、これでは、祭りにならない。
 

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