23/09/2013
第5回 |
ワンダラーズが遂に1位に浮上! 9試合連続優勝はAリーグ史上初の快挙。小野伸二選手も7得点をあげ、リーグトップ10入りを果たし、チームとともに絶好調だ。試合を重ねるたびにパワーアップするワンダラーズのサポーター陣。ホーム、アウェイ限らず、熱い声援をおくる彼らの存在は、もはやWSWの勝利に欠かせないことは言うまでもない。3月15日現在、2位のセントラルコースト・マリナーズと5点差であるワンダラーズは、リーグ1位、または2位での通過が確定となり、ファンにはうれしいホームでのセミファイナルも実現するようだ。
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わずか2点差でWSWを3位で追うビクトリーは、今季ホームでは一度しか試合を落としていない。WSWからは1000人も及ぶサポーターが遥々訪れ、2万人のホームサポーターに負けない応援を送った。11分、ゴールまで30メートル迫った位置でMFヘルシが倒され、フリーキックを獲得。MF小野が右ゴールポスト付近へとボールを送ると、ディフェンダーに一度弾かれるも、ゴール前に居合わせたDFラロッカが流し込み、先制点をあげる。その後もゴールチャンスを幾度も作るWSWは27分、小野が放ったボールがクロスバーをわずか上に外れる。WSWの固いディフェンスに、ビクトリーはペースが掴めず、今季得点王争いにいるMFロジャスも決定的な瞬間を封じ込まれる。72分、右サイドまでボールをあげたポレンツから、MFヘルシがPA内へと運び、直接ゴールを狙う。キーパーにはじかれるも、ゴール前の小野が今季6点目をあげる。誰もが無失点を期待したそのわずか3分後、ビクトリーは途中出場のFWペインが、ハーフウェイからの高速カウンターアタックで得点をあげ、球場は大盛り上がりになる。試合を通してボールポゼションが40%にも満たないという厳しい展開であったものの、決定的なチャンスをものにしたWSWは2-1で逃げ切り、リーグ2位の座を確実なものにする。
![]() 雨によりグラウンドコンディションが悪い中でのキックオフ。今季リーグ6位以内になかなか食い込めないグローリーだが、エドワード代理監督を迎え入れてから上位チームのニューキャッスルやセントラルコーストから勝利をあげるなど、勢いがある。WSWは試合開始間もなくから積極的にPA内までボールを運び、7分にはMF小野、8分にはFWギブスにチャンスが訪れるが、得点に繋がらない。25分前後からは小雨に加え風も強まり、両サイドからはパスミスやファールが目立ち、WSWはDFラロッカがイエローをとる。前半ロスタイム、ゴール30メートルの位置でMFヘルシが倒され、フリーキックを獲得。MFムーイーが挑むが、ボールは惜しくもゴールポスト上に外れる。56分には、Aリーグ150試合目を記録したFWブリッジが、ロングシュートでゴール右を狙うが、キーパーに止められる。その2分後の58分、ブリッジからのクロスをMFムーイーが合わせ、今季初得点をあげる。パースは82分、83分と立て続けに途中出場のMF永井がゴールを狙うが実らず、WSWは1-0で逃げ切り、7連勝。ポポビッチ監督は、「決してよいとは言えないボールポゼション(42%)の中、なんとかボールを前へ運べた結果」「こういった試合での勝利が重要」と、チームを好評価。3ポイントを獲得したWSWは、決勝リーグ行きが確定される。
試合前日から豪雨が続いていたものの、リーグ1位のマリナーズと同2位のWSWの大注目の対戦に、1万8721人の観客が駆けつけた。当日は電車のラインが止まっていたにもかかわらず、5000人にもおよぶワンダラーズサポーターが、ホームと変わらぬ熱気とともに訪れた。ホームで試合を落としたことのないマリナーズは、前半から快進撃を見せるが、ひっきりなしに降る雨と、滑りやすいグラウンドで、なかなか得点に繋がらない。雨の中繰り広げられた1位争いは、試合開始後からファールが目立ち、両サイドで計9枚ものイエローカードを招く、フィジカルな試合となった。