23/09/2013
第4回 |
ついにリーグ2位に浮上! トップとの差はわずか4点!
5試合連続優勝。結成からわずか5ヵ月のチームが、今季Aリーグでは初とのなる快挙を成し遂げた。2月10日現在、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC(以下WSW)はリーグ2位。他のクラブがその才能を見過ごした選手たちを集め、短期間で最強のチームを作り上げたポポビッチ監督の評価は、「将来のサッカールズ監督有望」とも言われるようになった。契約延長を発表した選手のすべても、「ポポビッチ監督の下で自分のサッカーが開花した」と豪語している。限られた数の選手をホーム&アウェイでやりくりし、ケガや累積も最小限に抑えることに成功したワンダラーズは、毎試合、変わらないストラクチャーで試合に挑む。抜群なアシストで毎試合チームに貢献している小野伸二選手も、オーストラリアデーの26日には、PKを決め今季6点目をあげている。 ワンダラーズがAリーグで初めて勝利を上げたクラブ、ブリスベン・ロアー。これまで2試合2勝と、相性がいいチームだが、ブリスベンは前半からゲームの流れを掴み、前半20分までのポゼション、ロアー60:WSW40からもわかるように、ボールを譲らない。22分、ロアーMFバタマンがPA内までボールを運び、MFニコラスがゴール左角へとシュートを決める。WSWはペースが掴めないのに加え、コミュニケーションミスも多く見られ、パスが繋がらない。後半、ミッドフィールドを制したWSWは立て続けにゴールを狙う。48分にはPA内のMF小野がゴール右角を狙うが、GKにとめられ、52分にはハーフウェイラインにいたDFビューチャンプからのロングパスを、FWハリティが合わせ、おしくもゴール上ポストをかする。65分、DFポレンツがフェイントをかけ、ペナルティマーク付近のFWブリッジにソフトパスを送る。これをブリッジが低いシュートで決め、同点となる。69分、FWクレシンガーが小野にパスを送るが、オフサイドであることに気づいた小野はボールに触れず、オンサイドのMFヘルシへとボールを残す。これをヘルシが左足で決め、逆転となる。試合後の会見でポポビッチ監督は「自分、そしてチームメイトの位置までも把握しているシンジ。あのプレイは彼のクオリティを物語るものだ」と絶賛した。WSWは昨年のチャンピオン、ブリスベンに3勝0敗という好成績を残す。
オーストラリアデーの試合には1万4500人を超すワンダラーズファンが駆けつけた。この日は1ヵ月2000枚の勢いで完売し、需要に生産が追いつかないWSWのユニフォームが新加入され、試合前早々からオフィシャルショップの前に大行列ができていた。13分、DFポレンツがPA内で相手チームのディフェンダーを倒し、レッドカードで一発退場。PKを与えてしまうが、これをGKコビッチがダイビングセーブ。会場は大興奮の渦に包まれる。早くも10人体制となってしまったWSWだが、19分、20分とFWブリッジが立て続けにゴールを狙う。22分、プレイメイカーであるMFムーイーの代わりにDFラロッカを投入し、4-1-3-1フォーメーションとなる。フォワードを犠牲にするのではなく、MFポリヤックをひとりミッドフィールドに残す作戦は、ポポビッチ監督がいかにポリヤックの持久力に自信を持つか物語るもの。試合後の記者会見で監督は「ポリヤックはよく動いてくれた」と評価している。またハーフタイムのチームの心境について、10人体制になって絶望的になるのではなく「勝つ自信」があったといい、後半からメルボルンは自分たちのサッカーができない。72分、PA内でMFヘルシが倒され、WSWはPKを獲得。大プレッシャーの中、MF小野が放ったボールはゴール右角に吸い込まれ、今季6点目を決める。これが本試合唯一の得点となり、WSWはホームで白星をあげる。77分以上もの間10人でプレイしたワンダラーズだが、ポゼンションは47%、さらにテリトリーは58%と驚く数字を残している。
