24/09/2013
第3回 |
WSW得点ラッシュ! リーグ4位!!
12月9日の第10節ブリスベンロアー戦で小野伸二選手が初得点を決めてから、ウェスタンシドニー・ワンダラーズ(以下WSW)が明らかに違う。Aリーグ開幕からこの新規参入チームを追ってきたファンであったら、そう思うに違いない。大注目のシドニーダービー第11節は2-0で勝利、続く第12節、リーグ2位のアデレード戦では6-1という快進撃を、そして新年が明けた元旦の第14節では小野選手が2得点をあげ、2-1で白星を飾るなど、勢いが止まらない。1月14日現在、WSWはリーグ4位。折り返し地点を迎えたいま、ホームゲームは残すところ4試合。熱狂的なファン層でも知られるこの熱いスタジアムをいまだ訪れたことがない方は、いますぐチケットのご予約を!
リーグ2位のアデレード・ユナイテッドとの試合は、WSWが初っ端からコントロールを握った。前半7分、8分、12分、16分とチャンスが続き、迎えた18分。MF小野のロングパスをMFヘルシがゴール前へと上げ、FWブリッジが今季3点目となる得点で先制点をあげる。28分、前方でスペースを見つけたFWブリッジがトップスピードでPA内に走り込み、右へ左へとドリブルでディフェンダーをかわし、鋭い角度のシュートをゴール右へと突き刺す。前半ロスタイム、相手チームのゴールキックから、FWクレシンガー、MF小野、FWクレシンガーのわずか3タッチで3点目をあげる。52分、同じく相手チームのゴールキックをMFヘルシがMF小野にへディングパス。これを左で一度トラップした後、右足でゴール左隅に完璧なシュートを打ちつける。58分、MFヘルシからのクリアパスをFWブリッジがゴールセンターへと流し込み、ハットトリックを達成。MF小野とFWクレシンガーが交代された直後の68分、アデレードのFWヴィドシックが得点をあげるが、WSWの快進撃は続き、MFヘルシがまたもチャンスを作る。FWブリッジがフェイントをかけ、途中出場のMFギブスにパス、見事な連携プレイでWSWは歴史的な6-1の勝利をホームで飾る。これによりWSWはリーグ3位に浮上。試合終了後小野は、ポポビッチ監督がハーフタイムで、守りの体制に入るか、またはさらなる得点を狙うかを自分たちで判断するよう指示したと明かし、「そんな中で4点目を決められたのは大きかったですし、うれしかったです」と振り返る。
左:Round 12/12月21日2012年 FWクレシンガー、MF小野、FWクレシンガーの3タッチで、FWクレシンガーが初得点。
右:Round 12/12月21日2012年
Round12/12月21日2012年 この日ハットトリックを達成したFWブリッジ。
11日間に3試合という、タフなスケジュールによる選手のコンディションを懸念したポポビッチ監督は、圧勝した前回の試合の先発に6つの変更をし、周囲を驚かせた。MF小野、MFヘルシ、DFポレンツは出場せず、FWブリッジ、FWクレシンガーはベンチからのスタート、19歳のFWアピアクビと20歳のDFカイラにとってはデビュー戦となった。本試合で特に目立ったのは、今季セレッソ大阪から移籍した21歳、パースFW永井とFWハリティによる90分の戦い。試合開始直後からお互いにチャンスが訪れるが、ネットを揺らすことができない。そして迎えた38分、MFポルジャックのパスをPA内で受けたFWハリティが、ディフェンダーを左右にかわし、ゴール右へと流し込み、先制点をあげる。シドニーから遥々と応援にきた16名のワンダラーズサポーターの前へ全選手を呼び集めたFWハリティは、ファンとともに初ゴールを祝う。後半、30度を超えた気温に、双方の選手からは疲労が感じられ、数名がけいれんを訴える。87分、FW永井からの見事なクロスボールを、MFワードが力強くシュート、クロスバー下を直撃し、跳ね返ったボールは勢いよく得点となる。ポポビッチ監督は記者会見で、今回の先発メンバーについて、「21人の選手全員がチームの一員、ひいきする選手はいない」「レギュラー陣でない選手がコンディションを維持するのは大変なこと。こういった結果を残せたことは評価されるべきだ」と述べている。引き分けとなったが、得失点差によりWSWはリーグ3位を維持する。
観客1万3659人が駆けつけた元旦の試合。第13節で6人の主要選手を休ませたWSWには、前半から明らかな勢いがあり、ゴール前へと積極的に進む。前半8分、MFヘルシからのボールをFWブリッジがヘディングで合わせるが、ゴール上と大きく外れる。そこから18分DFコール、20分DFラロッカとチャンスが続くが、わずかなタイミングミスなどで得点に繋がらない。34分、ビクトリーに決定的なチャンスが訪れるが、GKコビッチの固いガードで守られる。WSWがペースを握った前半が終了を迎える42分、DFトーポースタンリーからのパスを、MF小野が右足で、2度ノーバウンドでトラップしたのち、左足で空中でシュート。これが相手のディフェンダーのまたを抜き、芝生に一度も触れることなく、ゴール左のネットを揺らす。後半26分、ビクトリーは途中出場したDFディルベスキーの得点により同点に追いつくが、ビクトリーのポスティコグルー監督が試合後の記者会見であっさりと認めたように、ビクトリーは「自分たちのサッカーができない」。後半35分、ゴール前でパスを受けた小野が、カーブを描く見事なシュートで、勝ち点をあげる。試合後の小野は、2得点をあげたにもかかわらず、「自分の(試合全体の)パフォーマンスには納得していない」と厳しい評価。その一方で、ポポビッチ監督は小野について「チームの一員になったときから特別な選手」「ワンダラーズにとってパーフェクトマッチな選手だ」と絶賛している。
Round 14/01月01日2013年 MF小野が右足で2度トラップしたのち、左足で空中蹴り。これが相手のディフェンダーのまたを抜き、ノーパウンドでゴール左のネットを揺らした。
左:Round 14/01月01日2013年 スピード感溢れるMFヘルシ。最後まで諦めずアグネッシブにチャンスを狙う。