前半を0-0で折り返したWSWは51分、FWクレシンガーのPA内のファールにより、ペナルティを与えてしまう。これまで3度ペナルティをミスしているマリナーズは、GKのライアンに託すも、WSWのGKコビッチがダイビングセーブで止める。マリナーズは後半のボールポゼションを制し、幾度もチャンスを作るが、DFトーポースタンリーとDFビューチャンプの固い壁を破れない。81分、途中出場のFWハリティが、FWブリッジからのスルーパスを、ゴール左へと流し込み、今季3得点目をあげる。WSWはこの1点で逃げ切り、首位の座をマリナーズから奪う。またAリーグで8連勝をあげるのは、2006年のメルボルン・ビクトリー以来、実に7年ぶりの快挙となった。
ひっきりなしの応援で知られるWSWの熱狂サポーター、RBB (Red and Black Block)だが、この日は試合の初めの20分をサイレンスで過ごした。"行き過ぎた応援"を理由に5年間の試合出入り禁止を命じられたRBB20名の処分を抗議するものだ。かつてない異例な状況であったものの、WSWは試合開始直後からファインプレイを見せ、第23節で唯一の得点を決めたFWハリティが2分、4分と得点を狙う。6分、PA内でDFポレンツがMFヘルシに絶妙なバックパスを送るが、ヘルシが相手チームに足をひっかけられ、倒される。小野が冷静にペナルティを決め、先制点をあげる。20分、ハリティからのクロスを小野がダイビングボレー。わずかゴール上と外れるも、初めの20分間をサイレンスで過ごしたRBBは、まるで地響を起こすような大きな音とともに復活する。しかしフィニックスは細かいパス回しで、WSWのディフェンスラインを崩し、22分にはFWブロッキーが得点をあげ、同点となる。ブロッキーはこれにより、リーグ得点王タイとなる。ペースを完全に崩されたWSWは、パスミスが相次ぎ、決定的チャンスを作れないままハーフタイムを迎える。左ハムストリングの痛みを訴えた小野は、後半、FWクレシンガーと交代。47分、フィニックスMFリアのPA内でのハンドにより、WSWはペナルティを獲得する。これをFWブリッジが決め、勝ち点をあげる。2-1で9連勝をあげたWSWはAリーグの記録を塗り替える快挙を果たす。
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ウエスタンシドニー・ワンダラーズで2年間活躍し、レジェンドの名を残して、オーストラリアを去った小野伸二選手が、次のステージに選んだ札幌の地に足を踏み入れた。
14日のサンフレッチェ戦を見事勝利で飾り、オーストラリアでは初の快挙となるACL準々決勝へと駒を進めたWSW。最高のプレゼントをチームに残して日本帰国をすることとなった小野は、6月半ばから新天地コンサドーレ札幌に合流する。小野のラストゲームを御覧ください。
AFCチャンピオンズリーグと平行して過酷なスケジュールをこなしてきたリーグ戦終盤ではあったが、蓋を開けてみれば2位通過でファイナルシリーズに駒を進めることができたWSW。しかしファイナルシリーズを迎える前に4月15日のAFCアウェイ戦、22日のAFCホーム戦の試合が残っているため余談を許さない状況が続く。そしてAFCホーム戦の3日後から、いよいよファイナルシリーズへと突入。小野のプレーをオーストラリアで見ることができるのも、残すところAFCを含めてあと3試合のみとなった。小野が移籍した昨シーズンは、リーグ
AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)が開幕し、未経験の過密スケジュールで乱調気味と言わざるを得なかったWSW。3試合連続での黒星から迎えた、3月12日のACL、貴州人和(中国)とのアウェイ戦を何とか勝利で収めることができ、復活の兆しを見せつつある。今後、小野のプレーを見ることができるのは、3月14日時点でリーグでは24節を含め、残り4試合のみ。このまま2位をキープしてファイナルシリーズに突入することに期待したい。
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