コスミナ監督の突然な辞任を受け、ヴァルカリス代理監督を就任したアデレード・ユナイテッド。新監督を迎え入れて初となる試合に注目が集まる。前回の試合で6-1という快勝を果たしたWSWは、試合開始間もなくから得点ラッシュを期待させる展開に。見事な連携プレイで積極的にPA内へとボールを運ぶWSWは43分、PA右サイドのスペースに走り込んだDFコールが、ゴール左ポスト付近のFWブリッジへクロスを送る。ブリッジ、MFムーイーが二本三本と立て続けにゴールを狙い、混乱が続くなか、最後にはMFヘルシがボールをねじ込み、先制点をあげる。そのわずか2分後の45分、ゴール15メートル前で完全フリーのブリッジが、ヘルシから絶妙なパスを受け、ゴール上のネットを揺らす高めのシュートで今季7得点目をあげる。52分、MF小野のスルーパスをブリッジがクロスで合わせ、ゴール前に詰めたヘルシがヘディングで決める。61分、後半から途中出場したアデレードのFWデジャイトが、ディフェスから生じたわずかなスペースを利用し、右ネットを狙ったシュートで得点。会場が大いに盛り上がる。しかしその7分後は、MFポリヤックがリーグ初得点をあげ、4-1とリードする。小野、ヘルシと主要選手を下げたWSWは87分、失点を許すも、4-2で逃げ切り、リーグ3位へと順位を上げる。
通常のホームグラウンドから約50キロ南下したリューミアに位置するキャンベルタウン・スタジアム。人口1万人にもみたいない街に、1万589人が駆けつけた。もちろん、その大半はワンダラーズのサポーターだ。試合2時間半前から、スタジアムにほど近いパプに集合したサポーターたちは、念入りに応援の練習をし、恒例のマーチングインで会場に入場した。普段以上に熱くなったサポーターたちを警戒したのか、スタジアムの売店で売られているすべてのペットボトルドリンクから蓋が没収された。前半、両サイドともにチャンスを作るが、ディフェンダーの固いガードとキーパーのナイスセーブで得点に繋がらない。無得点のまま前半ロスタイムに入ったワンダラーズは、45+1分、MFヘルシが倒されて得たフリーキックをMF小野が打つ。ジェッツのディフェンダーが一度はじくも、ゴール前のヘルシが右足で力強くあわせ、キーパーのワンバウンドでネットを揺らす。後半、ニューキャッスルがボールを制す場面が多く見られるが、DFトーポースタンリーを筆頭にした固い守りで、ジェッツFWへスキーのチャンスを封じ込める。84分、ハーフウェイからボールを奪いとったFWブリッジが、ジェッツDFミッチェルと激しくぶつかり合いながらもひとりでPA内までボールを運び、ドリブルシュートでゴール上のネットを揺らす。ワンダラーズは後半ロスタイムに失点を許すも、2-1で勝利。ポポビッチ監督は「極めて重要な3点。すばらしいパフォーマンスだった」と選手たちを評価し、Aリーグチームとしては今季初となる5試合連続優勝を喜んだ。WSWはついにトップとの差を4点まで縮め、リーグ2位に浮上。
小野選手 この1ヵ月を振り返って…
WSWサイン会@Parramatta Westfields 2013年1月23日(水)
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ウエスタンシドニー・ワンダラーズで2年間活躍し、レジェンドの名を残して、オーストラリアを去った小野伸二選手が、次のステージに選んだ札幌の地に足を踏み入れた。
14日のサンフレッチェ戦を見事勝利で飾り、オーストラリアでは初の快挙となるACL準々決勝へと駒を進めたWSW。最高のプレゼントをチームに残して日本帰国をすることとなった小野は、6月半ばから新天地コンサドーレ札幌に合流する。小野のラストゲームを御覧ください。
AFCチャンピオンズリーグと平行して過酷なスケジュールをこなしてきたリーグ戦終盤ではあったが、蓋を開けてみれば2位通過でファイナルシリーズに駒を進めることができたWSW。しかしファイナルシリーズを迎える前に4月15日のAFCアウェイ戦、22日のAFCホーム戦の試合が残っているため余談を許さない状況が続く。そしてAFCホーム戦の3日後から、いよいよファイナルシリーズへと突入。小野のプレーをオーストラリアで見ることができるのも、残すところAFCを含めてあと3試合のみとなった。小野が移籍した昨シーズンは、リーグ
AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)が開幕し、未経験の過密スケジュールで乱調気味と言わざるを得なかったWSW。3試合連続での黒星から迎えた、3月12日のACL、貴州人和(中国)とのアウェイ戦を何とか勝利で収めることができ、復活の兆しを見せつつある。今後、小野のプレーを見ることができるのは、3月14日時点でリーグでは24節を含め、残り4試合のみ。このまま2位をキープしてファイナルシリーズに突入することに期待したい。
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