右:Round 14/01月01日2013年 小野が2得点を決め仲間に囲まれる。
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右:Round 14/01月01日2013年 WSWの若手のホープFWアビアクビ。MF小野のことを「マイ・ヒーロー」と呼んでいるとか。
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試合開始直後からボールを激しく奪うシーンが続き、フィジカルなゲームが予想される。17分にはDFポレンツが、23分にはMFトロフィロがイエロー。26分、MFギブズが決定的な得点の機会に、相手チームのDFセインズバリーに倒される。誰もがレッドカードを期待するが、審判が下したイエローに1万6000を超えるWSWサポーターがブーイング。41分、相手チームのFWマクビーンがWSWのディフェンダー3人をかわす見事な個人技で、ゴール右のサイドネットにボールをねじ込み、現在得点数がリーグ1位であるスキルを見せつける。50分、ゴールエリア前のMF小野がDFポレンツからのパーフェクトなパスを受け、力強くショートゴールを狙うが、ディフェンダーの足により弾かれる。54分、MFトラフィロがハイタックルによる2枚目のイエローで退場となる。ロスタイムに入り、FWブリッジがPA内で倒されるもPKにならず、WSWサポーターからはペットボトルや白熱灯が投げ込まれるシーンも。「まだ時間があったので無駄にしたくなかった」と試合後振り返った小野は、投げられたボトルを自主的に拾い、ファンに落ち着くようアピールしていた。96分、マリナーズのFWマクビーンが2得点目をあげ、WSWは黒星となる。記者会見でポポビッチ監督は「結果は残念であったが、選手のパフォーマンスには落胆していない」と評価し、また「トロフィロの退場に異議はないが、(審判の)全体的なパフォーマンスはひどかった」と批判のコメントを残している。
過去6試合中1勝利のフェニックは、前半から勢いを見せる。試合開始直後の6分にはフェニックスFWヒューセガムが、突発的なドリブルでPA内に入るも、WSWのDFトーポースタンリーとGKコビッチにより得点が許されず。その8分後には同じくFWヒューセガムが、ゴール20メートル前から力強くシュートを放つもクロスバーに弾かれる。フェニックスはその後もチャンスを幾度も作るが、GKコビッチが固く守り、フラストレーションが高まる。後半、「ミッドフィールドを制すことで、チャンスを作ることができた」WSWは、積極的にチャンスを作り、FWハリティを筆頭にゴールチャンスを立て続けに作る。その一方で、両チームからは攻撃的なディフェンスが目立ち、小競り合いが生じる場面も。71分、MFムーイーからのロングクロスを、ゴール前にいたDFトーポースタンリーが低く頭で合わせ、先制点をあげる。WSWの攻撃はさらに続き、82分、DFポレンツが高く上げたクロスをFWハリティが合わせ、だめ押しの2得点目をあげる。試合後の記者会見でポポビッチ監督は、前回と同じく風の強いコンディションであったものの、「学んだことを生かすことができた試合」「後半はミッドフィールを中心にコートを制すことができた」と評価。フェニックスのハーバート監督は、WSWの勝利について、前半、後半とペースを落とさず試合に挑んだ結果とした。
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Upcoming Matches
1月20日(日) 4:00pm vs ブリスベンロアー (アウェイ) 1月26日(土) 7:45pm vs メルボルン・ハーツ (ホーム) 2月3日(日) 4:30pm vs アデレード・ユナイテッド (アウェイ) 2月9日(土) 7:45pm vs ニューキャッスル・ジェッツ(アウェイ)※ 2月16日(土) 7:45pm vs メルボルン・ビクトリー (アウェイ) ●時間はすべてシドニータイム ※シドニーから車で約2時間
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ウエスタンシドニー・ワンダラーズで2年間活躍し、レジェンドの名を残して、オーストラリアを去った小野伸二選手が、次のステージに選んだ札幌の地に足を踏み入れた。
14日のサンフレッチェ戦を見事勝利で飾り、オーストラリアでは初の快挙となるACL準々決勝へと駒を進めたWSW。最高のプレゼントをチームに残して日本帰国をすることとなった小野は、6月半ばから新天地コンサドーレ札幌に合流する。小野のラストゲームを御覧ください。
AFCチャンピオンズリーグと平行して過酷なスケジュールをこなしてきたリーグ戦終盤ではあったが、蓋を開けてみれば2位通過でファイナルシリーズに駒を進めることができたWSW。しかしファイナルシリーズを迎える前に4月15日のAFCアウェイ戦、22日のAFCホーム戦の試合が残っているため余談を許さない状況が続く。そしてAFCホーム戦の3日後から、いよいよファイナルシリーズへと突入。小野のプレーをオーストラリアで見ることができるのも、残すところAFCを含めてあと3試合のみとなった。小野が移籍した昨シーズンは、リーグ
AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)が開幕し、未経験の過密スケジュールで乱調気味と言わざるを得なかったWSW。3試合連続での黒星から迎えた、3月12日のACL、貴州人和(中国)とのアウェイ戦を何とか勝利で収めることができ、復活の兆しを見せつつある。今後、小野のプレーを見ることができるのは、3月14日時点でリーグでは24節を含め、残り4試合のみ。このまま2位をキープしてファイナルシリーズに突入することに期待したい。
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